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アイヌ語教室 万感の150回 岩見沢の杉山さん指導、1月7日で終了 生徒の泉さん引き継ぐ

2023-12-28 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2023年12月27日 18:50

アイヌ語教室を150回続ける杉山さん(左)と、教室を引き継ぐ泉さん

 【岩見沢】市内の元高校教諭・杉山四郎さん(76)が、2011年から自宅で続ける無償のアイヌ語教室が来年1月7日で150回目を迎える。杉山さんは節目となる今回で教室を終える予定で「学びたい人がいるから続けてこられた」と話す。杉山さんの教室に通っていた元道職員の泉裕さん(54)が22年から市内でアイヌ語教室を開いており、杉山さんの生徒は泉さんの教室に引き継ぐ。

 高校の社会科教諭だった杉山さんは、芦別に赴任した約40年前に産炭地の歴史を調べる中で、アイヌ民族の歴史に興味を持ち研究を始めた。定年まで勤務した苫小牧では、地元のアイヌ協会が主催する教室に8年ほど通い、本格的にアイヌ語を習得した。

 退職後に自宅のある岩見沢に戻ると、近所の女性から「アイヌ語を教えて」と頼まれ、教室を開くように。17年に悪性リンパ腫の治療のため半年ほど教室を中断したが、それ以外は続けてきた。これまでに20人弱が杉山さんの自宅でアイヌ語やアイヌ文化を勉強。現在の生徒は5人で、1回目から参加し続ける人もいる。

 杉山さんは「もう十分やり切った」と話し、150回を節目に教室を終える。生徒の一人が「アイヌ文化はすばらしいね」と言ったことがうれしかったといい、「アイヌ民族への理解を広められた。続けてきてよかった」とほほえむ。

 ・・・・・・

次回は1月6日午前9時半~正午、いわなびで。受講料は中学生以上1人千円(半年)。小学生以下無料。問い合わせは泉さん、電話090・3772・8160へ。(高木緑)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/958252/


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<哲さんと行く 北の山旅>芽室岳(1754㍍)楽あれば苦あり⁈ 台風被害から復旧した北日高の名峰へ

2023-12-28 | アイヌ民族関連

北海道新聞2023年12月27日 10:00

 険しい稜線と山深さ、そして今なお登山道の整備されていない山が多い日高山脈。特にカムイエクウチカウシ山(1979㍍)やペテガリ岳(1736㍍)をはじめとする主稜線上の山は、体力的にも技術的にも決して簡単とはいえず、ハードルの高さを感じている人も少なくないでしょう。

 そんななか芽室岳は、主稜線上にありながらアプローチが簡単で、登山道の状況も比較的良好。日高山脈の中では登りやすい山といえます。2016年の台風によって林道や登山口周辺が大きな被害を受けましたが、関係機関やボランティアらの尽力によって、ほぼかつての状況にまで復旧しました。今回は感謝の気持ちを込め、状況を確かめるべく訪れてみました。

<祝・復旧 想像以上の人気にびっくり>

 「よく晴れてますね」「今日は一日大丈夫でしょう」。日勝峠を越えながら同行者の山脇景子さん(58)と話します。実はこの5日前、微妙な予報のなか登山口まで行ったのですが、大木をも揺らす爆風と断続的な強い雨に車を降りるまでもなく中止。かろうじてピークの見えていた近くの剣山に予定を変えたのでした(その模様はまたの機会に)。

 その後も天気予報サイト「Windy」をチェックし続け、広範囲で雲の消えたこの日、リベンジにやってきた、というわけです。今回は山脇さんの学生時代のスキー部の先輩にして山仲間の柳瀬ひろしさん(67)もご一緒します。

 清水町の町営牧場を抜け、両側から迫る山に吸い込まれるように登山口へと続くオマベツ林道に入ります。このあたりは前述の台風の翌年に様子を見に来ましたが、徒歩でも通行困難なほど崩壊し、絶望的な気分になったものです。あれから6年、道はきれいに直され、また崩壊地には若木も育って、言われなければ分からないほどに復旧していました。

 登山口に到着したのは午前7時。15台ほど止められそうな駐車場は、残り2、3台分しか空いていません。登山靴に履き替える間にも、後続車がやってきます。皆、復旧を待ちわびていたのでしょうか。人気のほどがうかがえます。

 準備が整ったところでさっそく出発です。つい1週間ほど前に架けられたという鉄製の新しい橋で芽室川を渡り、河原を少し歩いて登山道に取り付きます。アカエゾマツの植林帯から針広混交の森に入ると、徐々に斜度が増してきました。足元にはまだ香りが漂ってきそうな刈ったばかりのササの葉。有志の方々によるものと思いますが、ありがたいことです。

 道は多少の緩急はあるものの、基本的に急な直登が続きます。キツイといえばキツイですが、こうした道は高度の上がるペースも早く、出発時に見上げていた周囲の山々が気づけば肩を並べるまでになっています。

 標高1200㍍を過ぎたあたりでいったん傾斜が緩み、歩きやすい尾根道になりました。左前方には目指す芽室岳が見えています。「まだ遠そうですね」と山脇さん。しばらく進むと今度は右手に芽室岳西峰(1746㍍)も現れました。

 地図を見ると、この先稜線に向けて再び急登が待っています。ちょうどよい小広場を見つけたところでひと休み。汗をかいた背中に吹き抜ける風が心地よい―と言いたいところですが、秋も深まったこの時期はもう寒く、一枚羽織らないと身体が冷えてきます。先ほどから足元には霜柱も見られ、実際、気温も低いのでしょう。

 息が整ったところで標高差200㍍ほどを登り切り、1690㍍標高点下、芽室岳と西峰の分岐に着きました。少し進んだところで、先行する柳瀬さんが足を止め「おぉ~、これは!」と声を上げます。急いで追いつくとそれまで見えなかった南側の展望が一気に開けていました。襟裳岬に端を発する長い長い日高山脈の主稜線。簡単には人を寄せ付けない道なき山並みを、せめて目だけでもとたどってみます。

