先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

<ウポポイ オルシぺ>23 猛威振るった天然痘の記録 接触低減へ住民が避難

2021-09-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/20 05:00
 博物館の基本展示室には「私たちの歴史」という展示コーナーがあり、アイヌ民族の歴史を解説しています。
 今回は、17世紀以降に道内でも確認できる天然痘流行について紹介します。
 天然痘とは天然痘ウイルスによる感染症で、患者の唾液の飛沫(ひまつ)や発疹のうみなどに触れることで感染します。1980年(昭和55年)に世界保健機関(WHO)が天然痘撲滅宣言をしており、既に自然界からは根絶しています。
 国内の流行の古い記録ですが、730年代、九州での流行の記録は天然痘である可能性が高いと言われています。道内では17世紀以降に天然痘流行と思われる文献記録を見いだすことができます。
 冒頭に紹介した展示コーナーでは、19世紀前半のアイヌの人たちの人口減少の原因の一つとして、天然痘などの流行があげられることを紹介しています。
 当時の道内における流行の様子はどのようなものだったのでしょうか。
 流行の経過について記録が残っている1845年(弘化2年)、現在の新ひだか町で起きた天然痘流行の事例のうち、旧三石町内での様子を紹介します。
 その記録とは「東蝦夷地シツナイミツイシ蝦夷人之内疱瘡煩候者有之候付見廻出役被仰付罷越鷲木村ヨリシャマニ迄場所々取調候一件日記」という古文書です。筆者は不明ですが、内容から松前藩の役人によるものと考えられます。
 記録によると、45年5月中旬、三石川下流付近に住んでいた女性がひどい熱を発しました。5日後には同じ地域の男性が発熱し、吹き出物が出ていたので、現在の様似町から往診してもらったところ、天然痘と診断されました。患者は付き添いがつけられ、服薬治療になりました。付近に住む患者以外の人々は居住地域ごとに避難小屋へ行きました。三石川下流付近の人々は同川の河口から10キロほど上流へ、鳧舞(けりまい)川下流付近の人々は同川の河口から12キロほど上流へ避難しました。結局、三石川沿いの地域で感染者が11人発生し、このうち8人が亡くなり、7月初めには流行は収まりました。
 ここで注目すべきは流行時の川の上流への避難だと思います。現代風にいえば、人と人との接触機会の低減をはかっていたと言えそうです。【文・写真 永野正宏=国立アイヌ民族博物館(文化庁調査官)】

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が延長されたことを受け、国立アイヌ民族博物館を含む「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は30日まで臨時休業中です。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/590963

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アイヌ民族の海洋船「イタオマチプ」 復元し小樽で進水式

2021-09-20 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/19 21:20

進水式でイタオマチプに乗り込む参加者たち
 【小樽】アイヌ文化の保存に取り組むオホーツク管内美幌町のアイヌ文化学術研究会(花岡知之代表)が19日、アイヌ民族が外洋の航海に使ったイタオマチプ(板綴舟(いたつづりぶね))のチプサンケ(進水式)を、小樽市内の蘭島海水浴場で行った。
 イタオマチプは、かつてアイヌ民族が交易に用いていた海洋船。舟の製作は、進水までの過程を記録して後世に伝えようと、同会が企画した。アイヌ伝統工芸家の成田得平さん(78)=旭川市在住=ら4人に依頼し、昨年10月から今年3月にかけて作り上げた。全長12・3メートル、幅1・7メートルで、樹齢約200年のアカエゾマツなどを使っている。
 進水式には同会の関係者ら10人が参加。マツとササの葉を束ねたタクサと呼ばれるおはらいの道具を舟にかざした後、参加者が舟に乗り込んだ。波が高かったため沖には出なかったが、成田さんは「海洋船としての役割を伝えられて良かった」と話していた。
 同会は舟を今後、札幌市内で展示したい考え。展示後は道内の施設に寄贈することを検討している。(日野夏美)
◆「イタオマチプ」と「チプサンケ」の「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/591004

