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スズランの木彫りに挑戦 びらとり観光協会がモニターツアー

2023-12-08 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年12月7日 18:49(12月7日 18:51更新)

岡本さん(右)に教わりながら、紙にアイヌ文様の下書きをする参加者(びらとり観光協会提供)

 【平取】国内最大級のスズラン群生地(約15ヘクタール)がある町内で、開花する初夏以外もスズランを知ってもらおうと、アイヌ文化などと組み合わせたモニターツアーが行われた。

 ツアーは、びらとり観光協会が日高町のまちづくり会社「ベリーファイブ」と協力して開催。11月26、27日に1泊2日の日程で行った。北海道観光振興機構の補助金を受け、昨年度に続いて2度目。来年度まで3年間の試験実施を経て、本格化を目指している。

 今年は札幌市からバスガイドや通訳案内士の6人が参加した。昨年と同様にスズランのアロマオイルやドライフラワーを使ったボタニカルキャンドルを作ったほか、今年は初めてスズランの形をした和紙のブローチ作りや、アイヌ工芸の木彫りにも挑戦。木彫りでは、アイヌ文化を伝承する町の地域おこし協力隊員の岡本朋也さん(26)に教わりながら、スズランの花の形をした木の板に、彫刻刀で魚のうろこを模した「ウロコ彫り」をデザインした。

・・・・・

(杉崎萌)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/950278/


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北海道の自然と文化と調和する、至極のひととき体験する宿。

2023-12-08 | アイヌ民族関連

アエラスタイルマガジン12/7(木) 21:02配信

ポロト湖へ続く船着き場ととんがり湯小屋。

美しい自然やアイヌ文化、世界的にも珍しいモール温泉の湯浴ができる「界 ポロト」は、全国22施設に展開する星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」の北海道初の宿。建築家の中村拓志氏による設計で、この場所にしかない体験とともに自然とひとつになれる感覚へといざなわれる。

【画像】もっと画像を見る(5枚)

ポロト湖周辺の環境に溶け込むとんがり屋根の湯小屋には、内風呂と露天風呂があり、湖の懐にひたるような開放感を感じられ、もう一方の湯では、洞窟のなかのような神秘的な空間で湯あみを楽しめる。客室のオールや茶器をはじめ、宿のいたるところには道内の作家によるアイヌ文化にまつわるインテリア作品が用いられている。銅ぶきの囲炉裏から見える四季折々の景色に魅了され、心地のいい静けさに心の底からやすらぎを感じられるだろう。半個室の食事処では「毛蟹と帆立貝の醍醐鍋会席」など、北海道の美食を堪能できる会席やご当地朝食が味わえる。

世界に誇るスタッフのきめ細かな心配りや上質なもてなしは、旅を特別なものにしてくれるはずだ。界 ポロトで、究極の癒やしと至福のひとときを。

界 ポロト

北海道白老郡白老町若草町1丁目1018-94

050-3134-8092

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiporoto/

「アエラスタイルマガジンVOL.55 AUTUMN/WINTER 2023」より転載

https://news.yahoo.co.jp/articles/dca2b11bad186c342a701776878a0bf405e80e95


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杉田水脈議員の「人権侵犯」認定から考える:「思いやり」ではなく「システム」として人権を守ること──連載:松岡宗嗣の時事コラム

2023-12-08 | アイヌ民族関連

GQ2023年12月7日 By 松岡宗嗣

1948年12月10日に国連で「世界人権宣言」が採択されたことから、この日は「世界人権デー」と位置付けられ、12月4日〜10日を「人権週間」としている。ライターの松岡宗嗣が、この機会に改めて「人権」について考える。

自民党の杉田水脈衆院議員が、2016年にアイヌや在日コリアンの女性を「民族衣装のコスプレおばさん」などと侮辱する記事をブログに投稿した件について、札幌法務局や大阪法務局が「人権侵犯」と認定した。

両法務局は「啓発」の対応を行ったが、杉田氏は「私は差別をしていない」と否定し、むしろ「逆差別、エセ、そしてそれに伴う利権、差別を利用して日本をおとしめる人たちがいる」と言い放っている。さらには、アイヌの特定の個人を名指しで「ごろつき」と侮辱しているという。

岸田文雄首相は「議員の発言に一つ一つコメントすることは控える」と答弁し、自民党から杉田氏に対する処分はない。「人権尊重」は、憲法の基本原則の一つだが、その人権が侵犯された事実を政府が認定しても、杉田氏に対する処分は「何もない」に等しい状況だ。

「思いやり」がないから人権を侵害する?

12月4日から10日は「人権週間」だ。1948年12月10日に国連で「世界人権宣言」が採択されたことから、この日は「世界人権デー」と位置付けられている。法務省はこの1週間、「全国的に人権啓発活動を特に強化して行っています」という。

人権啓発において、いまだ「思いやり」や「優しさ」と表現されているのをよく目にする。では、杉田氏が「思いやり」を持てば、アイヌや在日コリアンの人々への人権侵犯は解決するのだろうか。むしろ杉田氏に「優しさ」がないから、人権侵犯をしてしまったのか。そうではないだろう。

そもそも「人権」と「思いやり」を結び付けること自体に大きな問題がある。人権とは、すべての人間が持っている固有の権利であり、その権利には、生存権や自由権、表現の自由、労働権、教育を受ける権利などが含まれている。「差別を受けない」ことも基本的な人権として保障されている。

一人ひとりの人権を守る責任は、まず一義的には国にある。人権を「思いやり」とすることの弊害は多々あるが、その一つは、国が人権を守る責務を放棄し、「個々人が思いやりを持たず、仲良くできないせいだ」と責任を押し付けてしまっている点があるだろう。

さらに、「思いやり」という言葉は、人権を「個人の気持ち」の問題かのようにすり替えてしまっている。これは「差別する意図はなかった」と、意図の問題かのように言い訳がされる背景にも繋がっているだろう。「人権意識」「人権感覚」という言葉が使われることもあるが、文脈によっては適切ではないかもしれない。

また、「思いやり」「優しさ」または「寛容」といった言葉によって、人権を「多数派が少数派に温情的に与えてあげているもの」かのような誤解を生み出してしまっている点も問題だ。

仕組みとして人権を守る

ではどのように人権を守るのか。それは「気持ち」ではなく「システム」ではないだろうか。人権を「思いやり」という温情に矮小化するのではなく、人権を「仕組み」として守っていく視点が必要だ。

人権を守る責任はまず第一に国にあると述べた。例えば、国は差別をなくすために「差別禁止法」などの法律をつくり、具体的な人権侵害が起きたら、法律を根拠に被害を調査し、事実があれば注意や勧告など、行為への対応を行う。それと同時に、人権侵害を防止するため人々の認識を変えるための教育や啓発を行う。こうした「サイクル」によって、人権が守られていくのではないだろうか。

杉田氏への法務局による「人権侵犯」認定は、まさにこうしたシステムによる対応と言える。

法務省の規定では、被害者が全国の法務局に被害の申告をすると調査が行われ、人権侵犯が認定されると、いくつかの対応──法的なアドバイスなどの「援助」、人権侵害を行った人に対して改善を求める「説示・勧告」、刑事訴訟法に基づく「告発」など──がとられる。今回の杉田氏に対する対応は「啓発」で、人権尊重に対する理解を深めるための働きかけを行うという“軽め”のものだ。