 周囲はハイマツ帯ということもあり、目前の山頂までは登るほどに展望が広がっていきます。振り返ると夕張岳や芦別岳、さらに札幌近郊の山々までも。10時15分、テンション最高潮のまま芽室岳に到着。すでに多くの先行者が写真を撮ったり岩陰でくつろいだり、思い思いに秋の山頂を楽しんでいました。

<これぞ日高の稜線 芽室岳西峰へ>

 15分ほど休んだ後、もう一つのピーク、西峰へ向かいます。実は以前から西峰への道はササやブッシュが濃い悪路で知られ、最近のネット情報を見ても変わりはない模様。状況はある程度予想はつきますが、日高山脈初体験の山脇さんは少々不安な表情です。「まぁ、多くの人が歩いていますから」と適当にごまかし、1690㍍分岐を西へ。

 しばらくは足元に枝がはびこって歩きにくいハイマツ帯を進みます。とはいえ、まだどうってことはありません。やがてあん部に向けて下りに入ると、道は尾根上から右側の斜面に移り、積雪でひん曲がった低木が行く手を遮り始めました。手にしたストックがあちこち引っかかりどうにも邪魔。不安定な姿勢でザックにしまいます。

 やがて低木は斜面下側に向かってわん曲したササへと変わりました。踏みつけるように進みますが、これがやたらと滑ります! 両手でササをつかみ、時に足元をすくわれながら横歩きでズルズル。このとき山脇さんの頭の中には「インディ・ジョーンズ」のテーマが流れていたとか…。

 もっとも本当に厳しい部分は距離にして150~200㍍ほど。あん部からはハイマツの急な道となり、これを登りきって西峰の頂上に飛び出しました。こちらもまた本峰に引けを取らない素晴らしい展望です。特に芽室岳からは見えにくかった幌尻岳(2052㍍)が印象的。遠く冠雪した大雪山系も見えました。

 ところで、西峰は別名パンケヌーシ岳と呼ばれています。アイヌ語でパンケは「下流の」、ヌー・ウシは「豊漁の」を意味すると言われ、沙流川支流のパンケヌーシ川水源にあたることにちなみます。少し離れたところには、より上流の支流水源にあたるペンケヌーシ岳があり、ここからもその姿がよく見えます。台風で林道が壊滅的に崩壊し、登れなくなってしまいましたが、日高らしさがコンパクトにまとまった楽しい山でした。

 風のやんだ山頂でのんびり弁当を食べながらも、話題は先のブッシュ帯に戻ります。「想定外だったよ」と柳瀬さんが言えば、「いい経験でした」と山脇さん。短い距離とはいえ、二つのピークを結んでの〝主稜線縦走〟です。きっといい思い出になることでしょう。

 1時間ほどくつろいで下山することにしました。またあそこを通るのかと思うと気が重くなりますが、すでに様子は分かっています。なんとなくコツもつかみ、まずまずすんなりと通過。午後になって光の具合が変わったのか、ダケカンバの紅葉がひときわ輝いて見える尾根道をとんとん拍子で下りました。

 登山口に戻ったのは午後3時少し前。ひと風呂浴びたいところですが、このあたりは近くに適当な温泉がありません。残念ですが今回は我慢し、日勝峠途中のドライブインでジュースを買って帰途に付きました。

<登山メモ>

アクセス:マイカーに限られる。道東道十勝清水ICから道道清水大樹線、さらに十勝千年の森前を通って登山口へ通じるオマベツ林道へ。清水ICから約16㌔で登山口。15台程度駐車可能。簡易トイレあり。林道途中のゲート(無施錠)は、通過後に閉めておくこと。

 参考コースタイム:登山口(2時間30分)1690㍍分岐(30分)芽室岳(20分)1690㍍分岐(50分)西峰(40分)1690㍍分岐(1時間50分)登山口 計6時間40分

山行アドバイス:全般に急登が続き、時期によってはややササが被っているかもしれないが、芽室岳往復だけなら特に危険な箇所はなく、また十分に満足もできる。西峰は本文で触れた通りの悪路なので、行くか否かは各自判断のうえ決定を。

取材日:2023年10月8日

<文と写真>長谷川哲(はせがわ・てつ)

1964年長野県生まれ。山と溪谷社で「山と溪谷」「Outdoor」などの雑誌編集部に携わったのち、北海道に移住、フリーライターとなる。2014年より「夏山ガイド」(北海道新聞社)シリーズの取材・執筆陣に加わり、道内各地の山を歩いている。ただ今、来春の第6巻「道東・道北・増毛の山々」改訂に向けてデスクワーク奮闘中。

※<哲さんと行く 北の山旅>は、しばらく休載します。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/950074/


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止まらない杉田議員のアイヌ民族への“人権侵犯”「もはや自民党の責任」と専門家指摘

2023-12-28 | アイヌ民族関連

女性自身2023/12/28 06:00 最終更新日:2023/12/28 06:00

〈アイヌ民族衣装の着用を蔑んだり、揶揄する投稿に大きな怒りを覚えると同時に、同胞の失望と悲しみを思うとき胸が張り裂ける思いです。こうした発言は、アイヌの尊厳を著しく傷つけられるものであり、強く批判の意を表します〉

北海道アイヌ協会の大川勝理事は12月20日、協会のホームページで繰り返しアイヌ民族への差別的発言を行ってきた自民党の杉田水脈衆議院議員(56)に対して、上記のような怒りと悲しみを表明した。

杉田氏は落選中の2016年、自身が参加した国連の女性差別撤廃委員会について記したブログ記事で、〈チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場〉〈存在だけで日本国の恥さらし〉などと、在日コリアンやアイヌ民族を侮辱するような記述を行っていた。この件をめぐっては今年9月、札幌法務局が“人権侵犯”と認定したことは記憶に新しい。

しかし杉田議員は、反省するどころか自身のX(旧ツイッター)で、〈人権侵犯の対象となったブログはアイヌ民族について書いたものでない。女子差別撤廃委員会に参加していた左派の活動家について書いたもの〉とまで言及。 