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浦幌 ラポロアイヌネイションがサケの遡上を迎える儀式

2021-09-20 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2021/09/19 12:42

儀式でサケへの感謝と豊漁を祈願するラポロアイヌネイションのメンバーら(19日午前11時20分ごろ)
 【浦幌】浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会、差間正樹会長)は19日、サケの遡上(そじょう)を迎える儀式「アシリチェプノミ」を執り行い、神々に祈りをささげ、豊漁を祈願した。
 伝統文化の継承を目的に、昨年に続き道からの許可を得て、町十勝太を流れる浦幌十勝川で、自作の丸木舟を使ったサケ漁を実施。この日朝、長根弘喜前会長らが雄のサケ1匹を捕獲した。
 「カムイノミ」の儀式では、同団体のメンバーら12人が十勝川や川漁などの神を示す「イナウ」(木弊)に供物をささげ、今後の豊漁を祈願。途中、観覧者を交えて輪になって踊り、長根前会長ら3人による刀を使った勇壮な舞も披露された。終了後、差間会長は「若い人たちがこの儀式を受け継ぎ、来年も無事にサケを迎えることができれば」と話した。
 同団体は国と道に対し、アイヌ民族が地元の河川でサケを捕獲することは先住権の一部と主張し、サケ漁を禁じる法律などが適用されないことの確認を求めて札幌地裁に提訴している。この日は市川守弘、長岡麻寿恵の両弁護士らも会場を訪れ、儀式を見守った。(小縣大輝)
https://kachimai.jp/article/index.php?no=542513

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白老ソング思い込め 町出身吉井さんら「蔵」で演奏会

2021-09-19 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/18 21:00
【白老】町出身のシンガー・ソングライター吉井さつきさん(20)と町内で音楽活動をしている佐藤剛さん(69)らのチャリティーコンサートが18日、しらおい創造空間「蔵」で開かれた。集まった町民ら約30人が華麗な演奏に聞き入った。
 コンサートには佐藤さんが少年野球の監督を務めていたときの教え子や、地域おこし協力隊員らもかけつけ、演奏した。
 第1部はチューリップの「サボテンの花」や「心の旅」のほか、佐藤さんがアイヌ文化への理解を深める応援ソング「イランカラプテ~君に逢(あ)えてよかった~」を歌った。
 第2部では吉井さんが佐藤さんらの演奏に合わせ、白老への思いを込めて作詞作曲したオリジナル曲「白老ソング」など10曲を披露した。
 町竹浦の植田幸枝さん(74)は「さつきさんの歌声と頑張る姿に元気がもらえた」と話した。
 売り上げは「蔵」の運営費として寄付する。(斎藤佑樹)
※イランカラプテの「プ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/590781

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体験型観光サミット20日開幕 アジア初 動画や商談会で道内ツアー売り込みへ