杉田氏は法務局による「啓発」を受けたとされているが、差別を認めず、むしろ開き直っている。さらには「制度がおかしい」「人権には定義がない」「今回の措置は行政処分ではなく、強制力のない任意の措置」などと国の人権救済制度を否定している。この点が明らかにしているのは、国による人権を守るはずのシステムが機能していないということだ。

杉田氏は「人権には定義がない」と主張するが、まず憲法第11条では「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」とし、 人権を「侵すことのできない永久の権利」と明示している。また、第13条では「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」、第14条では「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」など、人権の内容についても示している。

それ以外にも、具体的な権利やどのように守るかは各法律によって示されている。例えば「差別を受けない」という点については、アイヌ施策推進法、ヘイトスピーチ解消法、障害者差別解消法、男女雇用機会均等法、部落差別解消推進法など、それぞれの属性ごとに差別をなくすための法律が作られている。

国によっては、個別の法律ではなく、年齢、出生、人種・民族、宗教・信条、障害、性別、性的指向・性自認といったさまざまな属性をまとめて「包括的差別禁止法」を整備している国もある。しかし、日本にはこうした法律はない。

杉田氏は、法務局による人権侵犯認定を「強制力のない任意措置」というが、これは杉田氏の主張とは別の意味で、制度の問題を明らかにしている。つまり、法務省の人権侵犯認定の規定では強制力のない対応しかできないため、杉田氏の行為は野放しにされてしまうという点だ。

1993年に国連総会で採択された「パリ原則」では、各国に「国内人権機関」の設置を求めている。国内人権機関とは、政府からは独立した人権機関で、人権侵害に対し調査・救済を行うものだ。現在120以上の国で設置されていると言われているが、これも日本にはない。

人間の権“理”

「Human Rights(人権)」のRightは「権利」と訳されるが、かつては「権理」という表記も使われていたという。確かに「利」という言葉は、利益・ベネフィットのように、上乗せされるものというイメージを持つ。よくある「権利を求めるなら義務を果たせ」と、権利と義務をトレードオフのように捉える誤解も、こうした言葉のイメージが影響しているのかもしれない。

人権を守ることは、思いやりや優しさといった個人の気持ちではなく、システムによって守られるもの──これは「権利」よりも、「理(ことわり)」という意味での「権理」のほうが適しているのではないかと思う。

杉田氏に「思いやり」がないから人権侵犯をしたわけではないように、差別に「良い人」か「悪い人」かは関係がない。むしろ「思いやりを持った善良な人」こそが人権を侵害してしまうことがある。

一人ひとりが異なる属性や経験、考え方を持つなかで、誰もが“仲良く”できるわけではない。時に対立やトラブルは起きる。たとえ内心でどう思っていたとしても、異なる人々が同じ社会で生活するためには、侵してはならない具体的な権利がある。それをシステムによって守ることが、「人権を守る」ということではないだろうか。

人権の価値

人権は国際社会における「普遍的価値」だ。しかし、しばしば「人権は西洋の価値観」であり「日本に押し付けるべきではない」という主張がされる。確かに人権という考え方はヨーロッパで生まれたものと言えるし、それぞれの地域の状況を考慮する必要はある。

しかし、人が自由に考えたり表現できること、安全に働けること、教育を受けられること、裁判を受けられること、差別を受けないことなど、人権が示す具体的な権利は、どんな地域であっても守られるべきものではないだろうか。

また、イスラエルによるパレスチナ占領、ガザへの攻撃に対する欧米社会の反応を見ていると、守られるべき「人権」が普遍的ではない実態、欧米社会のダブルスタンダードも明るみに出ている。

欧米の価値観の押し付けだと否定するのでもなく、かといって無批判に従うのでもなく、いかに人権という考え方が示す具体的な権利や価値を、自分のものとして捉えられるかが重要ではないだろうか。

どんな場所であっても、生存を脅かされることなく安全に暮らせる社会のために、「思いやり」ではなく、「システム」として人権を守る視点を持ちたいと思う。

松岡宗嗣(まつおか そうし)

ライター、一般社団法人fair代表理事

1994年、愛知県生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する「一般社団法人fair」代表理事。ゲイであることをオープンにしながらライターとして活動。教育機関や企業、自治体等で多様な性のあり方に関する研修・講演なども行っている。単著『あいつゲイだって アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など。

編集・横山芙美(GQ)

https://www.gqjapan.jp/article/20231207-soshi-matsuoka-column


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ハナレグミ、“夢中”に身を委ねる大切さ 新たな煌めきを掴んだ2023年のライブも振り返る

2023-12-08 | アイヌ民族関連

リアルサウンド2023.12.07 20:00 文・取材=鈴木淳史

 ハナレグミの2023年はかなり濃密な1年であった。とにかくコロナ禍の時期を取り戻すかのようにライブをたくさんやっている。今回はインタビューを通して、そのライブで一緒になった年下世代、同世代、年上世代のミュージシャンたちについても尋ねてみた。想定以上に具体的な話を聞けたと思う。

 また、SUPER BUTTER DOG時代から個人的に感じていた永積 崇が持つ肉体性と内面性という両面性についても、自然に本人から話してもらえた。新曲「MY夢中」(11月17日配信リリース)にも繋がるが、結局のところ自分自身が夢中になりたいというシンプルな答えに辿り着いたとも言えるのだろう。ハナレグミの2024年の活動についても語ってくれているので、ぜひとも読んでいただきたい。(鈴木淳史)

世代の異なるミュージシャンとの共演で得た刺激

――まずは改めて2023年を振り返っていただけたらと思います。

永積 崇(以下、永積):今年はめちゃくちゃライブをやったね。去年からずっとやっている弾き語りツアー(『Faraway so close』)がコンスタントにあって、それ以外にも普段なかなか一緒にやれないようなミュージシャンとの面白い企画があったりとか。パッと思い浮かぶのは、高木正勝くんと福島でやったもの(3月開催『種を蒔くデザイン展 LIVE in fukushima 』)。それから、中村佳穂ちゃん、GEZAN、熊谷和徳くんと北海道のアイヌの人たちのフェス(2月開催『阿寒ユーカラ「ウタサ祭り」』)に呼んでもらって。アイヌの昔からある曲と自分の曲を合体させたりしましたね。春には同じ世代のEGO-WRAPPIN'の中納良恵さんと二人のステージもやったし。大きいのだと、スカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)とメキシコのフェス(3月開催『Vive Latino 2023』)に出たりした刺激の多い1年だったな。それから作品の方でも、KID FRESINOとのコラボやPUNPEEくんとのマッシュアップ企画で「家族の風景」が新たなアプローチでリリースされたり。

KID FRESINO - that place is burning feat. ハナレグミ (Official Music Video)

https://www.youtube.com/watch?v=AQ2T5VVQfp0

――今年はコロナ禍が落ち着いて、ライブスケジュールがコロナ禍前の状態に戻ってきましたが、久しぶりのスケジュールに戸惑われたのか、それよりも喜びの方が大きかったのかで言うと、どちらでしたか?

