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『ゴールデンカムイ』『進撃の巨人』『寄生獣』も「鳥肌立った…」壮大な伏線にビックリ!作者のセンスが光る「漫画のタイトル」

2025-01-22 | アイヌ民族関連

 

ふたまん 2025.01.21 創也慎介

アニメ『ゴールデンカムイ』第2期メインビジュアル (C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

 漫画の「タイトル」といえば、作品の方向性やジャンル、世界観といったさまざまな要素を一言で表現する非常に重要なものだ。なかにはタイトルが物語のなかにも登場し、思いがけない形で伏線が回収されるというパターンもある。

 今回は壮大な伏線回収に読者を唸らせた、名作漫画のタイトルを見ていこう。

■災厄をもたらす金塊にも神が宿るとすれば…『ゴールデンカムイ』

 2014年より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載が開始された、野田サトル氏の『ゴールデンカムイ』は、明治末期の北海道を舞台に登場人物たちがそれぞれの思惑から隠された“金塊”を追い求め奪い合う姿が描かれている。キャラクター同士の熾烈なバトルやサバイバル描写、随所に差し込まれるアイヌ文化やグルメ描写など、実に多くの見どころがある作品だ。

 そんな本作のタイトルである『ゴールデンカムイ』は、作中に登場するとある敵キャラクターの口から、その意味合いが語られることとなった。

 重要となるのは、タイトル内に組み込まれた「カムイ」という単語だ。一般的にはなかなか聞き慣れない言葉だが、これはアイヌ民族にとって「神様」を意味する言葉だという。

 アイヌの人々は万物にこのカムイが宿っていると考えており、いつでも神様が自分たちを見守ってくれていると考えている。

 その一方、彼らは金に対して我々のように価値を感じておらず、むしろ求めることで奪い合いや自然破壊といった多くの災厄を生み出す忌避すべき存在と捉えていた。

 こういった民族独特の思想に注目したのが、主人公・杉元佐一らの宿敵である鶴見中尉だ。彼は災いを生み出す金塊にも、神が宿っているとしたら……そう考えた末に「いわば…ゴールデンカムイか」と呟いている。

 このセリフが飛び出したのは、物語後半である271話。満を持して登場したタイトルの意味合いはもちろん、それを宿敵である鶴見中尉が回収したことにも、多くの読者が衝撃を受けただろう。

■物語の過去と未来を繋ぐ一人の“巨人”の名…『進撃の巨人』

 諫山創氏の『進撃の巨人』は、2009年から『別冊少年マガジン』(講談社)で連載が開始され、その凄まじい人気から社会現象まで引き起こした話題作である。

 人間と彼らを捕食する“巨人”との戦いを描いたダークファンタジー作品で、壮絶なバトルや絶望感溢れる描写の数々、わずかな希望に向けて奮起する主人公のエレン・イェーガーたちの成長劇、そしてラストに向けて繰り広げられる劇的な展開が魅力である。

 難解な設定が絡み合う本作だが、なかでも連載中、ファンたちによって長らく考察が続けられていたのが、そのタイトルの内容だった。

 「巨人」という言葉から、本作で敵となる存在を示唆した言葉のように思えたのだが、88話でその真の意味が明かされた。

 このエピソードではエレンの父・グリシャの若かりし頃を描いた回想が展開されていたのだが、ここで物語の根幹にまつわる重要な内容が語られることとなる。

 実は巨人化能力には大まかに分けて九つの種類があり、そのなかでも父・グリシャが受け継ぎ、そしてエレンへと継承されていた巨人化能力こそ「進撃の巨人」と呼ばれる能力だった。

 この能力は簡単に言えば、“記憶の継承”である。過去にこの巨人化能力を継承した者の記憶を受け継ぐだけでなく、未来に能力を託された人間の記憶までも時を超越して見ることができる。

 タイトル回収はもちろんのこと、これまで作中に散りばめられていた数々の謎、伏線も紐解かれたことで、読者は一気に物語の核心に迫ることとなった。

■寄りそい生きる者の正体とは…『寄生獣』

 1988年に『モーニングオープン増刊』(講談社)にて連載が開始された岩明均氏の『寄生獣』は、「パラサイト(寄生生物)」によって肉体を乗っ取られた人間たちの戦いや葛藤を描いたホラーSF作品だ。

 社会のなかに人ならざる者が潜む恐怖や、人間が捕食・殺害される衝撃的な展開。そんな非日常のなかで、主人公・泉新一の右手に宿ったパラサイト・ミギーとの交流を経て価値観や死生観をぶつけ合っていく本作。

 タイトルの『寄生獣』は、そのまま作中に登場する「パラサイト」を指す単語と捉えていた読者も多いだろう。しかし、その思いがけない意味合いは第55話「寄生獣」での一幕で明らかとなる。

 敵対勢力のボスで人間を減らすことを目論む広川剛志だが、彼は地球に生きる人間たちがいかに身勝手な存在なのかを語り始める。そして最後に、彼は人間たちこそが地球にとっての害悪であることを指し示すため、「人間に寄生し生物全体のバランスを保つ役割を担う我々から比べれば 人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!!」「いや……寄生獣か!」と、渾身の一言を放つのだ。

 パラサイトたちからすれば、地球に生き、そのうえで多くの物を破壊し続ける我々人間こそが星に“寄生”する“獣”だったということだ。なんとも衝撃的なタイトル回収だが、実はこの「寄生」という言葉は物語の終盤でも再登場している。

 戦いを終えて日常を取り戻しつつあった新一だが、彼は激闘を繰り広げてきた多くの存在を思いながら「みんな地球で生まれてきたんだろう? そして何かに寄りそい生きた……」と呟く。

 パラサイトから見た人間の“寄生”。そして新一が辿り着いた“寄りそい生きた”というそれぞれの答えに、思わず考えさせられてしまうタイトル回収であった。

 漫画を指し示す「顔」ともいうべき「タイトル」だが、紹介してきたように思いがけない意味合いが込められていることも多い。

 名作漫画のなかには、作中でそのタイトルの真の意味合いが解き明かされることも多く、予想だにしなかった展開に読者は驚かされたことだろう。

 はたしてこの言葉にはどんな意味が隠されているのか……物語の内容もさることながら、タイトルの裏に潜む伏線に思いを巡らせながら漫画を読むのもまた一興ではないだろうか。

■【画像】実写映画『ゴールデンカムイ』鶴見中尉を演じる玉木宏さんの衝撃的な姿

https://futaman.futabanet.jp/articles/-/127961?page=1#goog_rewarded

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