先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

<今日の話題>マンガの花々

2023-12-23 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年12月23日 05:00

 道内各地を歩いた幕末の探検家松浦武四郎が、アイヌ民族の暮らしを広く紹介しようと出版したのが「蝦夷(えぞ)漫画」である。

 ここで言う漫画とは「気ままに描いた絵」というような意味で、今のマンガとは違うそうだ。

 とはいえ、文字と多色刷りの絵でアイヌの人々のあいさつや狩猟の様子、酒造りの工程などをマンガ同様、生き生きと伝えている。

 同じ伊勢出身の先達の作品を下敷きにはしているが、武四郎らしい丸みのある絵筆のタッチにアイヌへの親愛の情もにじむ。

 ひょっとして武四郎がルーツなのか―。ついそんな楽しい想像を膨らませてしまうほど、北海道は実はマンガと関わりが深い。

 道内ゆかりのマンガ家は約350人に上り、これは東京、神奈川、大阪に次ぐ多さという。先日まで札幌市中央図書館で開かれていた所蔵資料特別展で知った。

 元々、おおば比呂司さんやモンキー・パンチさんらビッグネームはあまたいる上、近年も「ゴールデンカムイ」の野田サトルさんらヒットメーカーが続いている。

 道内を活動拠点としたり、野生動物など北海道ならではのテーマを描く作家も少なくない。

 ・・・・・・・

(論説委員=社会担当・相内亮)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/956903/


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2024年度政府予算案ポイント 一部

2023-12-23 | アイヌ民族関連

会員限定記事

2023年12月23日 00:14

■防衛 伸び突出 「聖域化」顕著

・・・・・

■1次産業 輸入依存から脱却図る

・・・・・・

■道新幹線 トンネル・駅高架橋工事推進

・・・・・・

■日ロ関連 中断続く交流事業も計上

・・・・・・

■アイヌ政策 海外の遺骨返還、調査強化

 アイヌ政策関連は前年度当初比1700万円増の58億1700万円で微増となった。このうち来年度に開業5年目を迎える胆振管内白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の管理運営などの費用は同2千万円増の31億3400万円を計上した。

 アイヌ政策を総合的・効果的に推進するための経費は前年度比300万円増の2300万円。海外に持ち出されたアイヌ民族の遺骨返還に向けた調査などを強化する。

 アイヌ政策推進交付金は20億円、アイヌ文化の振興・普及啓発関連は3億1900万円で、いずれも前年度と同額。生活向上関連は同700万円減の3億3600万円を盛り込んだ。(今井裕紀)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/956939/


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道開発予算5726億円 24年度、3年連続増 先端産業集積後押し

2023-12-23 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年12月22日 21:38(12月22日 22:55更新)

 政府が22日閣議決定した2024年度予算案で、北海道開発予算は前年度当初比21億円増の5726億円となり、3年連続で前年を上回った。24年度は本年度中の閣議決定を目指す次期北海道総合開発計画の初年度で、実現に向けて半導体などデジタル関連産業の集積支援や防災、農林水産業の基盤整備に重点配分する。

 23年度補正予算との合計は7386億円となり、6年連続で7千億円台を維持した。年度の切れ目なく事業を進める。

 一般公共事業費に当たる北海道開発事業費は5609億円で、前年を20億円上回った。全国の一般公共事業費に占める割合「北海道シェア」は9・3%で、4年連続同じだった。

 全体の4割近くを占める道路整備費は2189億円と横ばい。新千歳空港と小樽を結ぶ道央圏連絡道路の江別市―空知管内南幌町間は24年度の供用開始に向け工事が進む。ラピダス(東京)など先端産業の集積にも貢献すると期待される。24年度は道東道阿寒インターチェンジ(IC)―釧路西IC間も供用を始める。

 治水事業費は横ばいの946億円。16年の連続台風で被災した十勝川水系の音更川上流にある糠平ダム(十勝管内上士幌町)のかさ上げ事業の調査を始める。

 農業農村整備費は微増の795億円とした。篠津運河下流(江別市、石狩管内当別町)のかんがい排水事業など道内4地区で国営事業に着手する。

 アイヌ伝統等普及啓発等経費は微減の15億円で、胆振管内白老町のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で年間来場者100万人の目標に向けて、客層ごとの誘客戦略を策定・実施する。

・・・・・・

(米田真梨子)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/956850/


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北海道のニュース 記者が語ります ポッドキャスト「ニュースの時間」開始から半年を振り返る<デジタル発>

2023-12-23 | アイヌ民族関連

北海道新聞2023年12月22日 14:00(12月22日 15:26更新)

 北海道新聞報道センターは「ポッドキャスト」で音声番組「ニュースの時間」(毎週火曜、10~20分)を7月から配信しています。道新デジタルでよく読まれた記事を書いた記者が、取材の裏側やニュースの背景などを紹介しています。住宅街などへの出没が相次ぐヒグマやプロ野球北海道日本ハムの本拠地移転など幅広いテーマを取り上げ、リクエストや記者へのエールも寄せられています。2024年もより広く、より深く、北海道で話題のニュースをお届けします。これまで25回の配信で取り上げたニュースで今年の番組を振り返ります。最も聞いて頂いたテーマは何だったでしょうか。(藤田夏子)

 北海道新聞はポッドキャストで「ニュースの時間」のほか、「北の食☆トレンド」を金曜に配信しています。いずれの番組も、北海新聞デジタルの特集ページのほか、スポティファイやアップルポッドキャストなどのアプリからお聞きください

 札幌などの市街地で出没が相次いだヒグマについては読者の関心も高く、道新デジタルではヒグマ関連の記事がよく読まれています。番組でも、都市近郊に暮らす「アーバン・ベア」など複数回、ヒグマを取り上げました。「アーバン・ベア」について取り上げた回はよく聞かれ、再生回数は2番目に多くなりました。今年は大型ガのクスサン、雪虫の大発生についても道内で話題となり、背景にある気象現象などについて考えました。

★2番目に多く聞かれました★

 ■クマ担記者が追う「アーバン・ベア」 岩崎志帆記者=7月4日配信

 札幌などの市街地でヒグマの出没が相次いでいます。札幌市は市街地周辺に10頭以上生息していると推定しています。

 こうした都市近郊に暮らす「アーバン・ベア」は人身事故につながる可能性が高いです。昨年3月には三角山で冬眠穴を調査していたNPO法人職員2人がクマに襲われ、重軽傷を負いました。

 ヒグマ対策を担当するクマ担記者として、出没情報があると、クマ鈴と撃退スプレーを手に現場に向かうこともあります。

 人とクマの生息域が急速に近づき、クマが人を恐れにくくなる中、市街地からクマの生息地をどうやって離せばいいか。市街地への侵入を防ぐため、ヒグマが身を潜められるやぶを刈り、見通しをよくするなどの対策はありますが、有効な手段は見つかっていません。市街地で、ヒグマの出没による負傷者を出したくないという思いで取材を続けています。

 ■「キャー」響く悲鳴 札幌でクスサン大発生 若林彩記者=9月19日配信

 大型のガの一種「クスサン」が札幌市内で大量に発生していると8月下旬に報道しました。市営地下鉄琴似駅(西区)をカメラマンと取材すると「キャー」などと悲鳴も上がっていました。

 先日、空知管内新十津川町の音楽フェスに行った際、木村カエラさんの演奏中にクスサンが飛び回っていました。木村さんはガの大きさに驚いていました。

 昨年は、空知管内や旭川市内などで多く発生しました。道内のクスサンの発生状況を調査している岩手大農学部の松木佐和子講師によると、クスサンの発生地域は前年より東側に移っていく傾向が見られます。明確な理由は不明ですが、風などが影響している可能性もあるそうです。

