地震には津波、川には洪水がつきものだから、
本来、家を建てるのは川や海から離れた高台が向いている。
縄文時代の集落も、海産物採集に都合よい海辺や川辺であっても、
水際ではなくやや離れた台地の上に集まっている。
過去に川の洪水が及んだ土地は、泥水で運ばれた粘土質が
含まれているので水はけがよくない。
そのような低地や湿地は田んぼにして、お米と小動物
(タニシ、どじょう、フナ、稲子、カエル、鴨など)の
自然養殖場として、食糧を育む場にする。
大都市集中から、地域ごとの自治スタイルに変われば、
現在の人口でも充分にまかなえる。
東京で働くのが進歩的と考える若者は多いが、
地方からの生産物を、広告やパッケージング(表面的繕い)、タライ回しによって
仕入れ値の数十倍で売るためのくねくねマーケットに過ぎない。
今はインターネットや宅配も普及しているから、生産者が
正直な商品説明して、直売すれば流通は成り立つ。
むしろ、元々東京こそ、物を生み出すポテンシャルが大きいのに
ただ物を運んできて売るだけの市場になってしまっているのがもったいない。
低地は水分が集まるから、生産能力が高いのだ。海の子宮ともいえる東京湾もある。
水源は雨で、雨水を蓄えるのは森であるが、
住居周辺にも樹を植えておきたい。
食糧としてのどんぐり。アクが少ないのは、シイや樫など陰樹が多いので家の北側に。防風兼。
家の西側には、果樹(夏みかん、柿、栗、梅)。
南は畑。ひさしを深くすれば、高い夏の日射しは防げる。
東は水路がほしい。水はけの調節と、排水利用。ヨシ、ガマ、まこも、アヤメ、蓮で浄水。
家のある丘から坂を下ると田んぼや川、海があるという立地がよい。
主な食べ物は米、卵、どんぐり。
こういう暮らしは個人や家庭単位で可能だが、そこを近所や町単位ですれば
余剰を生み、交易可能な生産力に高まる。
土地の性質を生かした無理のないやり方を見出す。
これは、昔に戻ろうというのではなく
100年先の子どもたちの心身の歓びと健康を目指した未来志向。
移動、運搬はどうするか。
歩き、自転車、リヤカー、牛、馬、自動車、トラック、鉄道、船、飛行機、UFO?
牛は馬よりも坂道、山道につよく、祖母の嫁入り道具も牛車で運ばれた。
さすがに現代に牛は考えづらいが、ヨーグルトやチーズなど乳製品を好む人もいるから、
食べたい人は家で飼ってもよいね。先ほど述べたように、地方分散して、
午前中は田畑、午後は各々のなりわいに傾けるライフスタイルであれば、牛も可能でしょう。
農家でヤギを飼っていたのは、母乳成分に近いから。牛乳はリンが多くてカルシウム欠乏を生む。
馬による移動は、趣味的なものでよい。
メインは車やトラックのままでよいが、燃料やエンジンの仕組みを進化させれば
環境汚染源でなくなる。水素が希望だが、電気分解で発生させた不安定な水素は
大爆発の危険があるので、安全な水素の研究開発が今後の主題。
僕がもっと増えてほしいのは、船による移動、運搬です。
町に小川、水路、運河が巡らされれば、水はけがよくなり
緊急時の第二の道となり、水に意識が向いて、排水意識も変わる。
垂直護岸でかためず、堤防を高くするよりも川幅を広くする。
直線ではなく、自然な曲線を描かせる。
川辺には住宅を建てず、代わりに、屋台や市場など人々の集う場にする。
東京は元々湿地だから、たくさんの水路で安定させた。
御一新(明治維新)、関東大震災のがれき埋め立て、戦後復興と東京オリンピックの折々に
外堀や運河、水路、小川は次々埋められていったが、それで湿地に戻らなかったのは
地面をアスファルトで固めて、雨水が地面にしみ込まず下水に流すようになったから。
現在は地下水も汚染されているが、いずれにしても水源としての井戸があると
非常時にこころ強いから、雨のしみこむ東京にして、同時に水路も造って、
観光や流通に生かす。
さきの地震で浦安が液状化したように、今度また地震があれば、
東京の、特に臨海の低地は、オリンピックどころではなくなるかもしれない。
また、温暖化で氷が解けても海面が上がらないというが
(氷は体積が大きい。コップに浮かぶ氷がとけても水はあふれない)
氣温が上がると水は膨張するから、水自体が増えなくても海面は上がり、
低地のほとんどは浸水する時代が、遠からず来るかもしれない。
そのための治水のインフラを整えるよりも、水びたしになっても
被害が少なくなるように、住居は建てず、田んぼやイベント広場に
しておいたり、海が広がったら干潟として、海産物を育む、
海水の浄化機能もそなえた、釣り場、漁場になったらよい。
同時に放射能問題も解決しながら。放射性物質は海水のミネラルと
結びついて沈殿するので、河口あたりに溜まりやすい。
すでにたくさんの人々が住んでいて現実的でないと思われるかもしれないが、
本当にリアルに先を見つめて、何が起こるか分からないという視点で
命を守るためにも、今から徐々に、海に近いところから
住宅を撤去し、その補償金に税金を使う。
オリンピックの予算があれば、東京湾周辺の、元々干潟だった
かなりの範囲の自然公園化ができるのではないか。
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