その後も、政府のアイヌ文化関連事業の関係者に対し、〈公金チューチュー〉と侮辱的な発言をしたり、〈(アイヌの)踊りを海外で踊るだけでお金が出る〉などと揶揄するネット言論人のYouTube番組を、自身のXで投稿。 

さらに、自身のYouTube動画でも、〈逆差別、エセ、そしてそれに伴う利権差別を利用して日本を貶める人たちがいます〉〈差別がなくなっては困る人たちと戦ってきました〉などと投稿を続けている。 

「〈アイヌ民族のコスプレ〉なる表現は、アイヌ民族を辱めるものであって、たんなる誹謗中傷よりも、かなり雑な“差別・偏見”だと思います」 

そう指摘するのは、差別問題について取材を続けているノンフィクションライターの安田浩一さんだ。 

「〈アイヌを名乗ればさまざまな優遇政策がある〉〈アイヌ民族なんてそもそも存在しない〉などという認識を持った人たちが一部にいますが、“アイヌ民族”が歴史的に存在していることは日本政府が認めているわけです。

 さらに遡れば、先住民としてアイヌ民族が差別・搾取されてきた歴史があり、それを踏まえて成立したアイヌ施策推進法などを根拠に、さまざまな支援策が実施されるのは当然のこと。にもかかわらず、アイヌ民族の存在まで否定するのは差別や偏見以外の何ものでもありません」

■差別を正当化するために“特権”を生み出した

 杉田氏は、アイヌ協会が助成事業を不正に使用しているとして、〈公金チューチュー〉などと発言しているが、内閣府は「過去に一部、不適切な事業執行があった」とは認めたうえで、「再発防止策を講じた。現在、不正はない」と見解を示している。

 「そもそも、不正の問題と民族の問題は分けて語られるべきです」(安田さん、以下同)

 歴史的に虐げられてきたアイヌ民族への福祉政策として、生活困窮者への学費や生活に関する支援制度は存在する。しかし、それらはアイヌ民族というだけで支給されるものではなく、あくまでも困窮者への支援だ。

 「アイヌであるだけで、さも何か優越的な権利が自動的に発生するなんてことは存在しません。ありもしないデマを流布させることによって、アイヌに対する差別を正当化させているにすぎません。

 いかにして、差別を差別でないと言い張ることができるのか。そのために、“アイヌの特権”あるいは“在日コリアンの特権”というものが生まれてきた、僕はそのように思っています」

 大きな問題は、こうしたデマを振りまいて社会を先導しているひとりが、国会議員の杉田水脈氏であるという点だ。なぜ、議員でありながら、差別を助長する発言を続けるのか。

 「一定の“お客さん”がつくからでしょう。つまり、それが票に結びつくと思っている議員もいるのです。むしろ自民党が、杉田さんのような議員を利用してきたことが問題です」

 加えて日本では、こうした差別発言に関してなんら罰則がないことも問題だという。

 「2016年にヘイトスピーチ解消法が成立しました。同法ではヘイトスピーチをなくすための努力義務が設けられていますが、罰則規定はありません。罰則がないから何を言ってもいいと考えている人は議員の中にも少なからずいると感じます」

マイノリティの権利を“逆差別”“特権”などと言って迫害する社会が助長されれば、やがてそれは自身の身にも降りかかってくるのだ。

https://jisin.jp/domestic/2278432/


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杉田水脈議員が拡散!「在日特権てマジであるの?」専門家はデマと断言

2023-12-28 | アイヌ民族関連

女性自身2023/12/28 06:00 最終更新日:2023/12/28 06:00

何となくネットをやっていたら目にすることがある“在日特権”という言葉。「あの評論家が言っているから」「国会議員も言っているから」と、素朴に信じている人もいるのでは?

実際のところを、長年、この問題を取材してきた識者に聞いた。

これまでも、SNSやブログで差別的な発言を繰り返してきた杉田水脈衆議院議員(56)。杉田氏は2016年、自身が国連の女性差別撤廃委員会に参加したことを記すブログ記事の中で、〈チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場〉〈存在だけで日本国の恥さらし〉などと、在日コリアン女性を侮辱するような記述を行っていた。この件をめぐって今年11月、大阪法務局が“人権侵犯”と認定したことは記憶に新しい。

にもかかわらず杉田議員は、その後も自身のYouTubeで〈逆差別、エセ、そしてそれに伴う利権差別を利用して日本を貶める人たちがいます〉〈差別がなくなっては困る人たちと戦ってきました〉などと言及。SNSでも、ネットの保守系言論人の動画を引用しつつ〈差別にかかわる特権は存在する〉と繰り返しているのだ。

“在日特権”とは、日本人以上に優遇された権利を有する外国人(ここでは在日韓国・朝鮮人)という意味だ。

■「ネッシーやツチノコと同じ“都市伝説”」

差別問題について取材を続けているノンフィクションライターの安田浩一さんは、開口一番、こう一蹴する。

「ネット上で流布されている“在日特権”と呼ばれるものに関して、私はこれまで散々取材してきました。しかし、どれもネッシーやツチノコなどと同様に、すべて“都市伝説”レベル。デマにすぎません。にもかかわらず国会議員である杉田氏が、こうしたデマをSNSなどで発信し続けていることに驚きを隠せません」

そもそも、“在日特権”の中身は、具体的にどんなものなのかーー。安田さんは、こう続ける。

「よく言われているもののひとつに、〈生活保護を受けやすい〉という言説があります。私は何度も、厚生労働省や社会保険事務所、ケースワーカーなどに取材しましたが、どこに聞いても“在日コリアン”であることが支給開始の条件ではないと否定されました。

受給資格を満たしているかどうかが大事なのであって、国籍うんぬんではないのです。実際に調べればすぐにわかることですが、生活保護を受給している9割以上が日本国籍です」

加えて、〈在日朝鮮人だけに“通名”が認められている〉という言説もある。

「“通名”は、在日コリアンだけでなく、すべての外国人に認められています。ただ、在日コリアンののなかで“通名”を使っている人が多いのは事実です。その背景には“差別”や“偏見”が蔓延している日本社会において、民族名を名乗ることを躊躇させている、という側面があることを忘れてはならないでしょう」