 クスサンの羽化のピークは8月下旬~9月上旬で成虫の寿命は1週間~10日程度。クスサンの大発生は来年以降も数年程度、続く恐れがあります。クスサンは樹木に産み付けられた卵で越冬するため、有効なのは来春、ふ化する前に卵を除去することです。

 プロ野球北海道日本ハムの本拠地が、札幌市豊平区の札幌ドームから北広島市の新球場「エスコンフィールド北海道」に移転。新球場関連の記事は北海道新聞デジタルでも多く読まれました。番組では新球場への道民の期待感、球団移転後の札幌ドームの減収対策について考えました。今年の番組で最も聞かれたのは、この札幌ドームの減収対策を取り上げた8月22日配信分でした。

 ■エスコンフィールドで感じたファンの愛 光嶋るい記者=10月10日配信

 プロ野球北海道日本ハムの本拠地最終戦が9月28日、北広島市のエスコンフィールド北海道で行われました。今季入場者は188万人超とリーグ3位でした。

 最終戦に合わせて、来場者に新球場の評価を取材しました。4人の記者で手分けして計約40人に意見を聞きました。「グラウンドとの距離が近い」と語る人が多くいました。「食べ物の種類が豊富でおいしい」との声もよく聞きました。新球場の側もファンの声を取り入れて、飲食店の混雑分散に向けて工夫しています。

 一方で「駐車場を増やしてほしい」などアクセス面に関する不満もありました。JR北海道の新駅整備への高い期待も感じました。「道民目線を忘れないで」との注文もありました。熱い声に、それだけファイターズが好きで、もっといいチーム、もっといい球場になればいいと思っているのだと感じました。

★最も多く聞かれました★

 ■新モードって何? 札幌ドーム増収策苦戦 大矢太作記者=8月22、29日配信

 札幌ドームが、プロ野球北海道日本ハムの北広島への本拠地移転による減収対策の柱として、2万人以下の中規模コンサート用に今春導入した「新モード」の利用が1件も決まっていないと6月に報道したところ、驚くほど多くの反応がありました。

 新モードはドーム内を暗幕で仕切り、コンサート規模を半分以下にするもので、総事業費は約10億円ですが、利用することが「ドームを埋められないアーティスト」とみられ、主催者が敬遠しているという声があります。

 新たな収入源の確保に向け、札幌ドームの価値を再び高めることが重要です。

 7月下旬、ラグビー日本代表とサモア代表によるテストマッチがドームで行われた際、サモア代表のセイララ・マプスア監督も「エアコンが効いて涼しく、素晴らしい。サモアに札幌ドームを持って帰りたい」と絶賛していました。

 夏の猛暑時や冬の大雪時でも快適に使える全天候型多目的施設の強みを生かし、利用者のニーズとしっかり向き合って新たな需要を掘り起こしてほしいです。

 (9月10日、ラグビー・ワールドカップ観戦会で新モードが初めて使用された)

 終戦記念日の8月15日には、戦争を語り継ぐことをテーマに取り上げました。胆振東部地震から5年の節目を迎える前日の9月5日には、大規模災害への備えについて考えました

 ■戦争体験 記者と一緒にたどって 井上雄一記者=8月15日配信

 7月から「記者がたどる戦争」と題した連載を随時掲載しています。記者の家族など身近な人の体験を通じ、あの戦争は何だったのかを考えるのが狙いです。

 記事は「(記者が)国会図書館に行って調べた」「戦時中のことを知っている祖母に話を聞くために東京に向かった」など、記者の一人称で書いています。記者の動きを伝えることで、読む人も記者と一緒に探っている、たどっている感覚を持ってもらうためです。「昔の話」と思われないようにしたかったのです。

 私はフィリピンで戦死した祖父について書きました。祖父は現役を含め4回出征し、最後の出征は私の叔母が生まれた11日後でした。赤ん坊を残して戦地に向かう心情を思うと胸が詰まります。戦地からの手紙(軍事郵便)を読み、祖父の心の動きをたどるとともに、なぜ4回も戦地に行かされたのか、という点について調べました。

 記事に登場するのは市井の人が大半です。その人たちの人生を大きく揺さぶるのが戦争です。この連載が戦争について考えるきっかけになればと思います。

 ■胆振東部地震5年 大切な冬の備え 木村啓太記者=9月5日配信

 北海道で初めて震度7を観測し、44人が犠牲となった胆振東部地震から9月6日で5年。地震直後に全域停電(ブラックアウト)が発生しました。

 大切なのは冬場の災害への備えです。紋別市では昨年12月23~25日、市内全域が2度にわたり停電しました。生後1カ月と7歳の2人の子供のお母さんに取材し「停電初日は自宅のガスコンロで沸かしたお湯を飲んで寒さをしのいだ」と聞きました。2日目の朝は最低気温が0度と平年より7度高かったのですが、寒さに耐えきれず避難所に向かったそうです。

 ただ、北海道新聞が道内179市町村に行ったアンケートでは、停電時に避難所で使う暖房器具を「全避難所分備蓄している」と回答した自治体は全体の4割にとどまりました。暖房対策を行政に頼ってばかりではいられないのです。

 吹雪で避難所に行くことが困難な場合は、家庭での備えは重要になります。ポータブルストーブがあれば暖を取れますし、防寒着や上履きによる保温、カイロなどを使った加温のほか、温かい飲み物で体の中から温めることも効果的です。

 札幌市円山動物園でアジアゾウの赤ちゃんが誕生したニュースは大きな話題となり、動物園には赤ちゃんの姿を見るために多くの市民が訪れました。動物園の取材を担当している記者が、誕生の意義や裏話を紹介しました。

 ■国内初の快挙 アジアゾウの赤ちゃん 麻植文佳記者=9月26日配信

 札幌市円山動物園のアジアゾウのパールが8月19日夜に雌の赤ちゃん1頭を出産しました。道内でゾウの出産が成功するのは初めて。ゾウのストレス軽減などのため、飼育員が柵越しに世話をする「準間接飼育」でアジアゾウが出産したのは国内で初の快挙です。

 アジアゾウの花子が2007年に死んだ後、ゾウを円山に呼びたいという市民運動もあって、18年にミャンマーからパールなど4頭のゾウが来ました。市民の関心はもともと高かった上、「10年で繁殖できたらいい」と言われていた中で5年で繁殖がかないました。

 9月15日の一般公開後、多くの来園者が赤ちゃんを見に動物園を訪れています。

 パールは日ごとに母親らしくなっています。最初は緊張のためか立って寝ていましたが、リラックスするようになりました。

 赤ちゃんは9月19日時点で体重191キロ。パールの乳を飲んで1日2キロ太っています。それでも母親の大きさになるまでには10年かかります。動物園にじっくり通い、観察するのも楽しいでしょう。

 札幌の中心部に集う若者らの迷惑行為を取材した記者は、若者たちに思いを聞くことで見えてきた孤独感について報告しました。

 ■なぜ 札幌・広場に集う若者の胸の内 三島今日子記者=7月18日配信

 札幌市営地下鉄大通駅コンコースの広場で、若者らの集団飲酒などの迷惑行為が相次いで、4月には男がなたを持って暴れて逮捕される事件がありました。

 なんで若者は広場に集まるのか知りたくて多くの若者に声をかけました。親に暴力を振るわれる、虐待、学校でのいじめ…。学校や家庭に居場所がなく、孤独感を抱えている人が多いことを知りました。