永積:喜びの方が大きいかな。今年最初に出演した春フェス『OTODAMA'23~音泉魂~』(5月に大阪で開催)でオーディエンスの雰囲気が元に戻ったと感じて。まだ春頃はコロナを気にしていた場所もあったけど、でも東京や大阪は徐々に普通に戻ってきていて、夏になっていくにつれて、ようやく(全国的に)戻ってきたなという印象だった。まぁ、お客さんの雰囲気を見て、以前の感じに戻ってきている状況に順応できている人も順応できていない人も両方いると思ったから、気になりつつだったかな。でも、だいぶ5月で変わったよね。『CIRCLE '23』(5月に福岡で開催)は元々持っているリラクシンな感じの中で、コロナへのガードが下がってきたのを感じられた。ほとんどのお客さんがマスクを外していたし、元々が好きなように聴いていられるフェスだからね。

――先ほど、中村佳穂さん、GEZANという名前も出ましたが、年下のミュージシャンと共演することも多くなっている中で、そういう世代感って意識されたりしますか?

永積:関係なくあれたらいいなと思うし、そこまで気にならないけど、佳穂ちゃんやGEZANを見てると、音楽に対する距離感とか視点とか、彼らならではの“今の時代”みたいなものを吸い上げている感じはする。でも、彼らを追いかけて近づくのは違うかなと。作品の音の作り方もどんなふうに作っているのか興味深いし、ステージングを見ていても、リハがないフェスのステージ上での再現性はすごいなって。ニュアンスも細かいし、オーディエンスの聴き方もすごく良くてね。新しい音、新しいライブの関係性が生まれていて刺激になるよね。

――向井秀徳さん、岸田繁さんといった同世代との共演も去年〜今年にかけて多かったなと思うのですが、同世代との関係性は、どのように感じられていますか?

永積:彼らは彼らで、かっこいい。くるりの新譜は毎回聴いているしね。ちゃんと自分の時間をまっすぐ音楽にかけている二人だから。まぁ、同世代とかあまり意識して考えてはいないけど、じゃあ俺もどういう風にやろうかなって思うし、このまま変わらずどんどん音楽を作っていってほしいなって。去年の『OTODAMA』で、自分の出番のすぐ前だったNUMBER GIRLを外聴きしていたけど、一音目から極まっていて。終わった後、本人にも伝えたけど、再結成バンドで、あんなに極まった音を出せるなんて、この人すごいなと。どこまでバンドを追い込んでいるのか……彼と一緒にやると本気にならざるを得ない、そういう風に持っていっているんだろうし。やるなぁ~、かっこいいなって。全然ぬるくなくて、ずっと長年NUMBER GIRLをやっていたのかと思うほどだった。

――年上世代で言うと、先ほどスカパラのお名前も出ましたが、どのように感じられていますか?

永積:自分はソロだから、バンドサウンドじゃないと歌えない歌があって、スカパラとのステージじゃないと動かない筋肉がある。単純に引き上げられるんだよね。スカパラの音が進化していて拓いた音になってるなとずっと思っていたんだけど、その理由がメキシコに行ってわかった。大概の人は、海外に行くと、海外向けなライブに変えたりするんだけど、スカパラは全く一緒で。GAMOさんが「どこが盛り上がってんだ!?」と日本でオーディエンスを煽っているのと同じことをスペイン語でもやっていて、それで熱狂する。オーディエンス全員を置いていかないんだよね。単純にそう思っているメンバーが集まっていて、力技でも、技術だけというわけでもなくて、ハートで作っているなと。メキシコでもオーディエンスがハートフルで、彼らの愛情がステージ上のスカパラに捧げられていたし、オーディエンスが感動しすぎて客席で知らない歌をチャントみたいな感じで歌っていたりして。曲がバーンと終わった時そうなっていたから、次の曲どのタイミングで始めるんだろう? みたいな(笑)。オーディエンスが「スカパラ最高!」となっていたし、これにスカパラも撃ち抜かれたんだろうな……。時間がある限り、俺らの持っている全てを捧げたいという音を出していて、すごく感動的だったし、この心意気を日本に持ち帰っているのが最高だなって。やっぱり世界を見れるうちに見ないといけないし、変わるチャンスは世界にあるなと思ったね。

「どんな人の音でもハナレグミとして成立する強度」

――今の話を聞いていて思い出したのは、9月に大阪の服部緑地野外音楽堂で開催されたハナレグミの弾き語りライブだったんですね。コンパクトなサイズの野音だし、基本は弾き語りなのに観客が熱狂的に盛り上がっていて。メキシコのスカパラじゃないですけど、ハナレグミでも、そういう現象が起きているなと思いました。

永積:人数の多さとかじゃないと思うし、服部はお客さんとの一体感が生まれて自分にはすごく良い会場だった。大阪の人たちの心意気は多分にあったと思うけど。今年は弾き語りツアーをやって、お客さんからもらうものがたくさんあったし、気持ち的に生き返るように感じることが多かった。まだ色々と制限がある時期に弾き語りツアーを始めたんだけど、お客さんは声を出せない分、体を動かして聴いてくれたり拍手とかでこっちにアピールしてくれていた。そういうのを見て、胸が熱くなったんだよね。ひとりでやってるんじゃない、一緒にライブを作っているんだなと。特に自分のライブに来てるお客さんは、そういうことをわかって、自分のタイミングで楽しんでくれているし。SNSを見ても、「ひとりで行ったけど、周りの常連客の人たちにウェルカムしてもらって、コロナ禍だったけど行って良かった!」みたいなコメントも多くて。弾き語りツアーは距離が近いし、素敵なお客さんが関わってくれていたね。

――ライブ会場限定で「ビッグスマイルズ」という新曲のCDを買えたのも、お客さんは嬉しかったと思います。今の段階ではCDでしか聴けない曲ですから。

永積:お客さんがライブに来て記念にCDを買って帰るというのは、甲子園の砂を持ち帰るような気分なのかな(笑)。こっちも気合いが入るというか楽しいですよ、新曲を会場限定で売って持ち帰ってもらえるのは。SNSが普通の今だから、急な告知も届けやすいしスピード感が出ているよね。色んな可能性を秘めているし、遊び心を足せるし、こういうことは今後もやっていきたいなと思ってます。

――また、『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2023 in EZO』(8月に北海道で開催)をはじめとして、夏から秋にかけては年下から年上まで、幅広い世代のバンドメンバーと一緒に演奏されていましたよね。

永積:バンドってひとりメンバーが変わると音楽の表情も変わるんですよ。だから、昔やっていた曲も新しい命を授かって生き返るということを痛感した。ドラムの伊吹文裕くんという年下の世代の子が入るだけで煌めきが加わる。音楽の面白さって、たくさんのパッションとか表情を全て栄養に変えられることだし、そういう音楽をやりたくてハナレグミをやっているから。来年3月のライブはギターの西田修大くんやキーボードの宮川純くんという年下の人たちにも参加してもらうけど、また煌めきが足されるよね。気合い入れて臨んでくれてるだろうし。あと今年はベースの高桑圭さん(Curly Giraffe)ともやったけど、あの人はルードでパンクな人だから骨太ないかつさもあって佇まいもかっこいいし、コーラスも最高でね。その感じが他のメンバーにも伝播していって、これぞ音楽だなと。ハナレグミは楽曲がシンプルな分、一人ひとりのモチベーションにかかっていて。「慣れてくれるな」と思っているし、その都度その都度で反応して表現することを求めるからね。