2021-09-19 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/18 23:10 更新
 体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」の国際サミットが20日夜、道内と海外を結んだオンライン形式で開幕する。アジア初の開催で、新型コロナウイルスの影響で関係者の来道は見送られたが、動画や商談会を通して全道各地のツアーやアイヌ文化などを発信し売り込む。道はコロナ収束後の訪日外国人客の回復に向けた戦略の柱の一つにAT推進を掲げており、2023年のサミットを道内に再誘致する意向を表明。観光関係者も期待を寄せている。
 国際サミットは米国の団体が主催し、道や北海道観光振興機構などで構成する実行委が運営。欧米豪を中心とした旅行会社やメディアの関係者ら最大800人が参加を予定している。
 一般向けには公開しないが、24日までの期間中、アイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(胆振管内白老町)の見学や国の天然記念物「歌才ブナ林」(後志管内黒松内町)の散策を組み合わせたツアーや、釧路川源流部をカヌーで下る探索ツアーなど道内の15コースを30分間の動画6本分で紹介。専用サイトでは、そばやアイヌ料理などの食文化も発信する。商談会には道内12企業・団体が参加し、海外事業者にツアー商品を売り込む。
 北海道観光振興機構の小磯修二会長はサミット開催について「道内の観光需要拡大に向け、非常に重要な取り組み」と強調。日本旅行北海道(札幌)は「アジアに比べて少ない欧米の観光客に北海道をアピールし、富裕層を取り込むチャンス」と捉える。
 体験型ツアーなどを提供する北海道宝島旅行社(同)の鈴木宏一郎社長は、オンライン開催を悔やむ半面、「開催によってATの世界的な適地とのお墨付きを得た」と指摘。自然体験に加え、縄文遺跡やアイヌ文化などの歴史的な観光資源を組み合わせた旅行商品の開発に力を入れる考えだ。
 道は再誘致する23年のサミットで、今回実施できなかった道内のツアーを体験してもらう計画。開催地は今回のサミット最終日に主催団体が内定を出す見通しで、実行委担当者は「誘致が実現すれば、今回開催した意義がより大きくなる」と話す。(小宮実秋、三坂郁夫)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/590731

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ミュージカルなど通してアイヌ文化への理解を深めてもらおう

2021-09-19 | アイヌ民族関連
NHK 09月18日 19時20分

ミュージカルや伝統的な舞踊などを通じて、アイヌ文化への理解を深めてもらおうという催しが札幌市で開かれました。
この催しは、さまざまなかたちの表現を通じてアイヌ文化への理解を深めてもらおうと、毎年、開かれています。
はじめに和人とアイヌの人たちとの共生を模索した江戸時代末期の探検家、松浦武四郎の半生を描いたミュージカルが上演されました。
このあとアイヌの儀式の中で受け継がれてきた歌と踊りが披露されたほか、伝統の音楽をドラムなどの楽器を使って現代風にアレンジした作品も演奏されました。
踊りを披露した、アイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」の職員、山道ヒビキさんは「こんなに大舞台は初めてなので緊張しましたが、ウポポイ以外で歌や踊りを紹介できてうれしい。アイヌという存在がいるということを知ってもらうために頑張っているので、良い機会になりました」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210918/7000038404.html

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シャクシャイン法要祭 規模縮小し23日

2021-09-19 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2021/9/18配信
 新ひだか町静内真歌の丘のシャクシャイン像前で23日に開かれる第75回シャクシャイン法要祭は、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言延長などを鑑み、規模を縮小して開かれる。  シャクシャインはアイヌ民族の長。約350年前に松前藩の圧政…
この続き:230文字
ここから先の閲覧は有料です。
https://www.tomamin.co.jp/article/news/area2/58217/