 子供だけで解決できない問題で、迷惑行為だけをとらえて報道するのは違うのではないか。周囲の大人こそ向き合っていくべき問題だと感じました。

 若者の声を取材、報道したことで、若者を支援する動きも始まりました。春以降、若者たちは集まる場所を大通駅の広場から大通公園、ススキノなどに変えています。

 広場で知り合った若者たちと今も連絡を取り、お茶をしながら、最近の様子などを聞いています。若者たちについて、もっと深い記事を書いていきたいと考えています。

 アイヌ民族に関する取材を担当してきた記者は、カナダの先住民族観光の取材成果も交えて共生社会の実現について考えました。11月には、鈴木直道知事が2期目半年を迎えたことを受け、道政をテーマに取り上げました。

 ■杉田氏の人権侵犯認定 金子文太郎記者=10月3日配信

 自民党の杉田水脈衆院議員がブログなどでアイヌ民族を侮辱的に表現した問題で、札幌法務局が「人権侵犯の事実があった」と認定し、杉田議員側に人権尊重への理解を求める「啓発」を行いました(番組配信後に大阪法務局が同様の認定をしたことが判明)。

 政府が2019年に制定したアイヌ施策推進法(アイヌ新法)はアイヌ民族を先住民族と位置づけた上で、アイヌ民族との共生社会が実現することを目的に掲げ、差別や権利侵害を禁じています。でもまだそれが浸透していないと感じます。

 今夏、カナダで「先住民族ツーリズム」を取材した際もそう感じました。現地では先住民族が営む観光事業者が増えています。「観光業を始めると多くの先住民族が伝統を学び直す。雇用が生まれて若者が地域に定着し、文化伝承が可能になる」。現地の先住民族観光協会の会長から聞いた言葉が印象に残っています。

カナダ西海岸の島ハイダ・グアイの国立公園の集落跡に並べられた貝殻。先住民族のハイダ族以外は貝殻を越えることを禁じられている=6月

 ■知事、踏み込んだ発言せず「安全運転」 金子俊介記者=11月7日配信

 鈴木直道知事は2019年に当時全国最年少知事として就任し、2期目半年を迎えました。現在42歳。北海道の魅力をPRするアピール力は健在です。インスタグラムでは愛犬や自宅での様子を積極的に発信しています。

 知事を巡っては若さや高い人気を理由に、衆院議員などへの国政転出論がくすぶっています。

 知事は歯切れのいいイメージがある一方、記者会見や道議会では、政治的主張や賛否の分かれる政策について踏み込んだ発言をせずに安全運転の姿勢です。10月の道議会予算特別委員会では、宿泊税を巡り、与党の自民党道議が、知事の答弁が曖昧だとして6回も同じ質問をし、知事を追い込む場面がありました。

 政治家としての踏み込んだ発言があるかという点では少し物足りなく感じています。

<このほか取り上げたテーマや配信内容>

 ■「上げ馬神事」(三重)に疑問の声 加藤祐輔記者=7月11日

 ■「石狩灯台お兄さん」なぜ人気 今関茉莉記者=7月25日配信

 ■「ワーホリ」に見る若者の心理 青山千裕記者=8月2日配信

 ■新人記者が語る新聞社を選んだ理由 青山千裕記者=8月8日配信

 ■南西沖地震 悲しみ今も 木村啓太記者=9月12日配信

 ■出会いも「タイパ」の時代 若林彩記者=10月17日配信

 ■札幌の女子大生嘱託殺人事件 山中龍之助記者=10月24日配信

 ■札幌・かつての「キングムー」解体 佐々木遼記者=10月31日配信

 ■ヒグマ 保護から管理の時代へ 内山岳志記者=11月14日配信

 ■雪虫大発生から考える気候変動 藤田夏子記者=11月21日配信

 ■人手不足に苦しむ介護現場のリアル 津田祐慈記者=11月28日配信

 ■漂着物は「海からの手紙」 石狩の浜調査 伊藤駿記者=12月5日配信

 ■奨学金の返済 会社がやります 長谷川史子記者=12月12日配信

 ■コンサ小野伸二選手引退 後藤真記者=12月19日配信

 ■担当記者が今年を振り返る=12月26日配信

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/956128/


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「ウポポイ」の意味、知ってる?大人気漫画の実写映画のイベントや冬だけの絶景が見逃せない

2023-12-23 | アイヌ民族関連

北海道Likers2023.12.22

2020年7月に北海道白老町に誕生した「ウポポイ(民族共生象徴空間)」(以下、ウポポイ)。日本列島北部周辺、とくに北海道の先住民族であるアイヌの世界観や歴史、文化を五感で体験できる国立施設です。

2023年11月からは“ホワイトシーズン”がスタートし、冬だけの特別な絶景やプログラムが登場! この冬にぜひ訪れたい「ウポポイ」の魅力をご紹介します。

気になる!ウポポイの意味とは…

札幌からJRの特急列車や車で約1時間、新千歳空港からは約40分と好アクセスの「ウポポイ」。

ポロト湖のほとりに広がる敷地には博物館や体験スポットが点在しており、アイヌ文化のさまざまな魅力に触れることができます!

出典: アイヌ民族文化財団

みなさんは、そんな「ウポポイ」の意味を知っていますか? 「ウポポイ」はアイヌ語で“(おおぜいで)歌うこと”という意味。

存立の危機にあるアイヌ文化の復興・創造の拠点として誕生した「ウポポイ」ですが、アイヌ文化を伝承していくためだけでなく、先住民族の尊厳を尊重して差別のない多様で豊かな文化をつくるためのシンボルとしても位置づけられています。まさに“ウポポイ=おおぜいで歌うこと”という言葉がぴったりですね。

ウポポイでは何ができるの?

「ウポポイ」には、「国立アイヌ民族博物館」や「国立民族共生公園」があります。

「国立アイヌ民族博物館」は、アイヌ民族を主題とした日本初の国立博物館。基本展示室や特別展示室のほか、高精細・大画面映像を鑑賞することができるシアター、ライブラリなど、多彩な展示からアイヌ民族の歴史や文化を学べます。

基本展示室は定期的に展示替えが行われていますので、最新情報はホームページで確認してみてくださいね。

「国立民族共生公園」は、さまざまなプログラムを通じてアイヌ文化を体感できるフィールドミュージアムです。

チセ(家屋)群の見学や、伝統芸能上演の鑑賞、木彫り・刺繍や食の体験など、楽しいコンテンツが盛りだくさんの敷地内にはレストランやカフェもあり、軽食やアイヌ民族の伝統料理、本格的なコース料理などを楽しむことができます。

おすすめは「焚火ダイニング・カフェ ハルランナ」で提供されている『ユㇰ(蝦夷鹿)の焚火ロースト』!

「ウポポイ」を訪れたら、ぜひ味覚でもアイヌ文化を感じてくださいね。

動物が浮かび上がるイルミネーション!? 冬限定イベントが見逃せない

ホワイトシーズンの見どころ

「ウポポイ」は、2023年11月1日(水)~2024年3月31日(日)まで“ホワイトシーズン”!

シーズン中の見どころをご紹介します。

「国立民族共生公園」内にある「チキサニ広場」には、ポロト湖を背景に幻想的な世界に浸れる『ウポポイイルミネーション』が登場。

約8万3,000個の電球によって浮かび上がる、アイヌ文化にゆかりのある動物たちがかわいらしいですね。

■ウポポイイルミネーション
■開催期間:2023年11月18日(土)~2024年2月12日(月・祝)※予定
■時間:15~17時
■会場:チキサニ広場

チセ群が再現されている「伝統的コタン」のエリアには、野山で狩りをするときに雪や風を避け、寝泊まりや食事をするために建てられる『クチャ(狩小屋)』や、アイヌ民族の食文化には欠かせないサケをつかった『サッチェㇷ゚(干し魚)』が設置されます。

伝統的なアイヌ民族の冬の世界に迷い込んだような体験ができそうです。

■クチャ(狩小屋)
■日時:積雪期※2024年1~2月予定
■会場:伝統的コタン

■サッチェㇷ゚(干し魚)
■日時:12月末より作業開始
■会場:伝統的コタン

ウポポイ冬イベント「Snow Park in UPOPOY ウポポイ雪の広場」とは

雪の降るシーズンならではのイベントも!