 例えばノラ・ジョーンズって時代によって色々なミュージシャンをバンドに入れるけど、オーセンティックなルーツを持っているから歌は変わらない。ハナレグミも同じで、どんな人の音でもハナレグミとして成立するシンプルさを持てているから、今年は音楽の強度を改めて実感できた年だなって思う。アバンギャルドな人とももっとやりたいし、それでも音楽の強度を保てる自信があるから。大好きなミュージシャンばかり増えるから、もっともっと体が増えたら良いのにね(笑)。自分はいつも旅人で、ひとつのところに留まるのではなくて、色んなミュージシャンと出会って別れていくのがハナレグミだなと思ってる。

――あと、今年を振り返る上では、5月の『OTODAMA』、そして11月には東名阪ツアーも開催されたフィッシュマンズのライブでのボーカル参加も忘れられないです。

永積:最高にかっこいいバンドだからね。佐藤(伸治)さんの歌詞、やっぱすごいよね。あの言葉と、レゲエが持っているフリーフォームな型に縛られない歌。譜面に起こせる歌ではないし、むしろ譜面に起こすと意味がないから。自然な身体運動というか、あのビート、あの言葉がきたら身を委ねるだけ。ああいう形の音楽は他にないかな。オーバーグラウンドでたくさんのオーディエンスを集めた上で支持されている。ああいう音楽を奏でられるのはすごいことだよ。

「今はハナレグミの両面性を打ち出したい」

――そして11月にリリースされたニューシングル「MY夢中」ですが、歌詞に宇宙という言葉があったり、浮遊感のある楽曲であったりと、どこかフィッシュマンズを思い出したりしました。

永積:へぇ~おもしろいね! ドラマ(NHK夜ドラ『ミワさんなりすます』)主題歌の話をいただいて、ドラマに向けて作って生まれたフレーズというか、とにかく良いテーマだなと。

――主人公のミワさんは大好きなものに夢中になって生きている人ですよね。

永積:原作漫画を読ませてもらって、自分にも当てはまるし、夢中になって生きていくというのは、それさえあれば十分というか、色んなことに変換できるというか。今は予期していないことがどんどん起きるけど、自分の中でどう変換するかにかかっている。ひとつでもいいし、一旦でもいいから、夢中になることこそが自分が持っている強み。そしたらネガティブなことも裏返せる。だから(自分は)歌うんだよなって。ミワさんという人は肩の力が入っていないし、だから「夢中にならなきゃ」ではなくて、当たり前に夢中になれている。自分がここまでやれているのも、まさにそうだし。

――アルバム『発光帯』(2021年3月)の頃に、曲を作るというよりも歌っていたいと話されていたのが印象的だったんです。でも今は、その時よりも、よりシンプルに音楽に、歌に夢中になられているのかなと感じました。

永積:曲を作るのも楽しいよね。でも、あまりそこにこだわらないところもあって、まぁ自分で作る時は作ると思うし、そういう時間も含めてライブだなと。身を委ねて歌っていくというか。(楽曲)制作もライブだし、そこは顕著になってきている。

――制作自体をライブとして捉えるという考えは初めて聞いて驚いています。

永積:元々そう思ってたけど、本当にそうじゃないかな。厳密に言うとライブではないんだけど、ライブに向かう過程としてレコーディングがあるんだろうね。

――そして来年3月には『THE MOMENT 2024』というライブが東京と大阪で開催されます。『THE MOMENT』は2020年2月にも東京と大阪で開催されましたよね。ストリングスと一緒に大阪で、ホーンと一緒に東京で、スカパラとライブをされていました。

永積:あの時の『THE MOMENT』はとても大きくて、去年スカパラと一緒にやった『フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)』もそうだったけど、自分のやるべき音楽の方向と姿勢が明確になった。その明確になったものを止めずに打ち出していきたい。大人数編成をバックに歌うと、より何と言うのかな……最高なんですよね(笑)。単純になるけど自分は、ナット・キング・コール、サミー・デイヴィスJr.といったストリングスをバックに歌っている人に影響を受けてきたから。その夢が叶っていることに、自分自身がぶち上がれる。

 あと『THE MOMENT』はショーとしても作れるんですよ。年に1回、近藤良平さん(コンドルズ)と『great journey』という舞台寄りのことをやっていて、そこでの経験を発揮しやすい。今回の『THE MOMENT』も前回みたいにテーマを作って、色々な曲のカバーを盛り込んでいって、自分の曲と人の曲の境界線がない感じにしたいですね。『THE MOMENT』は、ボーカリストとしてソウルショーみたいに全身を使って音楽をやれてる歓びを出したい。バンドや弾き語りって塊みたいに一丸となって撃ち抜く作用だけど、『THE MOMENT』ではもっとショーとして魅せる、華やぐステージを作れる。まだ曲は決まっていないけど、また違った魅力を出せると思っているし、今から体を作っていかないとね。

――前回はストリングスとホーンで分けていましたが、今回は分けずにストリングスもホーンも一緒に入っていますよね。

永積:そうだね。ストリングスとホーンの音でのアンサンブルって至福というか、ジャンルを飛び越えて圧倒されるというか。こないだの服部もストリングスのカルテットが入るだけで、弾き語りの画角を飛び越えて高みに連れて行かれた。声とストリングスやホーンのハーモニーはすごく相性が良い。ストリングスは記憶とか感情に響いてきて、ホーンはビートみたいに肉体的に響いてくる。ハナレグミは、その両面を持っていて、例えば「独自のLIFE」みたいな肉体的なビートがある曲から、「深呼吸」みたいな記憶とか感情に届く曲まである。両方の彩りに大きなエンジンを授かって思いきり歌いたいね。『THE MOMENT』は小さく収めるライブじゃないから、自分にとっても何ができるのかなという挑戦で、もっともっといける可能性を感じてもらえるライブにしていきたい。

――でも、その両面性ってSUPER BUTTER DOGの頃から持っていましたよね。

永積:その両面の間で引き裂かれそうになってたから本人は(笑)。自分って何だろう!? どっちかじゃダメなの!? ボブ・マーリーの「ジャー・ラスタファーライ」みたいな、どっちかじゃいられない自分がいる。欲張りなのか、両方じゃないと自分じゃない。だから「コミュニケーション・ブレイクダウン」じゃなくて、「コミュニケーション・ブレイクダンス」(SUPER BUTTER DOGが2000年に発表したシングル曲)になる。今は、世の中を見ていてもわかりやすくて、当たり前に(両面を)表現している人が多いよね。

 でも、BUTTERの頃は、本当の自分を隠したい気持ちもあった。今は自分を打ち出していいというか、やっぱり両方あって自分なんだって実感して。『THE MOMENT』は両サイドを感じてもらえるライブになるなと。スカパラのメキシコでのライブを観て、とにかく徹底的に突き抜けてやることの大切さを改めて感じて。インタビューを受けていて言うのもあれだけど、自分のやりたいこと、やるべきことは、言葉のいらないところまで行くことだなって。とにかく体で歌っていく。自分が信じたものを、この先のステージで出すというシンプルなことを授かった1年だったね。自分が自分に集中する、それこそ「MY夢中」になる。そういう人を見るのが好きだし、そういう人になるのがより大事になってくるね。

――なるほど。

永積:写真家の幡野広志さんも同じようなことを話されていたし、夢中になれることをひとりで探すのは大変だけど、夢中になっている人の横にいると、それが伝播するから。ただただ頭で考えているだけでは大変で、それならば夢中になっている人の側にいるのが一番良い入り口になる。夢中になっている人と大至急友達になって、その引力を感じて、そしたら、そこに突破する力が生まれる気がする。絶対みんな夢中の引力を持っているから、もう一度その引力を呼び覚ますというか、まずは目を閉じて自分の引力を集めることだね。だから、頑張って自分の言葉を書きます。そっちに行かないともったいないし、考える前に飛び込め、みたいな。それこそが生き抜く術だし。夢中を手離すな! こっからどんどんやっていくんで、よろしくお願いします!