■差別を放置し続ける自民党は罪深い

このほか、〈年金を支払っていなくても受給している〉という言説も……。

「前提として、在日コリアンが国民年金に加入できたのは1982年から。この時点で60歳を超えていた人は救済の対象になりませんでした。

こうした経緯もあって、無年金でかつ生活基盤の脆弱な高齢の在日コリアンに対して各自治体が福祉給付金を支給していたということはあります。しかし、そもそも年金に加入できなかった時期が長いのですから、こうした措置は当然ではないでしょうか」

安田さんは、「常識で考えれば、日本に住む日本国籍の日本人以上に優越的な権利を持った外国人などいないことはわかるはず」としたうえで、「あえて特権を持っている外国人を挙げるなら、それはむしろ多額の思いやり予算(在日米軍駐留経費負担)などによって優越的権利を持っている“在日米軍”では」と指摘する。

このような、ありもしない“在日特権”というレッテル張りを行った差別は、いつ頃から始まったのか。

「私は“今世紀型”の差別だと思っています。“逆差別”とか“利権”などというレッテルをマイノリティの人たちに貼ることで当事者を非難し、その声や存在を封じ込めるやり方です。

〈マイノリティが差別を主張することで不当な利権を得ている〉とありもしないことを訴えてマジョリティの不安を煽る。これは、今の日本社会における差別先導の典型例だと感じています」

大きな問題は、こうしたデマを拡散して社会を先導しているひとりが、国会議員の杉田水脈氏であるという点だろう。

「これは杉田議員自身というよりも、自民党の問題だと思います。差別をしたい人々、あるいは差別を正当化したい人々のマーケットを確保するための道具として、自民党は杉田議員を利用してきたのではないでしょうか。

だからこそ、さまざまな差別発言を繰り返しながらも要職に付けてきたのです。杉田さんは、“自民党らしさ”を象徴している存在だと感じています」

“在日特権”などというデマに煽られている間に、本来、目を向けるべき問題の本質から目を逸らされている可能性もあるのだ。

https://jisin.jp/domestic/2278426/


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アイヌ民族の神聖な儀式!イオマンテとは何なのか?

2023-12-28 | アイヌ民族関連

ナゾロジー2023.12.28 THURSDAY

漫画「ゴールデンカムイ」などで取り上げられていることもあり、近年注目を集めているアイヌ民族ですが、独自の風習が多くありました。

その中でも有名なのが「イオマンテ」であり、先述した「ゴールデンカムイ」の作中にも登場していましたが、果たしてイオマンテとはどのような風習なのでしょうか?

本記事ではイオマンテについて紹介しつつ、それが行われていた理由について取り上げていきます。

なおこの研究は『昭和女子大学大学院生活機構研究科紀要 』に詳細が書かれています。

ヒグマは神の化身、狩猟で捕獲したら神に感謝する

アイヌ民族は主にアニミズムを信仰しており、とりわけ彼らが狩猟の対象としている動物を神聖視していました。

特にヒグマは「山の神」であるキムンカムイとして崇められており、「神が肉と毛皮を携えて人間界に現れた姿」として捉えていたのです。

そのため普段の狩猟でヒグマを手に入れた際は、「自分を選んで現世にやってきたこと」に感謝の祈りを捧げ、頭骨に飾りをつけて祀っていたのです。

一方で、ヒグマだったら無条件で祀っていたわけではなく、例えば人間を傷つけたヒグマは悪い神と見なされました。

そのため狩猟の際にヒグマによって仲間が重傷を負った場合は頭骨を祀らず、逆に人間を殺したヒグマを捕まえた際は切り刻んでそのまま放置し、肉や毛皮を利用することはありませんでした。

一定期間愛情をこめて育てたヒグマを盛大に見送るイオマンテ

日本画家・村瀬義徳による「アイヌ熊祭屏風」、イオマンテでヒグマに矢を射ている場面である / credit:wikipedia

またアイヌ民族は狩猟で捕まえたヒグマを感謝してすぐ使うだけでなく、「イオマンテ」という儀式に使うこともありました。

イオマンテはヒグマの子どもを一定期間育てた後に食べる儀式であり、アイヌ民族では重要視されていました。

それではイオマンテはどのような流れで行われたのでしょうか?

イオマンテの始まりは冬の終わりに冬眠中のヒグマを狩るところから始まります。

冬眠中のヒグマを狩った際、穴の中に小熊がいた場合、その子熊は殺さずに集落に連れて帰って育てます

なお母熊は通常の狩猟と同じように殺し、その後感謝の祈りを捧げます。

小熊ははじめ家の中で育て、大きくなると屋外の檻に移し、贅沢な食事を与えます。

また小熊がかなり小さい場合は、人間の赤ん坊と同じように母乳を与えることさえありました

一定期間の育成後、集落で盛大な送り儀式が行われ、そこでヒグマは殺されることになります。

儀式が行われる祭壇には宝刀や弓矢などが飾られ、ヒグマに酒が供えられます。

そこでヒグマに矢を射って、最終的には丸太で首を挟んだのです

なおヒグマの命を最終的に奪うのが「弓矢で射抜く」「棒で首を挟む」のどちらの方法になるかはアイヌ民族内でも地域によって分かれています。

しかし弓矢で射抜いて殺す地域でも棒で首を挟む儀式は行われており、逆に棒で首を挟んで殺す地域でも弓矢を射抜く儀式が行われていることから、双方ともにイオマンテでは不可欠な儀式であることが窺えます。