「ウポポイ」のPRキャラクター『トゥレッポん』の雪像や、スノーウォールが設置されます。

ちなみに、『トゥレッポん』の名前の由来は、“トゥレㇷ゚(アイヌ語でオオウバユリの意)”、“ポ(アイヌ語で小さいものというニュアンスの意)”、“ん(呼びやすくかわいらしい音の響きに)”。オオウバユリは、アイヌ文化で保存食としても重宝されたユリ科の植物です。

かわいらしい『トゥレッポん』の冬だけの姿をぜひ見にいってください。

同時開催で、映画『ゴールデンカムイ』に関連する展示も行われますよ。

■Snow Park in UPOPOY ウポポイ雪の広場
■開催期間:2024年2月3日(土)~2月11日(日)

渋谷でアイヌ文化を体験!ウポポイ渋谷公演「イノミ」

2024年2月23日(金・祝)には、「ウポポイ」で上演されている伝統芸能上演『イノミ』が1日限定で「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」に登場!

漫画『ゴールデンカムイ』でアイヌ語・アイヌ文化を監修した千葉大学名誉教授・中川裕氏の特別講演や、アイヌ民族の伝統的な歌や踊りなどの紹介が予定されています。

■ウポポイ渋谷公演『イノミ』
■期間:2024年2月23日(金・祝)
■観覧料:無料
■会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
※2024年1月15日(月)より観覧者募集開始予定

冬にしか体験できない「ウポポイ」の絶景やイベント。気になった方は足を運んでみてくださいね!

<施設情報>
■ウポポイ(民族共生象徴空間)
■住所:北海道白老郡白老町若草町2丁目3
■入場料:
【ウポポイ1日券】大人(一般)1,200円、大人(団体)960円、高校生(一般)600円、高校生(団体)480円、中学生以下は無料
【年間パスポート】大人(一般)2,000円、高校生(一般)1,000円
※総人数20名以上で入場の場合には団体料金を適用します。
※この入場料金には、有料の体験プログラムや博物館の特別展の料金は含まれておりません。
※学校行事などでご利用の場合は学校団体予約ページをご覧ください。
※障がい者とその介護者各1名は無料です。入園の際に障がい者手帳等をご提示ください。
■ホームページ:https://ainu-upopoy.jp/

【画像】アイヌ民族文化財団

https://hokkaidolikers.com/archives/70587


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アイヌ民族の渦巻き文様“モレウ”の展覧会、北海道立近代美術館で - 衣服・木彫や現代作家の作品を展示

2023-12-23 | アイヌ民族関連

ファッションプレス2023.12.22

特別展「AINU ART─モレウのうた」が、北海道立近代美術館にて、2024年1月13日(土)から3月10日(日)まで開催される。

アイヌ民族の渦巻き文様「モレウ」に着目

藤戸康平 《Singing of the Needle》 2021年 鉄・鹿の頭骨 作家蔵

アイヌ民族は、身の回りのものに文様で装飾を施してきた。特別展「AINU ART─モレウのうた」では、こうしたアイヌ文様の基本パターンのひとつである渦巻き文様「モレウ」に光をあて、現代作家が手がけた作品や、先人による木彫品、衣服などを紹介する。

会場では、「モレウ」をモチーフとした現代作家の作品を展示。小笠原小夜のイラストレーション、貝澤幸司や貝澤徹の木彫、川村則子の布アート、藤戸康平のミクストメディア作品など、近作や新作約100点を公開する。

また、世界各地の渦巻き文様にも着目。交易の民でもあったアイヌ民族は、多民族と接触しつつ自らの文化を育んでおり、「モレウ」をはじめとする装飾文様もこうした交流のなかで発展してきた。会場には、世界の渦巻文様を紹介したパネル展示もあり、「モレウ」の関わりについて紹介する。

展覧会概要

特別展「AINU ART─モレウのうた」
会期:2024年1月13日(土)〜3月10日(日)
会場:北海道立近代美術館
住所:北海道札幌市中央区北1条西17丁目
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は開館、翌火曜日に休館)
観覧料:一般 1,000円(800円)、高校・大学生 600円(400円)、小・中学生 300円(200円)
※( )内は以下の割引料金:(1) 10名以上の団体料金 (2) リピーター割引料金(北海道立近代美術館またはほかの道立美術館・芸術館で開催される特別展の観覧半券を提示した場合。1枚につき1人1回かぎり有効。有効期限は半券に記載)
※未就学児(要保護者同伴)、身体障害者手帳などの提示者(ミライロID可)および介護者(1名)は無料
■巡回情報
・一宮市三岸節子記念美術館〈会期終了〉
会期:2023年9月16日(土)~11月19日(日)
住所:愛知県一宮市小信中島字郷南3147-1
【問い合わせ先】
北海道立近代美術館
TEL:011-644-6882

https://www.fashion-press.net/news/112703


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『世界の神々100』で取り上げる100神

2023-12-23 | アイヌ民族関連

本連載の書籍化→目次を先行公開!

ちくまWeb2023.12.22 沖田 瑞穂

神話学者の沖田瑞穂さんの大好評連載、ついに書籍化です! 世界の神話に登場する多種多様な神々100神を集め、『世界の神々100』(ちくま新書)として2024年1月に刊行いたします。連載読者の方に、本書の目次(100神の内訳)を先行公開いたします。どうやら神話は、知れば知るほど「沼る」らしい…それは神話が○○だから……。読まずにはいられない、神々ハンドブックの全貌をどうぞ!!

はじめに
第1章 主神――世界を司る神々

アフラ・マズダー【ゾロアスター教】/アマテラス【日本】/
ヴァルナ【インド】/ヴィシュヌ【インド】/
ウルゲン【シベリア】/オーディン【北欧】/
オリシャ【アフリカ】/シヴァ【インド】/
ゼウス【ギリシア】/ダグダ【ケルト】/
タネ【ポリネシア】/ディヤウス【インド】/
テシュブ【北メソポタミア】/テスカトリポカ【メソアメリカ】/
ビラコチャ【中央アンデス】/ブラフマー【インド】/
マルドゥク【メソポタミア】/ラー【エジプト】

第2章 戦神・英雄神――勇猛果敢な神々

アテナ【ギリシア】/アレス【ギリシア】/
イナンナ/イシュタル【メソポタミア】/
インドラ【インド】/ウィツィロポチトリ【メソアメリカ】/
ギルガメシュ【メソポタミア】/スカンダ【インド】/
タケミカヅチ【日本】/トール【北欧】/
ハヌマーン【インド】/ヘラクレス【ギリシア】/
モリーガン【ケルト】/ヤマトタケル【日本】/
ラーマ【インド】

第3章 豊穣神――恵みをもたらす神々

イアシオン【ギリシア】/イズン【北欧】/
インカリ【インカ】/エンキ/エア【メソポタミア】/
オオクニヌシ【日本】/カーマ【インド】/
后稷(こうしょく)【中国】/コーン・メイドン【北アメリカ】/
ディオニュソス【ギリシア】/デメテル【ギリシア】/
テリピヌ【アナトリア】/ドゥムジ【メソポタミア】/
バアル【ウガリット】/ハイヌウェレ【インドネシア】/
ヒルコ(エビス)【日本】/フレイ【北欧】/
フローラ【ローマ】/マヤウエル【メソアメリカ】

