東武鉄道 妻沼駅発行 130円区間ゆき片道乗車券

1983(昭和58)年5月に東武鉄道熊谷線の妻沼駅で発行された、130円区間ゆきの片道乗車券です。


   

山吹色TRCとぶてつ自社地紋のB型金額式大人専用券で、足利印刷で調製されたものです。

東武鉄道の金額式券は、末期の高額券に大人・小児用券が登場していますが、近距離用は大人専用券と小児専用券が設定され、大人・小児用の金額式券はありませんでした。


   

同駅で発売されていた小児専用券です。小児専用券も大人専用券同様に130円区間であれば「130円区間ゆき」の表記になっており、その下に発売額である小児運賃が表記されていました。そのため行数が増えてしまい、券面の都合上で「(東武鉄道)」という社名表記が発駅の上から左横に移動しています。


   

裏面です。大人専用券と小児専用券のため、裏面に違いがありません。

東武熊谷線は、熊谷駅から妻沼駅までの全長10km程度の妃殿下太平洋戦争末期に群馬県太田市にあった中島飛行機製作所(現・富士重工)への工場要員輸送のため、当時の軍が敷設を命令して開通した路線でした。
当時は戦時中の資材不足のため、熊谷線を建設する目的で東武日光線の一部を単線化し、その際に発生したレール等を供用して建設された経緯を持つ、戦争のための軍事鉄道路線です。

しかし、建設中に太平洋戦争が終戦を迎え、太田市まで全通することなく熊谷駅~妻沼駅間の路線として営業していましたが、御紹介の券が発売された日を以て営業を終了し、翌6月1日付けで廃線になっています。

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