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NSW州、新たに1,331人が陽性、6人死亡

2021-09-19 | 先住民族関連
日豪プレス 2021年9月18日
各地の先住民族人口に集中接種活動
 9月18日付ABC放送(電子版)は、NSW州政府の発表として、17日午後8時までの24時間に新たに1,331人が陽性と判定され、また、6人がコロナ感染症で死亡したことを伝えている。
 また、この週末には、感染症が流行すると厳しい結果になりやすいためにワクチン接種優先順位が上位にありながら、接種忌避意識が強く、未接種のまま置き去りにされていたNSW州内の先住民族地域で集中接種活動が実施された。
 NSW州では接種対象の16歳以上の成人の81%が最低1回は接種を受けている。また、同17日夜には、最近豪医薬品管理局(TGA)の承認を受けたモデルナ・ワクチンがシドニーに到着している。
 6人の死者はいずれもシドニー都市圏西部、南西部在住者で、3人は未接種、3人は1回の接種のみだった。年齢内訳は、40代1人、60代1人、70代2人、80代2人となっている。70代の男性1人は海外で感染していた。6月中旬、大シドニー地域で今回のアウトブレークが始まって以来228人がコロナウイルス感染症で亡くなっている。
 NSW州保健局コロナウイルス対策部のジェレミー・マカナルティ部長は、「毎日の新陽性者の大多数が現在もシドニー都市圏西部、南西部に集中している」と語っている。また、ハンター・ニューイングランド地域で30人、中部海岸地域で29人などいくつかの地域で陽性者が集中している。そのため、NSW州北部高原地域のグレン・イネスで1人が陽性と判定されたことから、同地域住民のQLD州入州が制限されている。この陽性者は最近にシドニーに来て数日過ごしていた。そのため、グレン・イネスを中心とした地域が1週間のロックダウンに入っている。また、やはり7日間のロックダウンが発令されているリズモア地域住民もQLD州への入州を制限されている。
 NSW州は少なくとも1回の接種を受けている率は81%、また2回の完全接種率は50.6%にのぼっている。また、モデルナ・ワクチンの第一陣が17日夜、シドニー空港に到着しており、9月25日までには100万用量が到着する予定になっている。
 モデルナ・ワクチンは12歳から59歳までが対象で、来週から国内各所の2,000近い薬局で接種を受け付けている。
 NSW州のコロナウイルス感染状況は、1,219人が入院しており、うち233人がICUに収容され、うち123人が酸素吸入装置をつけている。
 17日午後8時までの24時間に120,954人の検査が行われた。
■ソース
NSW records 1,331 COVID-19 cases as state runs Indigenous vaccine blitz
https://nichigopress.jp/ausnews/210954/

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自民総裁選 道民さまざまな思い 改憲推進に危機感/領土問題触れず「残念」

2021-09-18 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/18 05:00
 17日に告示された自民党総裁選で、河野太郎行政改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行の4氏が所見発表演説会に臨み、論戦を本格化させた。4氏はいずれも新型コロナウイルス対策を重点に掲げたが、道民はさまざまな思いで受け止めた。
 長期化するコロナ禍で、道内でも立場が不安定な非正規労働者は職を失うなど苦境に陥っている。演説会で岸田氏は、非正規などに対して「きめ細やかな対応をする」と明言。野田氏も「貧困などにしっかりと目を向ける」と強調した。
 個人加入できる労働組合「さっぽろ青年ユニオン」(札幌)の岩崎唯委員長(30)は「評価できるが、コロナ禍で国の社会的弱者への支援は不十分で無視されてきた」と指摘。その上で「非正規労働者や介護士、保育士など低賃金で働く人への経済的支援はしっかり行ってほしい」と求めた。
 演説会に続く共同記者会見で、4氏は憲法9条への自衛隊明記など党の改憲案4項目に持論を述べた。「あさひかわ西地域九条の会」(旭川)の平山沙織事務局長(51)は「総裁任期中の改憲に踏み込んだ候補もおり、国民不在のまま一方的に進む恐れがある」と危機感を示した。
 一方、演説会で北方領土問題とアイヌ民族政策に触れた候補はいなかった。
 「生きている間に、領土問題に道筋を付けてもらうことが元島民の願いだけに残念」。歯舞群島多楽島の元島民、福沢英雄さん(81)=根室管内標津町=は寂しげに話した。ロシアとの交渉は停滞したままで「一歩でも前に進めることを考えてほしい」と訴えた。
 北海道アイヌ協会の中村吉雄副理事長(71)は「菅義偉首相がアイヌ政策に積極的だっただけに、候補者が誰も触れなかったのは大変悲しい」と落胆した。
 アイヌ民族の声を政策に反映するための「アイヌ政策推進会議」の開催が今年6月まで2年半空き、停滞感を危惧する。「新総裁はアイヌ民族に向き合い、これまでの信頼関係を引き継ぐ姿勢を見せてほしい」と注文を付けた。(佐藤圭史、山田一輝、金子文太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/590577