第4章 女神――世界を慈しみ躍動する 

アメノウズメ【日本】/イシス【エジプト】/
イワナガヒメ【日本】/ウマイ【シベリア】/
カーリー【インド】/ガンガー【インド】/
シュリー【インド】/女媧(じょか)【中国】/
スセリビメ【日本】/西王母【中国】/
セクメト【エジプト】/セドナ【ネイティブ・アメリカン】/
ティローッタマー【インド】/テティス【ギリシア】/
ドゥルガー【インド】/トラルテクトリ【メソアメリカ】/
ヒナ【ポリネシア】/フレイヤ【北欧】/
ヘラ【ギリシア】/メリュジーヌ【ケルト】

第5章 技巧神・医神――ものづくりの神々

アシュヴィン【インド】/アスクレピオス【ギリシア】/
アポロン【ギリシア】/ヴィシュヴァカルマン【インド】/
ディアン・ケーフト【ケルト】/トヴァシュトリ【インド】/
プタハ【エジプト】/プロメテウス【ギリシア】/
ヘパイストス【ギリシア】/

第6章 トリックスター――いたずら者の神々

アイヌラックル【アイヌ】/アマノサグメ【日本】/
クリシュナ【インド】/ケツァルコアトル【メソアメリカ】/
スサノオ【日本】/セト【エジプト】/
ヘルメス【ギリシア】/マウイ【ポリネシア】/
ルグ【ケルト】/レグバ【アフリカ】/
ロキ【北欧】/ワタリガラス【アラスカ】

第7章 死神――最も恐るべき神々 

アヌビス【エジプト】/イザナミ【日本】/
エレシュキガル【メソポタミア】/オシリス【エジプト】/
ハデス【ギリシア】/ヘカテ【ギリシア】/
北斗星君【中国】/ミクトランテクトリ【メソアメリカ】/
ヤマ【インド】

コラム

アダパ【メソポタミア】/タジマモリ【日本】/マーダヴィー【インド】

https://www.webchikuma.jp/articles/-/3354


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『ゴールデンカムイ』玉井芳蔵役は山内圭哉!「熊とからむことになるとは」

2023-12-23 | アイヌ民族関連

シネマトゥデイ12/22(金) 13:47配信

山内圭哉演じる玉井芳蔵 - (C) 野田サトル/集英社 (C) 2024 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 野田サトルの人気漫画を山崎賢人(※崎は「たつさき」)主演で実写化する映画『ゴールデンカムイ』(2024年1月19日公開)の追加キャストが22日、公式Xや公式サイトなどで発表された。発表されたのは山内圭哉演じる玉井芳蔵。あわせて、玉井の銃を構えたビジュアルも公開された。

【画像】『ゴールデンカムイ』場面写真(18点)

 本作は、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵の杉元(山崎)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈※リは小文字)が、アイヌから強奪された莫大な埋蔵金のありかを示す「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を巡って、第七師団をはじめとする追手たちと争奪戦を繰り広げる物語。脚本を実写映画『キングダム』シリーズやアニメーション映画『ONE PIECE FILM RED』などの黒岩勉、監督を『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズなどアクション活劇を得意とする久保茂昭が務める。

 玉井芳蔵は、大日本帝国陸軍第七師団の中尉・鶴見篤四郎(玉木宏)に従う伍長。山内は出演にあたり「素晴らしい原作の映像化に参加することが出来て光栄です。雪の中の撮影は大変でしたが、スタッフの皆様がとても明るく、その雰囲気に背中を押されるような思いで演技することが出来ました。そこそこ長い役者人生の中で、熊とからむことになるとは想像だにしておりませんでした。 新たな体験をさせていただき、感謝です。沢山の方に楽しんでいただけますよう」とコメントを寄せている。

 先ごろ実施された完成報告会では、久保監督が北海道の雪の中で撮ることにこだわったこと、映画の9割が本物の雪のシーンであることを明かし、「雪の撮影自体が普通の撮影の4倍くらい時間がかかるイメージ」と裏側を語っていた。

 山内は、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、後藤ひろひと、長塚圭史、河原雅彦、前川知大、いのうえひでのりらの舞台に多く出演。近年は新垣結衣&松田龍平共演のドラマ「獣になれない私たち」(2018)のせっかちなパワハラ上司役などが話題を呼び、大河ドラマ「青天を衝け」(2021・岩倉具視役)、「妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-」(2022・菅原道真役)、「闇金サイハラさん」(2022・ヤクザの般田役)などで存在感を発揮。今年は山下敦弘監督・宮藤官九郎脚本の映画『1秒先の彼』(花火師役)が公開された。来年2月には舞台「モンスター・コールズ」(演出:サリー・クックソン)の上演を控えている。(編集部・石井百合子)

https://news.yahoo.co.jp/articles/f08a8f01f0ec1e36d5aea039f0193f2b0a5f7ef7


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国民として人権主張 「先住民族」「独立」触れず 翁長氏の国連発言 阿部藹<託されたバトン 再考・沖縄の自己決定権>11

2023-12-23 | ウチナー・沖縄

琉球新報 2023年12月22日 12:23

更新日時 2023年12月22日 12:23

2015年、国連の人権理事会で沖縄の状況を「人権がないがしろにされている」と訴える翁長雄志知事=2015年9月21日午後5時すぎ、スイスの国連人権理事会総会 先日、ジェンダー平等や平和な社会のために活動するアイ女性会議・沖縄県本部が主催する女性・政治スクールの集まりに招かれ、国際人権法と沖縄について講演する機会があった。沖縄の人々が直面している諸問題について国際人権法の観点から見ることの利点などとともに、2015年の翁長雄志知事(当時)の国連での口頭声明について話す中で「自己決定権」のことにも少し触れた。 

 質疑応答の際に多くの質問を受けたのだが、そのうちの一つが「沖縄の人が先住民族というと少し違和感があるのだが、改めて先住民族の定義とは何か?」という問いだった。そこで「先住民族という言葉を聞くと、経済的発展をしていない地域で昔と変わらない狩猟生活を送っているような民族集団を思い浮かべるのではないか?」と会場に投げかけたところ、うなずく人が多かった。

 そこで、前回この紙面でも紹介したように、国際人権法上の先住民族は社会的、経済的発展の度合いで定義されるものではなく、むしろ近代国家が成立する過程で元々住んでいた場所や生活様式、言語などを奪われた人のことを指し、明治になって日本という国を作る際に元々琉球国だったこの場所が明治政府によって日本に併合され、言語や土地、統治機構、文化などが奪われたという経緯を踏まえれば、琉球・沖縄の人々は国際人権法上の先住民族という定義に当てはまると考えられるということをお伝えした。一般的に使われている「先住民族」と国際人権法における「indigenous peoples(先住民族)」の意味合いが異なることは理解してもらえたように感じた。

 実はこれまでにも、例えば大学で自己決定権に関する講義をする中で、県内出身の学生であっても「沖縄の人々が先住民族だとは言えないと思う」という意見を持つ人のほうが多いのではないかという感覚を持っていた。国際人権法上の「先住民族」という言葉の理解がまだ浸透していないこと、そして歴史に照らし合わせた人権教育が不足していることが原因で、沖縄の人々を先住民族と認識することに違和感が生じてしまうのではないかと思う。

 これまでこの連載では、琉球処分や沖縄返還の過程から考えれば琉球・沖縄は植民地に類似する扱いを受けており、人々は「非自治地域」の住民として独立を含む自己決定権を有していたと考えられることと、一方で現在においても先住民族として高度な自治を求める自己決定権を主張することが可能だと述べてきた。