そして殺したヒグマは解体し、集落の仲間全員に肉を分け与えました。

このような儀式を行っていた理由としては、ヒグマを神聖視していたことがあります。

先述したようにアイヌ民族はヒグマを「神が肉と毛皮を携えて人間界に現れた姿」として捉えており、ヒグマを育てることはまさに神に対するおもてなしと考えていました。

一定期間もてなしをした後盛大な「見送り」を行ってカムイを神々の世界に帰すことで、地上のすばらしさを知った神々が人間界に多く訪れてくれると考えられたのです。

クマだけでなく、フクロウやシャチでも行われたイオマンテ

イオマンテが行われたのは何もヒグマだけではなく、クマ以外の動物にも行われていました。

例えば、白い犬を狼神の子孫とみなして送る地域や、フクロウを送る風習がある地域が報告されています。

これらの儀式においても、「送る」という行為には動物によって差があり、それはアイヌの信じる神との関係に影響されています。

特にフクロウは集落の守り神として捉えられていたこともあり、ヒグマのイオマンテと同等に重要視されている地域もありました。

またイオマンテが行われていたのは陸上の動物だけではなく、ウミガメやシャチに対して行っていた地域もありました。

特にシャチは、襲ったクジラが海岸に打ち付けられることから、アイヌ民族はシャチを「巨大な肉の塊を人間にプレゼントしてくれる偉い神」であると認識していたのです。

それ故沖の神(レプンカムイ)としてヒグマと同じくらい神聖視しており、ヒグマと時のように盛大に見送りの儀式は行わなかったものの、イオマンテが行われていました。

アイヌの文化において、自然との調和や感謝の念が儀式を通じて表現され、その儀礼がコミュニティ全体で共有されていたことが窺えます。

https://nazology.net/archives/139447


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鈴木知事インタビュー  2023年を振り返る  目指す北海道は【全文掲載】

2023-12-28 | アイヌ民族関連

NHK2023年12月27日(水)午後1時30分 更新

ことし4月の知事選挙で2期目に入った鈴木知事。この1年は、Rapidus(ラピダス)の進出などで道央圏を中心に企業の誘致が相次ぐ一方で、深刻な人口減少や地域の衰退によるさまざまな課題にも直面しました。知事はどのように受け止め、そして来年以降、どんな北海道を目指すのでしょうか。(聞き手:道庁キャップ  桜田拓弥)

ーーーことしはコロナの5類相当への移行、Rapidusの千歳への進出、知事選など、さまざまな出来事がありました。この1年、どう振り返りますか?

いろいろな動きがあった1年だったなと振り返っています。新型コロナウイルスの対応も5類に移行して、初めての年末年始で、多くの方が集まって年を越されるという時間を過ごすのも久しぶりだなという方も多いんじゃないかなと思っています。

これから年が明けたら、大雪像を作った雪まつりもフルスペックで行われますし、そういった意味では、経済も活性化する中で、大きな節目を迎えた年だったなと思っています。3年以上の長きにわたって、道民の皆さんに感染対策、本当にお力添えいただきました。本当に皆さんに感謝を申し上げたいと思います。

ただ、今、冬に入って空気も乾燥していますし、コロナだけではなくて、体調を崩される方も多くなってきています。引き続き医療従事者の皆様が年末年始もご対応いただいているところもありますので、ぜひ、体調管理には、皆様ご注意いただいて、楽しい年末年始を過ごしていただければなと思います。

北海道もコロナだけではなくて、さまざま動きがありました。G7の環境大臣会合も、選挙直後にありました。「Team Sapporo-Hokkaido」ということで、今後、官民あわせて10年間で150兆の投資を創出すると政府が言っている中で、できるだけ多く、再エネのポテンシャルが高い北海道で、投資を獲得していきたいという動きにG7を契機につながりましたし、洋上風力の関係も、5か所が有望な区域として指定されるなど具体的な動きにもつながりました。

9月にはアドベンチャートラベルワールドサミットがありました。自然だとか身体的体験、アクティビティー、そしてアイヌ、縄文などの異文化体験、こういった要素を複数持つ旅行形態ですけども、今、コロナの段階が変わって、世界からお客様をお迎えできるタイミングで開催できた。これはすごくうれしいことでした。アジア初の開催になりましたので、アドベンチャートラベルワールドサミットを契機に、さらに北海道の観光をより魅力的なものにしていきたいと思います。

また中国の輸入停止措置、水産物に対する動きがありましたが、全国豊かな海づくり大会北海道大会も天皇皇后両陛下のご臨席をあおいで、38年ぶりに開催されました。図らずも厳しい水産業を取り巻く環境がある中で、豊かな海を次の世代にしっかり引き継いでいこうという北海道の魅力を皆さんと共有して、大切な海を守っていこうという機会にもなったと思っています。

そしてなんと言っても、2月にはRapidusの進出表明、9月には起工式があって、かなりのスピードで建設工事が進んでいます。年末には、ソフトバンク社が600億を超える投資で、日本最大級のデータセンターを北海道に立地する。こういったデジタル関連の企業進出の動きが加速した1年でもあったと思っています。大きな動きがあった1年でしたので、この動きをさらに来年も加速していくことが求められるかなと思っています。

ーーーRapidusやソフトバンクのデータセンターが進出する中で、今懸念されているのが電力需給の問題です。Rapidusは洋上風力を中心とした再生可能エネルギーを活用する考えを示していますが、大量の電力を使用することから、北海道電力・泊原子力発電所の再稼働が必要との声が経済界などから聞かれます。知事は現時点で、再稼働は必要だと考えますか?やむを得ないと考えますか?それとも不要だと考えますか?

電力の問題と言うのは、暮らしで欠くことのできない基盤ですから、安定的に確保していかないといけないというのは重要な視点です。これは国としてしっかり確保していかなければいけないというのは、私が言うまでもないことだと思っています。しっかりその必要性については、知事として要請も行っているところです。

ただ、北海道の場合は、再生可能エネルギーのポテンシャルが我が国随一の中で、なかなかそのポテンシャルが発揮できなかったと。なぜかと言えば、道民が500万人しかいない。企業も大きく電力を消費するような企業の進出が相次ぐわけではなかった。その中で、電力は足りている。なので再生可能エネルギーがあったとしても、そこに投資して電気を生み出しても、使う人がいないので、なかなか進まないという「ニワトリ、タマゴ」の世界だったんですけども、私はそこで、本州は電気が足りないと言っているので、海底にケーブルを敷設すべきだと。電気を送るべきだという主張をしてきました。