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日テレ「謝罪」の黒歴史! アイヌ問題は実は2度目!? 『仰天ニュース』もステロイド薬だけじゃなかった

2021-09-18 | アイヌ民族関連
cyzowoman 2021/09/17 14:25
 『スッキリ』(日本テレビ系)に激震が走ったのは今年3月。オンライン動画配信サービス「Hulu」の動画を紹介するミニコーナー「スッキリすの週末オススメHuluッス」内での、アイヌ民族を侮辱するような発言が波紋を呼び、業界内外を巻き込んだ大問題に発展した。
 説明と謝罪に追われた日本テレビと同番組は、以後、社員などに徹底したVTRチェックを求め、また人種差別や性差別といったことについての学びの場が設けられたという。
「『スッキリ』スタッフはそれ以後、相当、神経を使ってVTRを作っているそうです。それに加えてMCの加藤浩次による事前打ち合わせで構成がひっくり返ることもしばしばあり、番組担当スタッフの負担は相当なものだと思われます」(業界関係者)
 だが日テレがアイヌ問題で過ちを犯し、関連団体からの猛抗議を受けたのは、今回が初めてではないというのだ。1994年1月1日に放送された『北野武政界進出宣言!?ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』が、アイヌ民族を著しく侮辱する内容があったとして抗議を受けていた。
「番組ではタレント9人が金粉を塗った半裸姿のまま、下半身に大きな突起物を付けて『イヨマンテの夜』に合わせて、腰を振るなどして踊ったのです。同曲は、昭和25年のヒット曲でアイヌ民族の伝統儀礼をモチーフにしたもの。オンエアされた後、アイヌ民族団体『レラの会』など3つの関連団体がアイヌ民族を著しく侮辱する内容があったとして抗議しました」(同)
 昨年前期のNHK連続テレビ小説『エール』でも登場したことで知られる『イヨマンテの夜』。この歌詞の内容も、実際の儀礼とはかけ離れたもので誤解が多いとされているが、いずれにせよ日テレのそれはアイヌ民族への偏見に満ちた番組内容だろう。
 当時、日本テレビは、「アイヌ民族に対する差別と偏見を拡大するとの指摘を受け、配慮に欠ける面があったと反省し、結果的にアイヌの方々の心情を傷つけてしまったことを心からおわびする」と釈明した。
「しかし、この釈明に3団体は当時、『アイヌ民族を侮辱したことについてどんな責任を負うか明らかにしていない。私たち団体だけでなく、公共の電波で流したことに対し、視聴者に対する責任も明らかにしてほしい』と求めていました。この件を受けて、日テレはアイヌ民族の歴史などを学ぶ社内研修を開くとされていましたが、30年たって、すっかり忘れてしまったようです」(同)
被害者の女性宅を撮影して警察署から抗議が
 アイヌ問題のほかにも、日本テレビは社会的、倫理的にも問題視される内容を放送したことで幾度となく謝罪してきた。
 例えば97年には、『進め!電波少年』が、都内で起きている連続暴行、強盗事件を取材中、被害者の女性宅を訪れてビデオカメラで撮影し、110番通報されている。管轄の警察署は「被害者の心情を逆なでにする行為」として番組に対して抗議し、日テレも行き過ぎた行動を認めて陳謝。担当プロデューサーは厳重注意処分となった。
 また、あのSMAPも、“差別的演出”に巻き込まれている。
「2003年6月の特番『スーパーテレビ特別版SMAP×JAPAN』です。前年02年、北朝鮮の家族ら5人が、亡命を図ろうと中国の日本国総領事館に駆け込んだものの失敗し、中国人民武装警察部隊に取り押さえられた事件が起きました。番組ではこれをバロディーにして、日本から亡命しようとしたSMAPメンバー5人が、ある国の大使館に駆け込むも警備員に取り押さえられて、説得の末に日本を再発見するための旅に出る……というシチュエーションコントを放送。オンエアから100件以上の抗議電話が寄せられたといいます」(芸能ライター)
 そして特に記憶に新しいのが、『ザ!世界仰天ニュース』での「脱ステロイド治療」騒動だろう。
ステロイドだけでない、誤った情報の放送
 9月7日、同番組の中で、ステロイド薬の使用を中止したことにより、肌荒れを克服した女性のエピソードが紹介されたが、これに日本皮膚科学会をはじめとする6つの学会と1つの患者会が連盟で猛抗議。翌週14日の番組内で同局・杉原凜アナが謝罪、また同番組のホームページにも同様の謝罪文が掲載された。
 だが、この『仰天ニュース』の“失態”はこれだけではない。
「07年8月1日の放送で、かつてオーストラリアで実際にあった殺人事件が再現ドラマで紹介されました。事件の内容は、“境界性人格障害”の女性が、恋人に繰り返し暴力を振るった末に刺殺するというもの。劇中、『突発的な暴力は同障害の典型的な症例』と解説し、『円滑な対人関係を保てずに被害妄想をいつも抱えていることが多い』と解説したのですが、放送直後から患者やその家族から電話やメールで抗議が殺到。『境界性人格障害の人は、みな殺人を犯すと誤解されかねない』などと指摘され、同局は謝罪しました」(同)
 そして、今回のステロイド騒動。こうも過ちを繰り返すとなると、謝罪程度では制作サイドの意識は変わらないということか。日本テレビは「繰り返し研修を行う」としているが、その前にまずは他者を侮辱したり偏見を増長させたりするような番組内容になっていないか、どれだけ意識してもしすぎることはないだろう。
(村上春虎)
https://www.cyzowoman.com/2021/09/post_358531_1.html

