趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
東京メトロ ヴァンサンカン付録用24時間券 ~その1
鉄分多めの皆様にはあまり縁がないかも知れませんが、「ヴァンサンカン」というハースト婦人画報社が発刊している25歳前後の女性をターゲットにしたファッション雑誌があります。
そのヴァンサンカンという雑誌ですが、2019年1月号で「ルシアン ぺラフィネ」というフランスのファッションブランドとコラボし、東京の話題のエリアを散策しましょうというコンセプトのもと、東京メトロの一日乗車券である24時間券が付録として付いていました。
これが1月号です。中年のオジサンが購入するのはおかしいですから、家内に頼んで買ってきてもらいました。(^^;
雑誌と600円の東京メトロ24時間券のセットで970円という価格ですので、これが高いか安いかは個々人の考え方に拠るものと思います。
背表紙には人気の高級ブランドである「カルティエ」の時計の広告があります。
興味深いのは背表紙下部にある「販売店様へ」というシールです。
雑誌本体と東京メトロ24時間券はセットであるため「分売」はできない旨が記載され、東京メトロ24時間券には有効期間があるため、返品は2月27日までしかできない旨が記載されています。
それでは次回、付録としてついていた東京メトロ24時間券を御紹介いたしましょう。
アルピコ交通 波田駅発行東京都区内ゆき片道連絡乗車券
平成30年11月にアルピコ交通(旧・松本電鉄)上高地線波田駅で発行された、東京都区内ゆきの片道乗車券です。
青色BJRてつどうじどうしゃ地紋のA型一般式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。
上高地線では波田駅および新島々駅発の乗車券に限りJR東日本との連絡運輸を実施しており、発売可能区間は東京都区内・中央本線(吉祥寺~塩尻間)・篠ノ井線・大糸線および信越本線(今井~長野間)となっています。新島々駅のほうはもう少し発売可能エリアが広く、JR東日本の篠ノ井線を経由し、JR東海の名古屋市内・東海道線(沼津・吉原~静岡間・浜松・豊橋・尾張一宮・岐阜・大垣・京都・新大阪)・身延線・中央本線(西線)・太多線の各駅まで発売することが可能のようです。
ただし、連絡乗車券については需要があまりないことから常備券は殆ど設備されておらず、両駅とも東京都区内ゆきのみ硬券で設備されています。
御紹介の券は拙ブログ2014年6月8日エントリーの「アルピコ交通 新島々駅発行東京都区内ゆき乗車券」で御紹介いたしました券と様式は同一のようで、高額券であるにも拘わらずJR区間が東京近郊区間相互区間内であるため、発売当日限り・下車前途無効となっています。
裏面です。
やはりこちらの券もなぜか料金機対応となっており、「東京都区内各駅([区]表示駅)下車前途無効」の文言がありません。
この券は実際に使用しておりますが、波田駅ではスタンパーによる入鋏印が捺されず、JR線内は特急スーパーあずさ号の指定席を利用したために検札が省略されており、着駅では無効印は捺されませんでしたので、奇跡的に無傷の状態で手元に残りました。
東武鉄道 池袋からときわ台ゆき片道乗車券
戴き物ですが、昭和44年3月に東武鉄道東上線の池袋駅で発行された、池袋からときわ台ゆきの片道乗車券です。
青色TRCとぶてつ自社地紋のA型一般式券で、スミインク式の券売機で発券されています。
短距離の乗車券ながら一般式となる珍しい様式ですが、印版の位置がずれてしまっているようで、かなり上寄りに印字されてしまっています。
入鋏が入っているところに「(東武鉄道)」と社名が入り、その右に発駅である「池袋から」が、その下に着駅である「ときわ台ゆき」が表記されています。
その下には「通用発売当日限り」と「下車前途無効」の文言が入り、運賃の「20円」および「2等」の表記が続きます。そして、一番下の行に発行駅名があります。
発行駅名の前には「〇ウ」と「〇C」という符号が入っており、「〇C」については券売機の設置されている箇所と思われますが、「〇ウ」が何を示していたのか不明です。
JR東日本 会津若松運輸区乗務員発行 車内乗車券
戴き物ですが、平成初期にJR東日本仙台支社会津若松運輸区乗務員にて発行された、只見線滝谷から会津柳津ゆきの片道乗車券です。