  しかし繰り返し述べてきたように琉球・沖縄の人々が先住民族としてより強く自己決定権を主張していくためには、先住民族としての自己認識が広く共有されることが重要なカギになってくる。その意味では、先住民族と認識することに違和感を持つ人が多いということは、真摯(しんし)に受け止められるべき現状と言えるだろう。

 しかしそれは、「自己認識が共有されていないから権利主張ができない」という結論につながるわけではない。国際人権法上の「先住民族」という言葉の意味について理解を広げ議論を続けていく努力とともに、その結論を待たずとも沖縄の人々が違和感なく自己認識を持つことができ、国際人権法に基づき権利を主張することができる「集団」が他にも考えられないか、という可能性を広げる問いにつながるべきだと考える。

 その問いを考えるにあたり、重要な示唆を含んでいるのが15年の翁長知事の国連人権理事会での口頭声明やサイドイベントでの講演の内容だ。知事は口頭声明の中で日本政府に対し、沖縄の人々の民意や人権が蔑(ないがし)ろにされているとして「自国民の自由、平等、人権、民主主義、そういったものを守れない国が、どうして世界の国々とその価値観を共有できるのでしょうか」と問いを突きつけている。また講演においては600年前の琉球王国の誕生から沖縄の歴史を振り返り、「時代の変化の中で自己決定権というものを、ある意味蹂躙(じゅうりん)されてきた」と語った。

 翁長氏が史上初めて沖縄県知事として国連の場で沖縄の自己決定権に触れたために、この時の発言は「沖縄県民が先住民族だというメッセージを伝えた」とか「沖縄の独立を主張した」などの批判にさらされることが多かったが、詳細を見れば翁長氏は先住民族という言葉を一度も使っておらず、独立にも触れていない。むしろ「日本国の沖縄県知事」という立場を明確にし、日本政府に対し、日本国民たる沖縄の人々の民主主義や人権、そして自己決定権を保障するように求めている。

 これらの事実を踏まえれば、翁長氏が語った自己決定権は、(独立の権利を含む)植民地や非自治地域の人民としての自己決定権にも、先住民族としての自己決定権にも当てはまらない「自己決定権」を想定していたのではないかと考えざるをえない。

 帰国後に前述したような批判を受けたためにその後翁長氏は「自己決定権」について言及することがなくなり、病に斃(たお)れてしまったため、その真意は確かめることができなくなってしまった。しかし、翁長氏の主張を国際人権法の観点に照らし合わせて分析をしたところ、近年、より公正な民主主義を重視する立場から発展しつつある「人民(people)」としての自己決定権の議論に多くの共通点があると筆者は考えるようになった。次回は琉球・沖縄の人々について、この「人民」としての自己決定権の可能性について議論する。

 (琉球大学客員研究員)
 (第4金曜掲載)

https://ryukyushimpo.jp/news/national/entry-2609641.html


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オーロラを野生動物や先住民とともに楽しむカナダの旅5選

2023-12-23 | 先住民族関連

写真家の撮影指導やイヌイットの案内などでより深く知る

ナショナルジオグラフィック2023.12.23

ユーコン準州にあるトゥームストーン山脈の上空にゆらめくエメラルドのオーロラ。ユーコン準州はカナダ北部におけるオーロラのホットスポットだ。(PHOTOGRAPH BY RACHEL JONES ROSS)

[画像のクリックで別ページへ]

 この世のものとは思えない幻想的なオーロラを見たければ、カナダがお勧めだ。カナダのある地域では、夜空にリボンのようにゆらめくオーロラが年間300日も出現する。とりわけ、カナダ北部のほとんどはオーロラ・オーバルというオーロラが発生しやすい地球の磁極の周辺に位置するため、オーロラを鑑賞できる機会がとても多い。

 太陽風に乗って大気圏に運ばれた太陽の荷電粒子がガスと衝突して小さな閃光を生じ、空を色あざやかな光で満たすことでオーロラが出現する。カナダでオーロラを鑑賞する最適な時期は、晴れた寒い夜が長く続く12月~翌3月と、真夜中でも薄明るい白夜でハイキングやパドリングなどの屋外活動が楽しめる8~10月だ。(参考記事:「2024年はオーロラの当たり年に、東北地方でも見られるかも!?」

 オーロラ鑑賞と文化体験やアウトドア体験を組み合わせると、旅をより満喫できる。息をのむような自然の驚異を目の当たりにできるユニークな旅を5つ紹介しよう。

先住民ディネ族の「オーロラ・ハンティング」
(ノースウエスト準州)

 ノースウエスト準州には、先住民ディネ族が暮らしている。州都のイエローナイフでは、ノース・スター・アドベンチャーズ社がサファリ式の「オーロラ・ハンティング」と文化体験を提供している。参加者はSUV(多目的スポーツ車)に乗りこんで、ツアーを企画したジョー・ベイリー氏のガイドでオーロラを追い、停車しながら移動する。

「私がこのツアーを『オーロラ・ハンティング』と名づけたのは、祖父から受け継いだディネ族文化のきずながあるからです。祖父は、カリブーヘラジカ、バッファローの狩りに私を連れて行ってくれたものです」とベイリー氏は説明する。「それで、先祖から伝わる狩りをツアーの名前に入れたかったのです」(参考記事:「バッファローとバイソン、チョウとガ、どう違う?」

「ディネ族の言葉では、オーロラを『ヤケ・ンガス』と呼んでいます。これは『空が目覚めている』という意味です」とベイリー氏は言う。「オーロラは、先祖や亡くなった大切な人たちの霊で『大丈夫、心配しないで』と私たちに伝えているのだと、ディネ族は信じています」。(参考記事:「オーロラ観賞のベストスポット、イエローナイフ」

 先住民の暮らしにもっと触れたいなら、ノース・オブ・60アドベンチャーズ社のオーロラ鑑賞ドームやオーロラビレッジ社の薪ストーブがある暖かいティピー(先住民の移動式住居)で過ごしてみよう。ここに紹介した2社はいずれもディネ族が経営するツアー会社で、雪に覆われた森のトレイルや凍りついた湖に出かける犬ぞり体験も提供している。(参考記事:「米国のモーテルにインド系経営者が多い理由」

アウトドア体験とオーロラ鑑賞
(ユーコン準州)

 広大な自然、カナダ最高峰のローガン山をはじめとする雄大な山並みに恵まれたユーコン準州は、アウトドア愛好家の憧れだ。日没が早くなってアスペンの森が黄金色に染まる秋は、オーロラ鑑賞にも最適な時期となる。

 現地のツアー会社は、夏の終わりから初雪が降るまでの間の短い時期に、パドルスポーツのようなアウトドア体験とオーロラ鑑賞を組み合わせて提供している。アップノース・アドベンチャーズ社では、名高いユーコン川を州都ホワイトホースからタキニ川との合流地点までカヌーやカヤックで下る旅を体験できる。途中で現地の生態学を学んだり、ハクトウワシやクマ、ヘラジカ、ビーバーなどの野生動物を見つけたりする機会もある。日が暮れるとフィッシュレイクに向かい、キャンプファイヤーを囲んで伝統的なデザート「スモア」を作りながら、オーロラを待つ。(参考記事:「ユーコン川のデルタ地帯、地球はアート」

 ユーコン・ガイデッド・アドベンチャーズ社では、ハイキングやラフティングで大自然を満喫するプログラムを提供している。その後にホワイトホースにあるクラフトビール醸造所で疲れを癒したら、また集まって、ホットチョコレートを飲みながらオーロラ鑑賞と現地の伝承を楽しむ夜が待っている。

 ガイドなしで自然を満喫したいなら、オーバーランド・ユーコン社からルーフトップテント付きのジープをレンタルし、クルアニ国立公園に向かおう。この広大な国立公園にはどこまでも続くハイキングトレイルやオーロラの下でゆっくり過ごせるキャンプ場があり、バックカントリーキャンプも可能だ。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/122200651/