■プレイリスト企画情報
『ハナレグミのMY夢中MUSIC』
#1「ギターソロに夢中」:https://jvcmusic.lnk.to/muchu_playlist_guitar
シェアキャンペーン応募フォーム:https://form.run/@muchu-playlist

■リリース情報
ハナレグミ 配信シングル『MY夢中』
<収録曲>
M1.MY夢中
M2. MY夢中(歌とピアノ)
配信リンク:https://jvcmusic.lnk.to/mymuchu

■番組情報
NHK夜ドラ『ミワさんなりすます』(総合テレビ) 
2023年12月7日(木)22:45~23:00(最終回)
原作:青木U平
脚本:徳尾浩司
出演:松本穂香 恒松祐里 山口紗弥加 片桐はいり 小泉もえこ 伊藤万理華 高岡早紀 堤真一
制作統括:渡辺悟
プロデューサー:上田明子 大久保篤
演出:新田真三 寺﨑英貴 田中正 保坂慶太

ハナレグミ オフィシャルサイト

https://realsound.jp/2023/12/post-1511368.html


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RAN新報告書「生物多様性崩壊をもたらす金融業務」発表

2023-12-08 | 先住民族関連

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)2023年12月7日 16時40分

メガバンクら銀行、森林リスク産品に3070億ドルの資金提供~森林破壊・生物多様性損失・気候カオス・権利侵害を加速~

米環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(本部サンフランシスコ、以下、RAN)を含む8団体で構成する「森林と金融」連合は、第28回国連気候変動会議(COP28)で「金融」がテーマである4日、新報告書「生物多様性崩壊をもたらす金融業務:熱帯林破壊を助長する銀行と投資家の追跡」を発表しました。本報告書は、大手金融機関が熱帯林地域における森林破壊、生物多様性の損失、気候変動、人権侵害をいかに助長しているかについて包括的に考察するもので、分析の結果、銀行がパリ協定締結以降の2016年から2023年9月、熱帯林破壊に関係している高リスク林業・農業企業に3070億ドル以上の資金を提供していることを明らかにしました。この結果は、世界の大手銀行と投資家の掲げる森林関連ESG方針が、森林と生物多様性の広範かつ継続的な損失を防止できていないことを示しています(注1)。

表「森林リスク産品への融資・引受額 上位20銀行」
(2016-2023年9月、単位:百万米ドル)

*森林リスクセクター約300社(東南アジア、ラテンアメリカ、中央・西アフリカ)への融資・引受額、傾向。日本のメガバンクはみずほ(8位)、MUFG(12位)、SMBC(17位)。

本報告書「生物多様性崩壊をもたらす金融業務:熱帯林破壊を助長する銀行と投資家の追跡」は、世界の熱帯林破壊の大部分を引き起こしている「森林リスク産品」セクターの6品目(牛肉、パーム油、紙パルプ、ゴム、大豆、木材)に携わる約300社の森林部門事業に対する商業資金の流れを概説・分析しています。報告書では、森林リスク産品セクターへの融資・引受と債券・株式保有において、どの銀行と投資家が最も大きな役割を果たしているかを明らかにしています。森林破壊を引き起こすリスクの高い銀行、つまり資金提供額上位30行のなかには、ブラジルやインドネシアなどの熱帯林諸国の大手銀行や、米国、欧州連合(EU)、日本、中国といった輸入および財政的に重要な管轄区域の大手銀行が含まれます。

報告書では同時に、影響の大きいセクターへの投資に適用される方針の内容についても評価しています。100を超える銀行と投資家の投融資方針を、環境・社会・ガバナンス(ESG)関連基準の38項目に基づき採点しています。残念ながら平均評価は100点満点中わずか17点と低く、30点以上の評価を受けた銀行と投資家は20社のみで、50点を超えた銀行はわずか2行でした。森林リスク産品セクターに提供される資金の量と、甚大な森林破壊と権利侵害の防止措置である投融資方針との間に大きな隔たりがあることが明白になりました。

報告書で明らかになったのは、森林リスク産品への資金提供者のトップはブラジル銀行とブラデスコ銀行です。両行は主にブラジルの牛肉セクターと大豆セクターに融資していますが、森林伐採と権利侵害を防止するための最低限の方針しかありません。米ウォール街の巨大金融機関であるJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループは紙パルプやパーム油セクターに多額の資金を提供していますが、各行の森林ESG方針は弱く、森林や生物多様性、人権を保護できていません。バンク・オブ・アメリカは100点満点中22点、シティグループは37点、JPモルガンはわずか15点と評価され、3社とも極めて低い評価となりました。

日本の金融機関は紙パルプとパーム油に多くの資金を提供しています。メガバンクではみずほフィナンシャルグループが約74億ドルと最も多く、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG、約58億ドル)、SMBCグループ(約46億ドル)と続き、3行ともトップ20銀行に入りました(表を参照)。方針評価については、日本の金融機関の平均得点は21点で、インドネシアやマレーシアの金融機関よりも低い評価となりました。日本の金融機関の方針は総じて環境・社会面よりもガバナンスに関して強い傾向にあります。みずほが38点で最も高く、SMBCが36点、野村グループが27点、MUFGが24点、三井住友トラスト・グループ(22点)、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2点、公立学校教職員共済組合は0点でした(注2)。

また今回の調査結果は、主要な管轄区域において金融機関に強固な規制が適用されることが緊急に必要であることも浮き彫りにしています。報告書は、各国政府と金融機関が、パリ協定第2条1(c)と「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」のターゲット14と15の下で、気候変動と生物多様性に関する公的目標を達成すべく資金の流れを調整する責任を負っていると強調しています。しかし調査データによると、パリ協定締結後の2016年から2023年9月までの間、年間の融資・引受総額と投資総額は多少変動しているものの、森林リスク産品の継続的な生産拡大を促進している資本には減少傾向が見られないことを示しています。

「森林と金融」コーディネーターのメレル・ヴァン・ダー・マークは、「多くの人は、環境犯罪に関与している企業に金融機関が融資することが、ほとんどではないにせよ、多くの地域で法的に問題がないことを知ればショックを受けるでしょう。今回の調査結果は、国連のPRI(責任投資原則)やPRB(責任銀行原則)のような持続可能性イニシアティブに加盟している金融機関や、ネットゼロ(注3)を誓約している金融機関が、これらの目標の達成を不可能にしてしまうような企業に融資を続けているという、明らかな偽善を示しています。金融機関に独自のESG基準を設定するよう任せるだけでは、資金の流れを持続可能なビジネス慣行へ転換させるには不十分です。最終的には各国政府が、社会と私たちみんなが依存している生態系を守るために必要な政策と罰則措置を講じる必要があります」と強調しました。