青色JRE地紋の駅名式券となっています。
駅名の範囲は磐越西線、只見線と東北本線主要駅および横浜市内となっており、新幹線経由の乗車券も発券することができます。
磐越西線の休止駅となっている臨時駅である猪苗代湖畔駅や、只見線の廃止駅となった同じく臨時駅の田子倉駅の記載もありますが、同時に廃止となった柿ノ木駅の記載はありません。
裏面です。
簡素なご案内文が印刷されており、特定都区市内についての記載は「東京都区内」「横浜市内(川崎・鶴見線内)」「仙台市内」のみとなっており、券面の内容に沿った形になっています。
猪谷駅発行 猪谷から神岡ゆき 片道乗車券
前回エントリーで猪谷駅は高山本線の駅で、JR西日本とJR東海の境界駅となっていると御紹介いたしましたが、かつてはもう1線、国鉄神岡線という路線が乗り入れていました。
昭和58年8月に猪谷駅で発行された、神岡線神岡ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型一般式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。
国鉄末期の猪谷駅で停車していた、神岡線の列車です。
猪谷 ⇔ 神岡 と書かかれた行先板(サボ)を付けて折り返し準備をおこなっています。
神岡線は昭和41年に開業した比較的新しい路線ではありましたが、昭和56年に第1次特定地方交通線として廃止が承認されると、この券が発行された14か月後の昭和59年10月に廃止され、第3セクターである神岡鉄道に移管されたうえで同社神岡線として営業が始められました。
しかし、平成17年に猪谷駅と神岡鉱山前(旧・神岡口)駅間に運転されていた貨物列車がトラック輸送に切替えられたことによって廃止されると輸送量や収入は大幅に減り、今から約11年前の平成18年12月に神岡鉄道も廃止され、猪谷駅は再び高山本線のみ乗り入れしている駅になってしまいます。
さらに現在は無人化され、自動券売機のみ設置の無人駅となっています。
JR西日本 猪谷駅発行 普通入場券
本年の干支である猪の付いた駅名として2番目に挙げたのは、平成元年10月にJR西日本およびJR東海の高山本線猪谷駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で大阪印刷場で調製されたものです。
同駅は国鉄時代、金沢鉄道管理局管内に属した駅となっており、名古屋印刷場で調製された券が発売されておりましたが、国鉄民営化以降はJR西日本とJR東海の境界駅となり、駅の管理および業務はJR西日本が行っています。そのため、同駅を管轄するJR西日本金沢支社の管理下となり、設備する乗車券類はJR西日本大阪印刷場で調製するようになっています。
猪苗代駅発行 普通入場券
あけましておめでとうございます。
旧年中は拙ブログへの御支援、誠にありがとうございました。本年も変わらぬ御贔屓のほど、よろしくお願いいたします。
さて、拙ブログでは毎年正月三が日には干支(えと)に因んだきっぷを御紹介いたしておりますので、本年は猪(いのしし)の付いた駅に因んだ券を御紹介いたしましょう。
猪に因んだ駅名ですが、昨年の「犬」以上に駅数が少なく、猪苗代駅(磐越西線)、猪谷駅(高山本線)、猪名寺駅(福知山線)、猪田道駅(伊賀鉄道)の4駅しかありません。その他に磐越西線に猪苗代湖畔駅という臨時駅がありますが、2007年以降休止駅となってしまっています。
それでは、今回は猪苗代駅の話題から参りましょう。
国鉄末期の昭和61年8月に磐越西線猪苗代駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、仙台印刷場から引き継がれた後の東京印刷場で調製された様式で、仙台印刷場の様式を踏襲した発行駅名が記載された様式となっています。そのため、首都圏各駅で発行されていた東京印刷場の発行駅名の記載が無い一般的な様式より、行間が狭くなっています。
本年も、拙ブログ「古紙蒐集雑記帖」をよろしくお願いいたします。
古紙蒐集雑記帖 管理人 ; isaburou_shinpei
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