東京急行電鉄 (新)渋谷駅発行 入場券

2年前のきょう、渋谷駅で大きな出来事がありました。東京急行電鉄東横線の渋谷駅が地下化によって営業を終了し、翌日の1番電車からは、今まで田園都市線の渋谷駅であった地下の渋谷駅から発着するようになったのです。


   


カレンダー上では翌16日ではありますが、15日の最終電車の出発を大勢の人々が見守っていました。渋谷駅の毛内駅長が最終列車を見送った姿には、渋谷駅のひとつの時代が終わり、また次の時代の幕開けを感じさせられたのは、鉄道ファンだけでは無かったのではないかと思います。(この写真は、東横線渋谷駅廃止後のイベントの時、たまたまお見掛けした毛内駅長殿に敬礼して撮影させていただいたものです。)


そんな渋谷駅ですが、東横線の乗場に対し、田園都市線の乗場を「(田都)渋谷駅」と区別されていましたが、乗車券類には「田都」ではなく、「新」という符号が付けられておりました。


   


「(田都)渋谷駅」の最終日に購入した、券売機発行の入場券です。桃色PJRてつどう地紋のA型券売機券です。


「(田都)渋谷駅」は昭和52年に新玉川線の開業の際に開業した駅で、帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)が半蔵門線の駅として建設したものの、開業時は東急新玉川線のみの駅であったため、東急が駅務を管理する駅となっていました。この時、東横線の駅とは改札が異なることから別の駅として管理されたため、新玉川線の「新」を符号として付けて「(新)渋谷駅」とされたのが始まりです。

その後、翌53年に営団半蔵門線が開業し、新玉川線と相互乗り入れが開始されると「(新)渋谷駅」は営団に移管されましたが、駅名は「(新)渋谷駅」のまま継承されました。

平成12年には新玉川線は田園都市線に編入され、さらには平成19年になりますと「(新)渋谷駅」の駅務が東急に再び移管され、この頃には「(田都)渋谷駅」を名乗るようになっていたようですが、依然乗車券類の表記は「(新)渋谷駅」のままでした。
そして、「(新)渋谷駅」表記の乗車券類は平成25年の東横線地下化に伴って渋谷駅が一元化されるまで健在でした。


この頃になりますと、符号の意味を示す「新玉川線」の名称が消滅してしまってから13年が経過しており、「(新)」の意味するものが何なのかが薄れていたように思えます。実際、「新しい渋谷駅」だから「(新)渋谷駅」だと思われている利用者も少なくなかったと聞いています。

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