オーロラの科学とアストロツーリズム
(アルバータ州ジャスパー)

 ロッキー山脈に抱かれたアルバータ州にあるジャスパー国立公園は、世界で2番目に大きなダークスカイ・リザーブ(星空保護区)であり、年間を通じてオーロラ鑑賞できるベストスポット(最も便利な場所でもある)の1つだ。ジャスパースカイトラム(ロープウエー)に乗ってスターセッションに参加し、天空で繰り広げられるドラマにもっと近づいてみよう(編注:2024年3月21日まで休業)。ジャスパー・プラネタリウムでは、空のイルミネーションの科学と神話の世界に浸ることもできる。

 ジャスパーを訪れるなら、毎年10月に開催される「ジャスバー・ダークスカイ・フェスティバル」の期間が最適だ。開催中の3回の週末には、世界各地からオーロラファンが集結して大自然の光のショーに酔いしれる。天文学者がオーロラの適切な鑑賞時期を見極めるために宇宙の気象データをどのように読み解くかを解説し、天体写真家がワークショップでオーロラ撮影のコツを教える。イベントの合間には、すばらしい星空観賞スポットで新しく学んだ撮影スキルを試し、多くの交流イベントでファン仲間と経験を分かち合える。(参考記事:「オーロラから聞こえる謎の音の正体を解明」

オーロラの下で野生動物ウォッチング
(マニトバ州チャーチル)

 オオカミホッキョクギツネ、ヘラジカ、シロフクロウシロイルカが生息するマニトバ州チャーチルは、亜寒帯の野生動物で有名だ。同時に、平均すると毎年300日もオーロラが出現するので、野生動物を照らし出すオーロラの輝きを鑑賞できるスポットでもある。(参考記事:「未知の『紫のオーロラ』、はじめて報告される」

ギャラリー:カナダでオーロラと自然を満喫する 写真5点(写真クリックでギャラリーページへ)

 フロンティアーズ・ノース社のノーザンライツ・フォトツアーには、うっそうと茂る北方林を抜けてヤート(円型移動テント)を訪れる旅も含まれている。また、写真家から、ゆらめくオーロラ(時には野生動物も)の撮影指導も受けられる。古い歴史のある町を訪れたり、メイティ(先住民とヨーロッパ人の両方を祖先とする)のガイドとともに犬ぞりを体験したりすることもできる。凍結したチャーチル川を「ツンドラ・バギー」という大型車両で渡り、オーロラ鑑賞に最適な天窓やパノラマ型窓があるレストランで食事を楽しむプログラムもある。

 チャーチル・ワイルド社のツアーでは、見つけにくいネブラスカオオカミやホッキョクグマを探しに出かけ、夜には写真家と一緒にオーロラ撮影に挑戦する。自然の中で1週間も過ごせば、オーロラに出会えるチャンスは十分にある。(参考記事:「カナダ西海岸 海辺のオオカミ」

イヌイット居住地域でオーロラ体験
(ケベック州ヌナビク)

 ヌナビクはケベック州の最北端に位置し、カナダにある4つのイヌイット居住地域の1つだ。アンガバ湾のクージュアクを拠点とするイヌイット・アドベンチャーズ社は、オーロラ鑑賞とイヌイット文化や地元の歴史体験を組み合わせたツアーを提供している。(参考記事:「太陽嵐が生んだオーロラ:ケベック」

 昼間はカヌーやスノーモービルで、19世紀の毛皮貿易拠点だったビュー・フォート・チモを訪れる。ここで高齢者が語る遊牧生活の話や伝統的な喉歌(カタジャック)の体験は、すべてイヌイットのガイドが案内する。夜には、イヌイットが解釈するオーロラの意味について説明する。(参考記事:「北極圏のイヌイット、極夜のなかの彩りある暮らし、写真13点」

 2024年夏には、イヌイットが経営するアンガバ・ポーラー・エコツアーズ社が、ヌナビクのアンガバ湾沖に点在する無人のジルファルコン諸島でオーロラ鑑賞プログラムを始める予定だ。1週間のプログラムでは、ハイキングや自転車、ボートを楽しみながら、北極圏の野生動物(ホッキョクグマやジャコウウシ、カリブー)を観察し、イヌイット文化について学ぶ。もちろん、夜の主役はオーロラだ。「晴れていれば、毎晩のようにキャンプからオーロラを鑑賞できるでしょう」と、企画したジョナサン・グルニエ氏は話す。

文=CHLOE BERGE/訳=稲永浩子

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/122200651/


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「道化師」は歴史的にどのような存在だったのか?

2023-12-23 | 先住民族関連

Gigazine2023年12月22日 08時00分

ピエロやトランプのジョーカーなどのイメージが強い「道化師」が、歴史的にどのような役割を持った存在だったのか、YouTubeチャンネルのTED-Edがアニメーションで解説しています。
How dangerous was it to be a jester? - Beatrice K. Otto - YouTube

道化師は、中世ヨーロッパの王族や貴族が雇ったエンターティナーである宮廷道化師としても知られています。しかし、宮廷道化師はヨーロッパに限られたものではありません。

最も古い「原初の道化師」と考えられるのは、紀元前7世紀の中国で活動していたヨウ・シという人物です。

道化師は古くから、ただのエンターティナーやパフォーマーではなく、権力と独特な関係性を持っていました。12世紀イングランド王国のヘンリー2世に仕えた宮廷道化師である「おならをするローランド」は、クリスマスに必ず王や権力者たちの前でジャンプしながら口笛を吹き、同時におならをするというパフォーマンスをしていたそうです。

また、権力者たちの前で独自のパフォーマンスをするだけではなく、道化師は大事な意思決定に影響を及ぼすこともあったと知られています。カリフォルニア州のシエラネバダ山脈を定住地とする先住民族であるトゥバトゥラバル族では、族長の統率力が好ましくないと思われたとき、長老に新しい族長を選ぶよう道化師が進言していました。

道化師は独特のパフォーマンスができるだけではなく、口がうまい存在でもありました。10世紀の中国皇帝に仕えた鏡新磨(ジン・シンモ)という道化師は即興の話にたけていたと記録されており、皇帝が飼う犬に追いかけられた時、皇帝に「人をかまないようにしつけるべき」とからかいながら進言して皇帝を怒らせ、命乞いすることなくさらに冗談を言うことで皇帝を笑わせて許されたというエピソードが残っています。

また別のエピソードでは、地方の行政官が皇帝に「狩りで農地を通ると作物が荒れるのでやめてほしい」と頼んだところ、皇帝はひどく怒って行政官を処刑しようと呼び出しました。そこで鏡新磨は皇帝に対し、「行政官を直ちに処刑し、農民には耕作して納税させる代わりに、農作物を荒らして食べるものがなく餓死させてしまえば良いのでは?」と冗談交じりに提案したところ、皇帝は冗談に笑って自分の愚かさに気づき、行政官を許したとのこと。

道化師が権力者に進言できる例は、ヨーロッパの道化師でも記録が残っています。1596年にフランス人の男性が死刑判決を下された際に、記録上数が少ない女性の道化師であるマチュリーヌは、男性の妻を手引きして当時のイングランド王であるヘンリー4世に対して命乞いをさせたことで、男性は死刑を免れました。

しかし、道化師は権力者に口を出せる強力な存在というわけではなく、常に危険と隣り合わせの存在であったと言えます。道化師はしばしば、からかいや冗談が程度を越えていたことでクビになったり、処刑されたりすることもありました。1638年にスコットランドの大主教に仕えた道化師のアーチー・アームストロングは、大主教が改訂した祈祷書に多くの反発があった際に、あまり関係が良くなかった大主教に「バカは誰か?」と尋ねたことで、宮廷から処分されました。大主教が逮捕された3年後に、大主教をひどくバカにする本が出回りましたが、「アーチーの仕業にちがいない」とウワサされたほどギスギスした関係で知られていたそうです。