これは政府が2030年度に海底に電力ケーブルを敷設して、北海道で余った分のエネルギーを本州に送っていきましょうという方針を決めましたので、先ほど申し上げたような洋上風力発電も具体的に進んでいけるような状況になりました。なので再エネのニーズというのは非常にあります。先ほどのデータセンターも、再エネ由来の電力を使ってやりたい。Rapidusもグリーン化ということで、再エネを使った調達でなければ、世界的な取引に支障が生じるということですので、しっかり進めていく必要があると思っています。

泊原発については、まさに規制委員会で審査が続いています。知事という立場で、最終的には議会や立地地域、周辺も含めた中で決定はしていきますけども、厳正な審査を行っているという状況でありますから、私としてコメントできる状況にはないかなと思っています。

ーーーいま深刻になっているのが、バスやタクシーの運転手不足です。観光地だけでなく、過疎地などでも移動手段の確保が課題となる中、政府は「ライドシェア」を、来年4月に一部で解禁する方針を示しました。道内では、観光地でも過疎地でも、移動手段の確保は課題となっていますが、知事として、ライドシェアの活用を具体的に検討していく考えはありますか?

ライドシェアについては、いわゆるフルパッケージという状況ではないわけですが、見直しの方向にはなっていますので、しっかり見ていきたいとは思ってます。交通手段が限られている地方、過疎地が、北海道には多いですから、まずは今回の国の方針を踏まえた中で、地域における調査を検討したいと思っています。ハイヤー協会や北海道運輸局とも調整しないとならないですが、国の新しい方針が出てきましたから。詳細はまだこれから詰めていくところはありますが、地域実情を確認する調査を行っていく必要性があるんじゃないかと思っています。いつ、どういう中身でやるかについてはここで申し上げることはできませんが、ハイヤー協会や北海道運輸局とも話をして、調査は検討していきたいなと思っています。

「ライドシェア」は一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶサービスで、政府はタクシー会社の管理のもとタクシーが不足している地域や時間帯などに限定して来年4月から導入する方針です。

ーーー今言及された「調査」とは、どのようなものをイメージしていますか?

今回、国が方針を示しましたので、例えば地域としてトライしていきたいとか、先進的な地域に対して、モデル的な事業を展開していこうか、とか。または、国の制度にあわせて、その時期を目指してうちはこういうことやっていきたいだとか、そういう実態をしっかり把握する必要があると思っています。交通手段が限られている地域は多いですし、今回、今までもやっていた、民間の有償での運送、一部NPOなどが行う手段についての見直しの話もあわせて出てきますから、実態を把握した上で、道としての政策全体の取り組み方を考えていきたいと思っています。

ーーー全179市町村に対して、意向があるかなどを確認する調査になるのでしょうか?

そうですね。今後、項目などは考えていきますが、いずれにしても地域でご検討されているかどうかを把握していきたいと思いますし、国が今回発表している内容についても、市町村それぞれの担当部署と情報を共有したいと思います。

ーーーことしクマの被害にあった人は全国で過去最悪となっています。道内でも、釣り客や登山中の大学生がクマに襲われて亡くなりました。札幌市内でも学校や住宅の近くで目撃情報が相次ぎ、不安の声が広がっています。道はこれまで保護に重点を置いてきましたが、駆除に積極的に取り組む時期に来ているのではないでしょうか?

来年は非常に重要なシーズンになると思っています。抜本的に強化、見直しをしていく、そういうタイミングになると思っています。ひとつは春期管理捕獲がありますけども、しっかり新たな制度を作った上で、市町村をしっかり支援していきたいと思ってます。また、指定管理鳥獣の話については、岩手の知事にも申し上げて、環境大臣に緊急の要請にも行きました。この指定管理鳥獣の見直しに対しては、当初はハードルが非常に高いと。なぜなら北海道や東北が中心の話であって、イノシシやシカの状況とは異なっているということから、全国一律の見直しという点で、課題があるというお話でした。そこで、私からも強く大臣に申し上げたのは、命に関わることでもありますし、特に秋田県などでは、かなり件数も激増しているという状況で、クマの専門家からもこういったトレンドについては、次のシーズンも大きく変更はないのではないかということも言われています。都道府県や市町村が対策するだけでは、財源やルールも含めて、なかなか対応できません。

指定管理鳥獣に新たにクマを加えていくことについては、今、有識者の会議も立ち上がりました。北海道からもメンバーが入っていますので、そこでしっかり議論した上で、指定する方向で検討を進めていただきたいと思っています。こうした、北海道で独自に取り組む制度を作って、しっかり春期管理捕獲を強化していく。さらには国に見直しを求めながら、指定管理鳥獣にクマを明確に位置づけた中での取り組みをしっかり構築していく。あらゆる手段を講じて、クマ対策についての抜本的な対策の強化を行っていきたいと思います。

ーーー知事としての1期目は、コロナ対策に追われた部分もあったと思います。2期目の残り3年余りの任期では、どの政策に力を入れ、どのような北海道を目指したいと考えていますか?

選挙戦でも、エネルギー、デジタル、食。この3つの分野で、北海道の価値を押し上げていきたいと訴えました。エネルギーで言えば再エネ、それに関連するGX投資。デジタルにおいても、半導体やデータセンターをはじめとする分野。さらには北海道の食。食料安全保障の観点からも北海道が果たす役割は大きいと思っています。この3つは、どれも生きていく上で欠くことのできないものです。エネルギーは暮らしの上で欠くことのできない基盤ですし、デジタルでは、産業のコメである半導体、さらには次世代半導体においては開発競争があります。そういった中で、拠点を北海道に立地していく。さらには食。人間食べなければ生きていけないわけです。3つの分野で、北海道がより役割を果たすことで、北海道総体の価値をあげていく。スピード感を持って、皆さんにとっても明るく将来を見通せるような取り組みを加速していきたいと思っています。いろいろな課題はありますし、やらなければならないこともたくさんありますけども、挑戦をしていくことで、見えてくるものが必ずあると思いますので、そのような取り組みを進めていきたいと思います。

https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n2af4e0405f6e


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ジンバブエの先住民族の知識の保存と普及における図書館員の役割(文献紹介)