本報告書は資金の流れを記録し、森林セクター方針を分析することに加え、こうした資金がブラジルのアマゾンやインドネシアの森林とコミュニティに与えている負の影響を示す事例もいくつか紹介しています。今回の調査によって、森林破壊企業4社(JBS、カーギル、ロイヤル・ゴールデン・イーグル(RGE)、シナルマス・グループ)が、社会・環境面での負の影響に広く関係し、長期にわたり常習的に悪質行為を行ってきたにもかかわらず、何十億ドルもの資金を集め続けていることが明らかになっています。4社が関係する社会・環境被害は、何年にもわたって続いているものが多く、多くの記録が残っています。

報告書は結論として、金融規制当局と金融機関が社会と私たち人類が依存している生態系を守るために必要な公正な移行を促進するよう、国際的な公共政策の目標に沿って、資金の流れを調整する緊急措置を講じる必要があると述べています。そのために「森林と金融」連合は金融セクターに、以下の5つの基本原則を採用するよう求めています:1)生物多様性の損失の停止と回復、2)先住民族と地域コミュニティの権利尊重と優先、3)公正な移行の促進、4)生態系の完全性(インテグリティ)確保、5)セクターや課題、金融サービス全般にわたって、気候変動・生物多様性・権利尊重の様々な機関目標と整合させること。

「森林と金融」は、キャンペーン活動や草の根活動、調査活動を行う団体の連合体であり、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、TuK インドネシア、プロフンド(Profundo)、アマゾン・ウォッチ、レポーターブラジル、バンクトラック、サハバット・アラム・マレーシア(国際環境NGO FoE Malaysia)、FoE USによって構成されています。

注1)報告書全文「「生物多様性崩壊をもたらす金融業務(Baking on Biodiversity Collapse)」(英語)

https://forestsandfinance.org/banking-on-biodiversity-collapse/

『森林と金融』は、東南アジア、ラテンアメリカ、中央・西アフリカにおける紙パルプやパーム油など森林リスク産品への資金流入を包括的に分析したオンラインデータベース。金融商品、銀行・投資機関、国・地域、企業グループ、年、部門別に検索が可能。

  • 対象事業地域:世界三大熱帯林地域である東南アジア、ラテンアメリカ(アマゾン)、中央・西アフリカ(コンゴ盆地)
  • 対象産品:牛肉、パーム油、紙パルプ、天然ゴム、大豆、木材(森林リスク産品)
  • 対象期間:融資・引受は2016年から2023年9月、債券・株式保有は2023年9月時点

注2)方針評価の方法論(英語)

熱帯林生物群系における森林リスク産品セクターに関係する大手金融機関100社以上を対象に、環境・社会・ガバナンス(ESG)関連基準38項目を自社の投融資方針に盛り込んでいるかについて評価した。この基準項目は、国際的な合意やベストプラクティス(最良の手法や事例)から導き出したもので、金融機関は取引先や投資先がこれらの基準を満たすよう確保することで、ESG問題への加担を回避することが可能になる。日本からはメガバンク3行、三井住友トラスト・グループ、野村グループ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、公立学校共済組合が含まれる。

評価基準38項目の概要: 

  • 環境分野(12項目):森林破壊禁止の誓約、天然林や自然生態系の転換禁止の誓約。泥炭地、湿地、高保護価値(HC)林、保全地域、高炭素貯留(HCS)地域に関する具体的な項目。管理、汚染、農薬、温室効果ガス排出に関する項目など。
  • 社会分野(11項目):土地権の尊重、「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC)に関する権利の尊重、先住民族や地域コミュニティの広範な経済的・文化的権利の尊重。人権デュー・ディリジェンス・プロセス、モニタリング・システム、苦情処理メカニズムの確立。強制労働、児童労働、生活賃金、労働基本権に関する項目など。
  • ガバナンス分野(15項目):融資先企業のガバナンスに関する項目(汚職、租税回避、土地権の合法性の証明、環境・社会影響評価、サプライチェーンの透明性とトレーサビリティ(追跡可能性)、事業管理地の地図など)。金融機関自身のガバナンスに関する項目(取締役会による監督と報酬体系、方針の実施、苦情処理メカニズム、投融資の透明性など)。

評価は森林リスク産品の6品目別、および投融資に関して行われた。これらの詳細な評価は、金融機関の投融資ポートフォリオにおける各産品の相対的な重要性に基づいて加重平均の上、総合評価としてまとめた。

注3)温室効果ガスの排出量を、吸収量や除去量と合わせて、全体で正味ゼロにすること。
レインフォレスト・アクション・ネットーク(RAN)は、米国のサンフランシスコに本部を持つ環境NGOです。1985年の設立以来、環境に配慮した消費行動を通じて、森林保護、先住民族や地域住民の権利擁護、環境保護活動をさまざまな角度から行っています。2005年10月より、日本代表部を設置しています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000076051.html


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ナイアガラの滝の水を抜いてみた、本当にあったウソのような話、世界的な滝の驚きの事実

2023-12-08 | 先住民族関連

ナショナルジオグラフィック12/7(木) 17:11配信

日曜日だけ水を流す「間欠滝」案も、実はかなり人工的な世界三大瀑布の1つ

2013年夏のナイアガラの滝。手前左側にあるのがアメリカ滝。滝の下に積みあがった岩石からの高さは、場所によって21~34メートル。中央奥に見えるのが、高さ55メートルのカナダ滝だ。(PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI)

 米国が初めて人類を月に送り込んだ1969年の夏、地上では、自然を相手にしたもう一つの計画が進行していた。それは、ナイアガラの滝の水を抜くという壮大な事業だ。

ギャラリー:水が抜かれるナイアガラの滝、ほか写真5点

 米国とカナダの国境に位置するナイアガラの滝のうち、米国側にあるアメリカ滝では、1931年と1954年に大規模な岩石の崩落が起こり、滝のすぐ下に住宅ほどの大きさの岩が大量に積み上がっていた。そのため、元々垂直に落ちていた滝が2つに分断され、このまま崩落が続けば、いずれ滝が消失して、なだらかに傾斜したただの川の流れになってしまうのではないかと懸念された。

 1965年には、地元の新聞がナイアガラの滝を、「治療不能なまでに病んでしまった大切な存在」と形容し、対応を求める声が高まっていた。そこで米連邦議会はついに、陸軍工兵隊に調査を命じた。

 しかし、調査に入るためには水の流れを止める必要がある。工兵隊はさっそく、カナダ滝に川の流れを迂回させる囲い堰(ぜき)を建設して、アメリカ滝の流れを一時完全に遮断させた。

 工事が行われた1969年の夏、世界的に有名な大瀑布を一目見ようとニューヨーク州を訪れた人々を、滝の代わりに迎えたのは、高さ30メートルの乾いた崖だった。そしてこれは、自然を自由に操る米国の力の証だった。

 ナイアガラの滝を「修繕」しようという試みは、このときが初めてではなかった。19世紀後半から、米国とカナダの両国は、水の利用と自然景観の維持という相反する2つの目的のバランスをとるために、アメリカ滝とカナダ滝に何度も手を加えてきた。現在、ナイアガラ川を流れる水の4分の3は、国境の両側で滝の下を通る巨大トンネルを流れ、水力発電に利用されている。そんなナイアガラの滝の紆余曲折の歴史を紹介しよう。

大自然から産業の中心地へ

 五大湖のエリー湖とオンタリオ湖を結ぶナイアガラの滝の周辺には、少なくとも1万年前から先住民族が住みついていた。ナイアガラとは一説に、先住民イロコイ族の言葉で「海峡」を意味する「オングイアーラ」に由来するという。

