JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
さよなら 寝台特急北陸、急行能登
今回のダイヤ改正で、上野口から2つの名列車が消えようとしています。
寝台特急北陸号と急行能登号です。
寝台特急北陸号は今夜23時03分に、急行能登号は23時33分に、それぞれ13番線と16番線から出発します。
(寝台特急北陸号)
(急行能登号)
どちらも上野駅~金沢駅間を結ぶ夜行列車で、学生の時には随分とお世話になった列車です。
走行区間が比較的短く、また、地味な路線を走るためか、あまり話題に上ることのない列車たちでしたが、いざ廃止となると、連日のようにカメラを持った人が最期の姿を見に上野駅に集まるそうです。
こちらは国鉄時代の北陸号の特急B寝台券です。
氷見駅で発行されたA型の特急券とB寝台券の併用券で、A型の券面に細々と必要事項の記載された硬券は、一般的に併用券はD型硬券が主流でしたので当時としても珍しい様式でした。
学生の身分でもあり、A寝台なんかおこがましく、B寝台以外に乗車した経験はありません。
それでも、急行能登に比べて料金の高い寝台特急は贅沢な列車でした。
次は、N型マルス時代の急行能登号の急行B寝台券です。
当時は10系という旧型の寝台客車とスハ43系やスロ62形というやはり旧型の座席客車やスニ41形荷物車などが雑多に連結された列車で、手動の乗降口扉や板バネ台車、幅が50センチ強しかない3段寝台や、後付けの冷風が直接吹き付けるエアコン等、お世辞にも乗り心地の良い列車とは言えませんでした。
3枚目の券は旅行会社である京王観光で周遊券と同時に購入した急行B寝台券で、営業所にマルス端末がなかったため、クーポン式の券で発券されています。
このころは、車両が14系寝台車にグレードアップされましたが、所詮は急行列車であり、3段寝台であることには変わりませんでした。
その後、JR化後に急行能登号は電車化され、489系電車による運転となり、寝台車のない全車座席車の急行列車となって現在に至ります。
今夜上野を出発した寝台特急北陸号は明朝06時26分に、急行能登号は06時29分に金沢駅に到着し、フィナーレを飾ります。
また、今夜金沢駅を出発する上りの急行能登号は明朝06時05分に、寝台特急北陸号は06時19分に、それぞれ上野駅に到着し、その歴史に幕を下ろします。