JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
いすみ鐵道 2011.11.11記念乗車券
いすみ鐵道で発行された、2011.11.11記念乗車券です。
同社の看板車両であるキハ52の写真の台紙に、大多喜~上総中野間の硬券乗車券を1往復分つけたものとなっています。
台紙裏面です。
右下に券番があります。
こういうものを「トリプルワン」と言うかはさておき、キハ52が大きく取り上げられており、少々「2011.11.11記念」という本題からずれた感も否めません。
1枚目についている、大多喜駅から上総中野駅ゆき乗車券です。
B型国鉄地紋の一般式券で、関東交通印刷調製と思われます。かつての国鉄東京印刷場調製の一般式券によく似ていますが、「下車前途無効」が特活になっている点と、小児断片の数字が大人運賃そのままの390となっている点が異なります。
同社はいろいろな意味で鉄道マニアの視点からのものづくりをしているところもあり、細かな違いに気づかなかったのではなく、敢えて無用なトラブルを避けるために東京印刷場の様式そのものにしなかった可能性も考えられます。
2枚目についている券は上総中野駅から大多喜駅ゆき乗車券です。
様式的には1枚目と同一ですが、発行箇所名は無人駅ではありますが、上総中野駅となっています。
双方の券の裏側です。
記念乗車券特有の「呪文」の類は一切ない、大変好ましい様式です。
ただし、実使用を考慮して、運賃箱へ投入した際に裏返しになっても良いように、発駅と着駅が印刷されています。
ところでこの記念乗車券、2011.11.11記念ということですが、ダッチングもしくはダッチング風の日付が一切入れてありませんので、乗車券だけ見ると何の記念の乗車券なのか全くわからない、という大変不思議な一品です。
恐らく、実使用の際にダッチングで日付を入れられるようになっているのでしょう、きっと…