 米大陸にやってきたヨーロッパの探検家も、圧倒的な滝の美しさに心を奪われた。しかし、なかにはこれをビジネスチャンスと見る人々もいた。

 1800年代半ばには既に、滝の下の両岸に工場や製粉所が軒を並べていた。1880年代に、ナイアガラ川で初めて大規模水力発電が実証されると、ナイアガラの滝はすぐに世界的な産業の中心地として発展していったと、ナイアガラの滝に詳しい環境歴史家のダニエル・マクファーレーン氏は言う。

 この状況に心を痛めたのが、ニューヨーク市のセントラルパークを設計した景観設計家のフレデリック・ロー・オルムステッドだった。オルムステッドは、ナイアガラの滝の絵で有名な画家のフレデリック・チャーチとともに「フリー・ナイアガラ」というナイアガラの滝の保全運動を始めた。そして、滝の下の両岸に立ち並んでいた工場を、川から離れた場所に移転させることに成功する。

上流での発電で水が減少、日曜日だけの「間欠滝」案も

 1885年、オルムステッドが設計したニューヨーク州ナイアガラ保護区が米国初の州立公園に指定されると、ナイアガラの滝はすぐに多くの観光客が訪れる人気のスポットになった。ところが、問題が一つあった。米国とカナダの間で、川の上流における水力発電施設の建設競争が激しくなり、滝を流れる水の量が減ってしまったのだ。その結果、滝は以前のような迫力を失っていった。

 1950年、カナダと米国はナイアガラ川の分水利用条約を締結し、対策を話し合った。日曜日だけ水を流すという「間欠滝」の案も検討されたが、最終的には、指定された観光シーズンの日中だけ、水力発電に回す分を自然な川の流量の半分以下に抑えることで合意した。

「つまり、クリスマスを含む冬の時期にナイアガラの滝を訪れると、4分の1の水量しか見られないということです」と、マクファーレーン氏はナショナル ジオグラフィックに語った。「残りの4分の3は、滝を迂回するトンネルを通っています」

細かく区切ったカナダ滝の美化工事

 1950年の条約では、ナイアガラ川と滝に与える水力発電の深刻な影響を覆い隠す計画も立てられた。

 馬蹄形のカナダ滝の形をきれいな曲線にするために、カナダのエンジニアは川を細かく区切って流れを迂回させてから、滝のへりを爆破して削り取った。こうすることで、全体的に水が薄いカーテンのようにまんべんなく落ちて、水量が実際よりも多く見えるようになる。

 また、特製の「テレカラリメーター」という機器を使って、カナダ滝の色を、緑がかった青色になるように調整した。滝の壁を削ることで、観光客を困らせていた霧の量も最小限に抑えられた。

 米国の保全活動家たちは、自然にできた地形を人工的に変化させることに反対したが、滝は何もしないと年に数十センチは浸食されると、エンジニアたちは指摘した。現在の滝がある位置は、約1万2000年前に滝が浸食され始めてから10キロ以上上流に移動している。

「滝の上を流れる水の量が大幅に減少すると、滝の浸食速度も遅くなります」と、マクファーレーン氏は説明する。つまり、現在の滝の形を保ちたいなら、流れを緩やかにするのが最善策だという。

アメリカ滝の水を止めてはみたものの

 1960年代半ばになると、今度はアメリカ滝で浸食の問題が深刻化した。また、カナダ側にカジノや遊園地ができたことで、観光客はカナダに奪われていた。

 そこで米国政府は、カナダ滝のように全面的な“フェイスリフト”をアメリカ滝に施すことにした。その間、一時的に滝の水をなくしたら、観光客もいつもとは違う光景に興味を持って来てくれるのではという期待もあった。

 1969年、ニューヨーク州バッファロー地区の陸軍工兵隊はまず、ナイアガラ川に囲い堰を建造し、川の水をすべてカナダ側に迂回させた。滝の表面から岩石コアを採取し、地質学者が分析した。また亀裂に染料を流し、それがどこから流れ出るかを調べた。

 すると、岩石が頻繁に崩落するのは、滝のへりのロックポートドロマイト(苦灰岩)層に水がしみ込んで、その下にある柔らかいロチェスターシェール(頁岩)層を浸食しているせいだと分かった。工事中は、常時スプリンクラーを使用して脆い岩の乾燥と亀裂を防ぎ、伸縮計を使って岩石の動きを計測した。

 次に、アメリカ滝の美化と、崩落を防ぐ補強工事の計画を立てることになった。詳しい地形を調べるために川底の塵を除去した後、町の一区画ほどの大きさの滝のモデルを作り、滝の下に積みあがった岩石の配置を変えて、どのような外観にするか検討した。ケーブルを使って滝の表面を補強する案も出された。

 その後、1974年にナイアガラの滝を管理する米国とカナダの合同委員会が最終報告を公表し、米国民に対してアンケートが実施された。アンケートでは、滝の下に積みあがった岩石をすべて取り除く、岩石を積む、水量を増加させるなどいくつかの選択肢を提示し、どれか良いと思うものを選んでもらった。

 ところが、最終的な判断を任された専門家会議が全員一致で下した決定は、結局「何もしない」だった。岩石の積み直しも、コンクリート補強も、ケーブルでの安定化作業も、すべて却下された。滝を現在の状態にした自然の浸食をそのまま受け入れるべきであるというのが、報告書の結論だった

 何もしないという決定に「不満を持った人々はいたはずです」と、当時工兵隊に所属していたチャールズ・チェルネンチ氏は言う。「上層部は工事をしたがっていたと思います。陸軍工兵隊がナイアガラの滝の修繕に成功したとなれば、きっと大きな功績になったはずですから」

文=CHRISTIAN ELLIOTT/訳=荒井ハンナ

https://news.yahoo.co.jp/articles/75b7384c754e5fba9a44877c06ebf52905b7ea38


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57歳マイク・タイソン、大切な左胸にまさかの新タトゥー、そのデザインにファン感涙

2023-12-08 | 先住民族関連

イーファイト12/8(金) 4:50配信

マイク・タイソン(Photo=Naoki Fukuda)

 ボクシング元世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(57=米国)が7日に自身のSNSにて、なんと左胸に新しいタトゥーを入れる動画を公開したが、その驚きのデザインにファンは感涙した。

【フォト&動画】57歳タイソンが胸に驚きのタトゥー!そのデザインとは...