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ゴールデンカムイ:コミックス加筆箇所が分かる! 「あはァ!!体験」動画公開 第27巻発売記念

2021-09-18 | アイヌ民族関連
MANTANWEB 2021/09/17 12:00MANTANWEB
 「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の野田サトルさんのマンガ「ゴールデンカムイ」のコミックス最新27巻が9月17日に発売されたことを記念して、動画「『ゴールデンカムイ』あはァ!!体験」が特設サイトで公開された。野田さんは、コミックス用に雑誌掲載時の原稿を加筆しており、動画では、コミックス版の原稿の一部が雑誌掲載時の原稿になり、再びコミックス版の原稿に変化する。野田さんがこだわった加筆箇所をクイズ感覚で探して楽しむことができる。動画は全6種。
 「ゴールデンカムイ」は、2014年から同誌で連載中のマンガ。かつて日露戦争で活躍した“不死身の杉元”が、北海道で死刑囚が隠した埋蔵金の手掛かりをつかみ、アイヌの少女らと共に冒険を繰り広げる姿を描いている。「このマンガがすごい!2016 オトコ編」で2位、「マンガ大賞2016」で1位、「第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門」でソーシャル・インパクト賞に選ばれたことも話題になった。
 テレビアニメ第1期が2018年4〜6月、第2期が同年10〜12月、第3期が2020年10〜12月に放送された。
https://news.goo.ne.jp/article/mantan/entertainment/mantan-20210916dog00m200046000c.html

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サケ漁「慣習法が根拠」 アイヌ民族訴訟で原告側 札幌地裁

