アルピコ交通 松本市福祉乗車券 ~その1

2018(平成30)年11月にアルピコ交通上高地線の駅で発行された、松本市福祉乗車券です。


   


青色BJRてつどうじどうしゃ地紋のB型大人専用券で、日本交通印刷で調製されたものです。


同社の松本市福祉乗車券は長野県松本市が実施している100円パス助成事業に基づいて発行されています。この事業は、松本市に住民登録のある、満70歳以上の市民および身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持する市民を対象として松本市が実施しているもので、交通手段を確保することで社会活動を支援し、かつ公共交通機関の利用促進を目的として、松本市内の路線バスと上高地線電車が1回100円で利用できる制度となっています。

この券を発券するには松本市役所高齢福祉課で交付される「福祉100円パス」の提示が必要で、これが無ければ購入できません。また、実際の運賃と100円との差額の一部は松本市から「助成金」としてアルピコ交通に支払われるため、パスを所持していない者がコレクション用として購入することは不可能です。これば発行枚数分の助成金が支払われることから、市に対する不正な助成金の請求になってしまうため、管理を厳格にしているとのことです。
そのためだと思われますが、この券の発行箇所名は「松本電鉄(鉄道)発行」となっており、駅ごとの管理にはなっていません。

御紹介の券は、ある駅で着札を戴いたもので、往復発券され、復路用として使用されたものです。


   


裏面です。
料金機対応になっていますが、どの区間を乗車しても100円であるため、発駅の記載をする必要はなく、「100円乗車券」とのみ記載されています。


同社のホームページを見ますと、「上高地線電車では、現金100円のほか、専用きっぷの購入ができます」とか「電車上高地線をご利用の場合、JR松本駅改札口ではお取り扱いできません。(専用きっぷをご利用の方は乗降可能です。また、松本行を現金100円でご利用の場合、降車の際に運転士にお申し出ください)」としか記載されていませんが、この券は、様式は単純なものの、使用方法についてはかなり複雑です。

それでは次回、複雑な使用方法について御紹介したいと思います。

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