 タトゥー愛好家でも知られるタイソン。その鍛え上げた肉体には現役時代から多くのタトゥーを入れており、左脇腹には彼が尊敬するキューバの革命家チェ・ゲバラや右腕には中国指導者の毛沢東などが施され、中でも有名なのが、ニュージーランドの先住民マオリ族のシンボルをイメージした顔のタトゥーだ。

 そのタイソンが心臓の位置にある大切な左胸に最新のタトゥーを施したが、そのデザインは亡くなった娘エクソダスちゃんの肖像画だったのだ。

 エクソダスちゃんはタイソンの実の娘。当時4歳だった2009年、自宅のランニングマシンのコードが首に巻き付いた状態で発見され、病院に搬送後、他界した。事件性はなく、遊んでいた際にコードが首に引っかかったと言われており、この訃報は世界中で報じられた。

 映像でタイソンは今回、エクソダスちゃんの肖像画を入れた理由を語っていないが、愛する彼女を一生忘れないという想いからだろう。

 投稿には「今まで見たタトゥーの中で最高に美しい」「言葉にならない」「美しい肖像画だ」と、多くの感動する言葉が寄せられた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/30e5b278c5d22af0b01dc0ac87c5dc65753e7d79


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「先住民虐殺」、「感染症の持ち込み」…コロンブスがアメリカ大陸で引き起こした「人類史上稀にみる悲劇」の「本当の中身」

2023-12-08 | 先住民族関連

現代ビジネス12/7(木) 7:03配信

コロンブスのアメリカ大陸への上陸は、

侵略と先住民虐殺・虐待の先駆となり、さまざまな悲劇の始まりとなりました。 「コロンブスの交換」と言われるきわめて不均衡かつ不平等な交流はいったいどんなものだったのか。そして、世界史をどのように変えていったのか。

【画像】日本人が知っている「世界四大文明」は欧米では通じない!

 【※本記事は、青山和夫編『古代アメリカ文明  マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』(12月14日発売)から抜粋・編集したものです。】

世界の生態系までも大きく変えた

コロンブス(GettyImages)

 さて、コロンブスのカッコつきの「発見」は、世界史のきわめて大きな転換点であった。

 コロンブスは、アメリカ大陸侵略と先住民虐殺・虐待の先駆となった。その後ヨーロッパ列強は、アメリカ大陸だけでなく、アフリカ、アジアやオセアニアの侵略・植民地化を推し進め、経済的搾取、政治的支配や深刻な文化変容をもたらした。

 ヨーロッパ人の大航海と植民地支配によって、旧大陸とアメリカ大陸の間で人間(植民者や奴隷など)、食物、動植物、物質文化や思想だけでなく、病原体のウイルスや細菌などがグローバルに行き交うようになった。

 それはヨーロッパ人の都合を優先した、きわめて不均衡かつ不平等な交流であった。教科書には「コロンブスの交換」と紹介されるが、決して平等な「交換」ではなかった。その結果、世界の社会、文化、農業、生態系が大きく変わった。

 コロンブスのいわゆる「発見」は、先住民には人類史上稀にみる悲劇の始まりを意味した。先住民の都市や町は、スペイン人によって破壊され、富や土地が略奪された。

 スペイン人が家畜を連れて植民すると、新たな感染症(天然痘、はしか、水疱瘡、チフス、ジフテリア、ペスト、おたふく風邪、百日咳、マラリア、新種のインフルエンザなど)が持ち込まれた。

 感染症は免疫力のない先住民の間で大流行した。数多くの先住民が戦死ではなく、「目に見えない敵」によって病死した。

 さらにスペイン人による大量虐殺、過酷な強制労働や虐待などによって先住民人口は激減し、17世紀には10分の1以下になった。

 その後、人口は回復していったが、先住民は植民地社会の最底辺に置かれ、服従と搾取を強いられつづけた。

 *

 ヨーロッパ人「発見」以前の新大陸の歴史を私たちは軽んじていないか? 

 人類史の常識に再考を迫る最新知見がおもしろい! 

 「多くの人が生贄になった!?」「大河の流域でないと文明は生まれない!?」「 無文字社会にリテラシーは関係ない!?」「 王は絶対的な支配者だった!?」

 ――「常識」の嘘を明らかにし、文明が生まれる条件を考える、青山和夫編『古代アメリカ文明  マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像』は12月14日発売です! 

青山 和夫(茨城大学教授)

https://news.yahoo.co.jp/articles/9e08a9503cb8a5a866bf0a6b4f8ac47741a4e699


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《マスイユウのファッションロードトリップ》24年春夏タイペイ・ファッション・ウィーク㊤

2023-12-08 | 先住民族関連

繊研新聞社2023/12/07 15:00 更新会員限定NEW!

 パンデミック(世界的大流行)前のようにパリ・コレが終わるとアジアにランウェーが移った。10月11~22日(実際には17日までは連日で22日は飛び石、さらに11月14日にショーも)、台北でタイペイ・ファッション・ウィーク(TPEFW)が開催された。メイン会場となったのは引き続き松山文創園区。ランウェースペース、クラフトコラボ、卒コレコンペ、そして紡拓会による展示会と四つのホールを使用、前回よりも規模が若干大きくなったように思えた。

(ライター・益井祐)

 毎シーズン、TPEFWはテーマを掲げており、それが反映されたのがオープニングショーだ。23年春夏の台湾先住民、23年秋冬の伝統工芸士に続き、今回はユースカルチャーだった。

 「ア/クリプシス」と「.67アロー」は若いダンサーを起用した。「プラトゥ」はガーメントにライブスプレーペイントを施し、ストリートアートを落とし込んだ。また「ジャスティンXX」はAI(人工知能)との会話の中で生み出した、架空の漫画家Yue-Wanとその作品「獣鎖精神病院」をコレクションに仕立てた。

 もう一つの企画ショーはコンテンポラリーアルティザンとのコラボレーションだ。パンデミック前はロンドンで作品を発表していた「ジェイミー・ウェイ・ハン」はメタルクラフトを取り入れた。また「シャオ・イェン」はストーンアート、実際に小さなパネルにした石でベストを飾り、その風合いやボリュームをポンポンのようなドレスで表現した。

この記事は無料会員限定記事です。

https://senken.co.jp/posts/masuiyu-taipeifw-231207


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【オーストラリア】HIS、豪政府観光局と観光促進で業務提携

2023-12-08 | 先住民族関連

NNA12/7(木) 11:30配信

 エイチ・アイ・エス(HIS)は5日、オーストラリア政府観光局とオーストラリアへの観光促進で業務提携を締結したことを発表した。新型コロナウイルス流行前は日本から年間約50万人がオーストラリアを訪れており、今回の提携によって日本人訪問者数の回復を目指す。

 オーストラリアと日本の時差は少なく、壮大な自然や文化を堪能できることから、オーストラリアは日本人の幅広い年齢層にとって魅力的な旅行先となっている。直近では羽田―ケアンズ便が就航するなど、渡航しやすい環境が整ったことから、ケアンズを訪問する同社顧客の日本人観光客は新型コロナ前の水準まで回復してきているという。

 今回の業務提携では、ケアンズだけでなくオーストラリア全域への旅行者を増加させ、より良い旅行環境を提供することを目的としている。

 オーストラリア政府観光局のハリソン総局長は、「日本はオーストラリアの観光産業にとって重要な市場。世界クラスの体験を継続して紹介していく」と述べた。

 HISで個人旅行営業本部長を務める有田浩三氏は、「オーストラリアの先住民の文化や大自然などをプロモーションし、誘客の促進につなげていく」と説明した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d1492177300cbadc95d83ad4ec2b5e9355858687


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週末いきたい 年内に閉幕する美術展・展覧会 7エリア(東京、関西、東北、関東・甲信越、東海・北陸、中国・四国、九州)ごとに紹介(一部抜粋)

2023-12-08 | 先住民族関連

美術展ナビ2023.12.07

・・・・・・・・

関西

◇12月10日(日)~12日(火)閉幕

【12日】カナダ北西海岸先住民のアート――スクリーン版画の世界 (大阪・国立民族学博物館)

・・・・・・・

https://artexhibition.jp/topics/news/20231207-AEJ1735000/


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