恵比寿駅発行 3社連絡乗車券

昭和60年12月に恵比寿駅で発行された、小田急線祖師ケ谷大蔵駅までの3社連絡乗車券です。

 

   


東京印刷場調製の桃色国鉄地紋のB型券で、相互式となっています。一見国鉄から小田急電鉄への連絡乗車券のように見えますが、経由欄の「渋谷・下北沢経由」の通り、恵比寿~(山手線)~渋谷~(京王帝都井の頭線)~下北沢~(小田急線)~祖師ケ谷大蔵という経路であり、数少ない3社連絡常備券のひとつです。


短距離区間の乗車での他社乗換えは運賃が高くつき、複数の乗換えによる時間的ロスが占める割合が多いため、一般的にはあまり選択されないように思われます。新宿回りで小田急線に1回だけ乗換えるよりも時間的には5分程度の短縮にしかなりませんが、それでも50円程度割高である3社連絡経路の需要は、この常備券を口座として維持するだけあったのでしょう。


この券を購入した当時は存在に気付いてはいませんでしたが、硬券入場券を購入するために窓口を訪れた際、窓口氏から「ここにはこんな珍しい券もあるけど、どう?」と訊かれ、即購入した次第です。窓口氏も乗車券に興味がおありだったのか、単に増収のためのアピールだったのか分かりませんが、現在のようにネットでの口座情報が無かった時代、このような券に巡り会えるのもコレクションの醍醐味でした。


残念なことに、最近あるきっぷ系のブログで、規程では発売できない3社連絡の乗車券をアップしてしまった話題が問題視されてしまっています。今回のような常備券が設備されている、もしくは券売機に口座設定があるのであればコレクションとして面白い存在ですので即購入となると思います。しかし、あまり需要の無い3社連絡区間をマルス端末や補充券で発券する行為は窓口氏に迷惑がかかりますし、私としてはあまり興味が持てません。

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