趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR東日本 空港第2ビル駅発行 精算券
JR東日本成田線(空港支線)の空港第2ビル駅の改札口で発行されていた精算券です。
白色無地紋のA型軟券となっています。
この券はかつて成田国際空港で実施されていた検問に対応するため、改札が入口と出口とに分離されていた時代に使用されていました。
同駅の入口改札は通常通りの形態ですが、京成電鉄の出口改札の先にセキュリティーエリアと呼ばれる空港の検問所があり、ここでパスポートなどの身分証明書の提示を求められるとともに、手荷物検査が行われておりました。そのため、JR線改札から出場する際、一旦京成電鉄の構内を通ってセキュリティーエリアに行くことになることから、JRの出口改札では乗車券は回収されず、その先の京成電鉄の出口改札で乗車券の回収が行われ、セキュリティーエリアへ向かうようになっていました。
そのため、JRの乗車券で乗越精算が必要な旅客に対しては、JR線の改札口で原券を回収のうえで精算が行われる関係から精算券が交付され、その先にある京成電鉄の改札口では精算券で出場するようになっていました。
御紹介の精算券は当時発行されていたもので、当時、管理人は空港関係の業務に就いていたことからセキュリティーチェックは省略されて専用の通路を通っておりましたので、精算券はそのまま手元に残すことができました。
その後、成田国際空港では、検問に代わる機械警備の強化により、2013(平成25)年3月から監視カメラと危険物探知装置を設置して実証実験を行い、2015(平成27)年3月に開港以来実施されてきた検問を終了し、記機械警備による体制となり、JR線の降車客が京成電鉄の出口改札を経由してセキュリティーエリアへ出る必要がなくなったため、2019(令和元)年12月にJR線と京成電鉄の改札が分離され、JR線の利用客が京成電鉄の改札を通る必要がなくなったことに伴い、精算券の発行は廃止されています。