一方で、宮廷の権力者たちを堂々とバカにしても処分されない道化師もいました。19世紀にペルシアの王が「食料が不足していないか」と尋ねた際に、道化師のカリム・シレイはからかうように「不足していないはずです。私は王様が1日たった5回しか食事を取っていないのを拝見しています」と回答したと記録が残っています。

「支配者は神により任命された者」と考えられていた時代でも、道化者の中には権力者に冗談や謎かけといった形で真実を語り、「真に愚かなのは誰か」と追及するケースもあったとのこと。道化師は常に宮廷を追われるか処刑を宣告される危険性と隣り合わせでありながら、権力者に口出しができる数少ない存在でした。
◆フォーラム開設中
本記事に関連するフォーラムをGIGAZINE公式Discordサーバーに設置しました。誰でも自由に書き込めるので、どしどしコメントしてください!Discordアカウントを持っていない場合は、アカウント作成手順解説記事を参考にアカウントを作成してみてください!
• Discord | "ピエロや道化師、見たことある?" | GIGAZINE(ギガジン)
https://discord.com/channels/1037961069903216680/1187687499489882183

https://gigazine.net/news/20231222-jester-history/


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[寄稿]米国のウンデッド・ニーとパレスチナのガザ

2023-12-23 | 先住民族関連

ハンギョレ新聞2023-12-22 08:25 修正:2023-12-22 08:53

16日、駐韓イスラエル大使館そばで「パレスチナに連帯する人々」主催で行われた「パレスチナ連帯集中行動の日」の集会。国内外の500人あまりが「イスラエルの人種虐殺糾弾」とのスローガンを叫びながら明洞の街を行進した=「パレスチナに連帯する人々」提供//ハンギョレ新聞社

 その日はクリスマスの4日後だった。1890年、米国先住民の首長「ビッグフット」と、それに従う200人あまりの人々がウンデッド・ニーで米軍に虐殺された。雪原に放置された遺体は曲がった姿勢で凍りついてしまった。この先住民たちは「亡霊の踊り」を踊ったせいで連行された。「来春には偉大な精霊がやって来るだろう。死んだインディアンはみなよみがえり、若者のように壮健になるだろう」。米国政府はこの踊りを禁止するとともに、何人も残っていなかった首長たちの名を「騒ぎの主動者」リストに載せた。「ビッグフット」もその一人だった。「亡霊の踊り」は先住民たちの唯一の希望だった。

 1866年、シャイアン族の一部が追われていた故郷の地に戻った。「生きようが死のうがここにいる」。戦士のメブリコが中心だった。米軍はメブリコと残った人々を殺した。帰郷した先住民の一部はアーカンソー南部へと向かって再びその地をたったが、米軍は彼らも殺した。コマンチの首長のトサウィはシェリダン将軍のもとへおもむき、自らを指差して「良いインディアン」と言った。シェリダン将軍は「私が見てきた良いインディアンはみな死んだ」と答えたが、この言葉は後に「良いインディアンは死んだインディアンだけだ」に変化して流行した。クリストファー・コロンブスが米大陸を「発見」した後、欧州からの移民たちは、この地を治めることは神の意思であり、「明白な運命」だと言った。その大義名分の下、米国先住民の90%は疫病と虐殺で消え去った。そのようにして先住民を追い出し、「入植者植民地」は完成した(『私をウンデッド・ニーに埋めてくれ』ディー・ブラウン著、キル出版社。日本語版は『我が魂を聖地に埋めよ』鈴木主税訳、草思社)

 「民なき土地に土地なき民を」。この文言はパレスチナへのユダヤ人定着を支持した英国の政治家たちがまず用い、以後、シオニストたちのキャッチフレーズとなった。その土地はすでに中東の人口密集地域だったにもかかわらず、だ。1948年、イスラエルは75万人のパレスチナ人を故郷から追い出した。以降、違法な占領地からパレスチナ人の村を消し去り、入植地を拡大してきた。1967年と1980年、国連はイスラエルに違法占領地から撤退することを要求する決議を相次いであげた。イスラエルとパレスチナの紛争に関する国連決議だけでも200件を超える。イスラエルと米国はこれをすべて無視してきた(『パレスチナ現代史』ホン・ミジョン、マフディ・アブドゥル・ハーディ著、ソギョン文化社)。先月に続き今月13日、国連総会は「ガザ地区即時休戦」を再び決議し、米国はまたしても反対した。

16日、駐韓イスラエル大使館そばで「パレスチナに連帯する人々」主催で行われた「パレスチナ連帯集中行動の日」の集会。国内外の500人あまりが「イスラエルの人種虐殺糾弾」とのスローガンを叫びながら明洞の街を行進した=「パレスチナに連帯する人々」提供//ハンギョレ新聞社

 2カ月前、イスラエルは攻撃を開始しつつ、ガザの民間人に南に避難しろと言った。ガザ地区南部の最大の都市ハンユニスの人口はもともと40万人だが、難民が殺到して120万人に膨れあがった。ガザの人口230万人のうち190万人が難民となった。イスラエルは南部に爆弾を浴びせている。彼らはどこに行けばよいのか。2カ月間で1万9千人あまりのパレスチナ人が殺された。この数字に行方不明者は含まれていない。死者の70%は女性と子どもだ。5万人の負傷者を治療する病院はない。上下水道は破壊された。100万人が飢えている。感染症がまん延している。そのような中、イスラエルは違法占領地である東エルサレムで入植地を拡大する計画を承認した。非政府組織「ピース・ナウ」が明らかにした(ハンギョレの報道より)。

 今月4日、ホワイトハウス国家安保会議のジョン・カービー戦略広報調整官は、イスラエルがガザでおこなっている軍事作戦を擁護しつつ、「(イスラエルと同じ立場だったら)我々もそのように行動しただろう」と述べた。米国はすでに米国先住民に「そのように」し、「成功」してきた。

 厳しい寒さとなった今月16日、身を切るような寒風に頬を赤らめた500人あまりの人々が光化門に集った。「パレスチナに連帯する人々」がおこなった集会だ。「アジアの友人たち」のチャ・ミギョン代表は、ガザ住民の「イマヌエル」から届いた手紙を読みあげた。「この手紙が韓国で朗読される瞬間、私は生きているでしょうか。この文章を書くことが何の役に立つのでしょうか」。光化門(クァンファムン)を出発したデモ隊は、明洞(ミョンドン)の繁華街に足を踏み入れた。クリスマスの飾りの間を、パレスチナ人の子どもの遺体を象徴する白い布で包まれた人形を抱いて行進した。私は驚いた。誰も通行を、商売を妨害していると言ってデモ隊を非難したりはしなかった。ある中年男性はデモ隊に向かって拍手した。「フリー、フリー、パレスチナ」。今は19世紀ではなく21世紀、ガザは一人で「亡霊の踊り」を踊ることはないだろう。

16日、駐韓イスラエル大使館そばで「パレスチナに連帯する人々」主催で行われた「パレスチナ連帯集中行動の日」の集会。国内外の500人あまりが「イスラエルの人種虐殺糾弾」とのスローガンを叫びながら明洞の街を行進した=「パレスチナに連帯する人々」提供//ハンギョレ新聞社

//ハンギョレ新聞社

キム・ソミン|自由寄稿家 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1121349.html

韓国語原文入力:2023-12-21 16:28

訳D.K

http://japan.hani.co.kr/arti/PRINT/48732.html


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