2023-12-28 | 先住民族関連

current2023年12月27日

2023年12月21日付けで、図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”にジンバブエの先住民族の知識の保存と普及における図書館員の役割について調査した論文“Librarians’ role in the preservation and dissemination of indigenous knowledge”が掲載されました。

ジンバブエの図書館員20人を対象にインタビューなどの質的調査を実施した結果、図書館は土着の知識を詩、民話、演劇、工芸品などの形で保存していること、時にはライブセッションや特別コレクションを記録し、そうした知識を次の世代に伝えるための取組なども行っていることが明らかになりました。また、図書館が抱える課題として、知識を文書化する際の倫理的問題などが挙げられています。

Chigwada, Josiline; Ngulube, Patrick. Librarians’ role in the preservation and dissemination of indigenous knowledge. 2023, IFLA Journal.
https://doi.org/10.1177/03400352231217270

参考:
米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、ネイティブ・アメリカン等のための図書館サービス支援プログラムに約570万ドルを助成 [2023年08月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/190943

米・カリフォルニア大学バークレー校ロースクール図書館における先住民族に関する資料の再分類(記事紹介) [2023年02月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/173151

https://current.ndl.go.jp/car/208116


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人間に協力しハチミツに導いてくれる野鳥。アフリカのハニーハンターと鳥の関係

2023-12-28 | 先住民族関連

カラパイア2023年12月28日(木)8時10分 

人間をハチの巣に導いてくれる野鳥 / image credit:Brian Wood

 アフリカ、タンザニアやモザンビークでハチミツ狩りをするハニーハンターたちは、野生の鳥をパートナーにしてミツバチの巣を探し出す。

 その鳥の名を「ノドグロミツオシエ(Indicator indicator)」という。ハニーハンターたちは、その地域ならではの呼びかけ声でこの鳥とコミュニケーションを交わし、ハチミツ狩りの成功率を大幅に上げている。

 『Science』(2023年12月7日付)に掲載された新しい研究によれば、ミツオシエたちは地元の言葉か外国の言葉かを区別して、主に地元のハニーハンターと協力しようとするのだという。

 自己強化によって形成されたらしきこの興味深い現象は、人間の言語の形成についても重要なことを告げているようだ。

・野鳥に協力してもらいハチミツを探す先住民族

 タンザニア中北部の先住民族「ハヅァ族」とモザンビーク北部の「ヤオ族」にとって、鳥のミツオシエは欠かすことができないハチミツ探しのパートナーだ。

 彼らは独特の呼びかけ声でミツオシエと会話しながら、ミツバチの巣があるところまで案内してもらう。

 人類学者のブライアン・ウッド氏(現カリフォルニア大学ロサンゼルス校)らによる2014年の研究によるなら、ハヅァ族のハニーハンターはミツオシエと協力することで、ハチの巣の発見率が560%もアップするという。

 ハヅァ族の1年間の食事の8~10%がこの鳥の助けによって得られたものであることを考えれば、彼らにとってミツオシエがどれほど大切なパートナーかわかる。

 もちろんハチミツ探しを手伝うミツオシエの側にもメリットがある。人間がハチの巣を壊してくれれば、巣や幼虫というおこぼれを頂戴できるからだ。

 それは人間にも鳥にもウィンウィンな、互恵的な素晴らしい関係なのである。

野鳥と協力関係を築くハチミツハンター / image credit:Claire Spottiswoode・地元の”言葉”を聞き分け、協力してくれるミツオシエ

 面白いことに、ハズァ族とヤオ族とでは、鳥に語りかける”言葉”が違う。ハヅァ族がミツオシエと会話するときは鳥のような口笛を鳴らす。

 一方、ヤオ族はもっとワイルドな、「ブルルッ、フンッ!」という、どこか動物の鳴き声を思わせる独特の呼びかけ声だ。

 今回の研究では、数理モデルや実験を通じて、こうした呼びかけ声が、彼ら自身や鳥にどのような効果を持つのか調べている。

 するとノドグロミツオシエ(Indicator indicator)は地元の”言葉”で語りかけた方が、よく協力してくれることがわかったのだ。

 たとえば、タンザニアのミツオシエは、”外国語”であるヤオ族の呼びかけに比べて、地元ハヅァ族の口笛で語りかけたときの方が3倍もよく協力してくれる。

 一方、モザンビークのミツオシエは、地元ヤオ族のワイルドな呼びかけに、ほぼ2倍の確率で協力してくれる。

 このような人間と鳥のコミュニケーションは、正のフィードバックによって強化されたものであるようだ。

https://www.youtube.com/watch?v=YBxmNHkqrNM

Successful honey-hunters know how to communicate with wild birds・成功体験を経て協力し合う野鳥と人間

 最初はたまたまの成功かもしれない。だがミツオシエは、ある決まった呼びかけで語りかけてくるハニーハンターは腕がいいということを学ぶ。それ以外の呼びかけは、腕が悪いかもしれないので、協力するメリットがない。

 一方、ハニーハンター側もその呼びかけ声なら、ミツオシエが協力してくれることを学ぶ。それ以外では協力してもらえないので、呼びかけを変えるメリットがない。

 このようにお互いが学習することで、その部族ならではの伝統的な呼びかけ声が形成されていく。

 こうしたところは、人間の言語にも共通している。

 私たちが話す言葉の音自体には、本来意味がない。だが、何かのきっかけでその音の意味について人々が共通の認識を持つようになると、その地域ならではの言語になっていく。

ヤオ族のハニーハンター、カルヴァーリョ・イッサ・ナンガーがミツバチを収穫する煙と斧の巣 / image credit:Cambridge University・呼びかけ声には習慣の影響もある

