洛中の中心部に豊かな自然が広がる京都御苑。
江戸時代までは約200軒の公家屋敷が並ぶ公家町を形成していましたが、明治2年の東京遷都により公家のほとんどが東京へ移転し、荒廃しました。
明治10年以降、京都府を中心に整備行われ、現在の南北約1.3km、東西約700mの国民公園として市民に親しまれる御苑が誕生しました。
この歴史ある御苑内の宮家、公家の邸宅跡、幕末維新に所縁があった場所を、今見頃の紅葉と併せて散策してみました。
〈閑院宮邸跡〉
公家屋敷の佇まいが残る貴重な遺構
〈九条邸跡〉
五摂家の一つ、九條家の唯一の遺構。茶室拾翠亭が残る。
〈堺町御門〉
御苑内の九つの御門の中で唯一南側にあり、御苑の正門。
京都三大祭の葵祭と時代祭の行列はここから出発。
〈蛤御門〉
「禁門の変」の舞台となり、刀傷らしき跡が残る。
〈建礼門〉
天皇陛下や国賓が来られた時開門される格式の高い門。
〈学習院址〉
学習院は公家の子弟の教育機関。
この周辺の紅葉は特に綺麗。
〈橋本家跡〉
橋本家は幕末の公武合体政策により将軍家茂に嫁いだ和宮の生家。
〈猿ヶ辻〉
御所の東北は鬼門。それを守っているのが御幣を持った猿がいます。
この辺りで尊攘派の過激派公家、姉小路公知が暗殺される「朔平門外の変」が起こった場所で猿ヶ辻の変とも言われる。
〈中山邸跡〉
明治天皇の生家。木造平屋建ての21坪ほどの産屋が現在も残っていますが、非公開。
〈近衛邸跡〉
枝垂桜で知られるが、紅葉も綺麗。
京都御苑はその広い敷地に様々な樹が植えられていて、長い間、紅葉やイチョウの黄葉を楽しめます。
だいたい2時間あればご紹介した場所をめぐることが出来ます。
お時間が許す方はお楽しみください。
京都好き男 細木