 また両部族の呼びかけ声の違いは、両者の習慣の違いも反映されているようだ。

 たとえば、ハチミツ狩りに出れば、ハヅァ族もヤオ族も動物に遭遇することがある。違うのは、ハヅァ族がそうした動物を弓矢で狩ることがある点だ。

 このとき控えめな口笛ならば、狩りの邪魔にならない。

 ハヅァ族のハンターとのインタビューで、彼らは「口笛は鳥のように聞こえる」ため、獲物に気づかれずにすむのだと説明している。

 ウッド氏によるなら、ハヅァ族に限らず、狩猟文化がある地域では、獲物に気づかれずコミュニケーションを交わすために口笛が使われるのだという。

 それとは逆に、ヤオ族の呼びかけ声は、危険な動物を追い払うのに役立つ。出会った動物を狩ることのない彼らにとっては、あえて気づかせて、立ち去らせた方が都合がいい。

 こうした人間と鳥の不思議な協力関係は、どちらにも新しいシグナルを学習する能力があるから可能になっている。

 だが、何よりもお互いを信頼し、ギブアンドテイクの関係が成立しているからこそ、鳥と人間とコミュニケーションという伝統がずっと続いているのだ。

References:Wild birds lead people to honey – and learn from them | UCLA / Successful honey-hunters know how to communicate with wild birds/ written by hiroching / edited by / parumo

https://news.biglobe.ne.jp/trend/1228/kpa_231228_0114061227.html


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アマゾン 二つの世界を生きる

2023-12-28 | 先住民族関連

ナショナルジオグラフィック2023.12.28

伝統的な暮らしを守るため、立ち上がった先住部族たち
アマゾン川流域で最も孤立した地域の一つであるジャヴァリ渓谷で、塊茎のキャッサバを収穫する先住民、カナマリの女性たち。彼らは土地の恵みを主な糧として生きているが、天然資源を狙う外部の人間によって、先住民の暮らしと森が脅かされている。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)
この記事は雑誌ナショナル ジオグラフィック日本版2024年1月号に掲載された特集です。定期購読者の方のみすべてお読みいただけます。

*   *   *

この記事は、地球資源の保全に取り組んでいる非営利組織ナショナル ジオグラフィック協会の資金協力によってつくられています。

伝統的な暮らしを守るため、アマゾンの先住部族たちは外の世界からもたらされた道具を手にして、立ち上がった。

 ブラジルとペルーの国境を隔てながら、アマゾンの森の奥深くへと流れるジャヴァリ川。ペルー側にはボートや船着き場を見かけるが、ブラジル側には、ここがジャヴァリ渓谷先住民保護区であると告げる標識が立っているだけだ。この一帯には、外部と接触せずに暮らす先住部族が世界で最も多い。立ち入りは禁じられているが、豊かな鉱物資源や木材、野生動物を目当てに侵入する者が後を絶たない。

 この保護区はほぼ手つかずの原始の森で、ポルトガルほどの広さに約6000人が暮らすという。もっともその数は、外部と接触があった7部族の人口の合計にすぎない。ここでは今、違法な伐採や漁業、採掘をする外部の人間が増えていて、私は、先住民たちがどう立ち向かっているかを取材しに来たのだ。

 アタライア・ド・ノルテという町からジャヴァリ川を300キロほど遡った地点にある、サン・ルイス村の人口は約200人。私と撮影隊は8日間にわたり、マウロ・カナマリを部族長とする、この村に滞在して取材を進めた。

先住部族のカナマリがブラジル政府と最初に接触したのは1972年だったが、それ以前から、ゴム樹液の採取者たちと遭遇していたようだ。数十年に及ぶ外部との接触は、生活の多くの面に影響を及ぼしたが、サン・ルイス村の人々は今でも、大半のことを共同で行う。彼らは自分たちよりも孤立した状態で暮らす近隣部族の様子を知りたがっている。なかには15キロしか離れていない森に住む部族もいて、あえて接触しようとはしないものの、その暮らしぶりをうかがうために、ドローンを手に入れたいと考える村人たちもいる。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)

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マウロ・カナマリ部族長の妻テレサが、孫のペルメロに伝統的な羽根飾りをかぶせ、化粧を施してやる。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)

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歌や踊りを交えた、ラグビーに似たゲームに、若者たちが興じる。盛り上がってくると、途中から格闘になってしまうことも多いという。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)

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 私たちが行く先々で目にしたのは、森への侵入者に不安を抱く先住民が、自分たちの土地と生活様式を守ろうと、新しい方法を見いだしていく姿だった。「以前は、違法な侵入者や漁業者、伐採業者は、ごくわずかだったのに、今は日に日に増えています」と部族長は話す。

炎を見守るカナマリの子どもたち。村では、開墾や草木の乾燥、土壌の活性化を目的とする焼き畑農業が、伝統的に行われてきた。アマゾン川流域には、先住民が1万年以上も前から耕作していた痕跡が残っている。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)

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食事の準備をするテレサ。サン・ルイス村には電気が通っていないため、暗くなるとヘッドランプの明かりが頼りだ。現代の道具を取り入れつつ、昔ながらの暮らしを続ける。それがカナマリ流だ。(PHOTOGRAPH BY LYNSEY ADDARIO)

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次ページ:何度も脅迫されてきた

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/122000646/


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中国の接待旅行参加 台湾・国民党議員側に疑い

2023-12-28 | 先住民族関連

毎日新聞 2023/12/28 東京朝刊 有料記事 644文字

に出馬している最大野党・国民党のベテラン議員の事務所関係者らが、有権者約20人と共に中国当局による接待旅行に参加した疑いがあり捜査していると発表した。立法委員選と同時に行われる総統選でも、中国当局による接待旅行に台湾の有権者が参加したとされる事件が相次ぐ。与党・民進党政権は中国が中台統一につながる台湾の政治状況を作り出そうと選挙に介入しているとみている。

 検察の発表などによると、捜査されているのは先住民から選ばれる選挙区の孔文吉氏(5期目)の事務所責任者ら。中国内陸部・重慶市政府で台湾関係事務を担当する台湾事務弁公室から委託を受け、今年5月に同市で行った中台の少数民族による交流行事の参加者を集めた疑いがある。

 検察によると、8日間の旅行の宿泊費や食費は中国側が負担し、参加者が支払った額は市価より格安だった。滞在中の食事には重慶市関係者が同席し、「両岸(中台)は一つの家族だ」と強調。孔氏も支持を訴えるあいさつをしたという。

 ・・・・【台北・林哲平】

https://mainichi.jp/articles/20231228/ddm/007/030/103000c


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