2021-09-17 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/16 19:05
 アイヌ民族には地元の川でサケ漁を行う先住権があるのに、不当に漁を禁止されているとして、十勝管内浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会)が国と道に対し、サケ漁を行う権利の確認を求めた行政訴訟の第5回口頭弁論が16日、札幌地裁(中野琢郎裁判長)であった。原告側は、アイヌ民族によるサケの捕獲は「少なくとも江戸時代から繰り返されており、慣習法を根拠に認められる」と主張した。
 弁論で原告側は、「法の適用に関する通則法」が、公序良俗に反しないなど一定の条件を満たした慣習を、法的効果を持つ「慣習法」として認めていると指摘。アイヌ民族のサケ漁は「(明治以降の)政府が強制的に禁止したため事実上できなくなっただけで、慣習としては存続している」などとし、現行法上も認められるとした。
 国と道は、現行法の解釈上、先住権は「およそ導き出せない」としている。
 訴状によると、浦幌町の浦幌十勝川流域のアイヌ民族は江戸時代、集団ごとに独占的にサケ漁をし、河口周辺の漁業権は、子孫でつくる原告が引き継いだとしている。(角田悠馬)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/589999

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サケ捕獲権は先住民族の権利か…アイヌ民族団体「慣習法として認められなければならない」 札幌地裁

2021-09-17 | アイヌ民族関連
HBC 2021/09/16 22:15

 北海道浦幌町のアイヌ民族の団体が、サケ漁は先住民族の権利だとして、国や道を訴えている裁判の口頭弁論が、16日、札幌地裁で開かれました。
 訴えを起こしているのは、浦幌町アイヌ協会から名前を変えた「ラポロアイヌネイション」です。
 「ラポロアイヌネイション」は、国や道が水産資源保護法や北海道内水面漁業調整規則などにより禁じている十勝川河口地域でのサケの捕獲について、アイヌ民族の「先住権」に基づき、自由に捕獲できる権利があることの確認を求めています。
 河川でのサケの捕獲は、北海道内水面漁業調整規則で「伝統的な儀式や漁法の伝承・保存ならびに、これらの知識の普及啓発のため」の例外に限って北海道知事が許可する制度になっています。
 国と道は、これまで、「我が国に、アイヌ民族の集団のサケの捕獲権を認める義務はなく、法的な根拠もない」などと争う姿勢を示し、請求の棄却を求めています。
 16日、札幌地裁で開かれた5回目の口頭弁論で、原告側は「現行法制度に、アイヌ民族のサケの捕獲権について規定はない」と認めたうえで、「サケの捕獲は、少なくとも江戸時代までさかのぼることができる慣習に基づくもので、慣習法として認められなければならない」と主張しました。
 「アイヌ民族の集団に河川でサケを捕獲する権利はあるのか」が争点となっているこの裁判。
 次回の口頭弁論は11月18日に開かれる予定で、原告側は、アイヌ民族のサケの捕獲権について、別の観点から主張を展開することになります。
https://news.goo.ne.jp/article/hbc/region/hbc-9f16eff043249686f29b9673bc613aaf.html

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厚真アイヌ協に遺骨返還 文科省 札医大の13体、月内にも

2021-09-17 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/17 05:00
 文部科学省は16日、札幌医科大が保管しているアイヌ民族の遺骨13体について、遺骨が出土した胆振管内厚真町の厚真アイヌ協会(織田登会長)を返還対象団体と決定した。遺骨は月内にも返還される見通し。
 遺骨はダムの建設工事に伴い、町教委が2003~14年にかけて行った埋蔵文化財調査で見つかった。13~17世紀のアイヌ民族の集落や墓から出土し、札幌医科大が鑑定。町教委の依頼で同大が保管していた。
 町教委によると、遺骨は厚真アイヌ協会の主催でイチャルパ(先祖供養の儀式)を行った後、文化財を保管する町教委の施設に移される見通し。町教委は「出土した刀、首飾りなどの副葬品と共に安置したい」としている。政府は大学が保管しているアイヌ民族の身元不明の遺骨について、出土した地域のアイヌ民族団体からの申請があれば返還を認めている。昨年10月には日高管内新ひだか町、平取町で遺骨が返還されている。(大能伸悟)
※「イチャルパ」の「ル」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/590085

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白老にアイヌ文化拠点 来年開設目指す 宇梶静江さん 11月にも移住

2021-09-17 | アイヌ民族関連
北海道新聞 09/17 05:00

賃借契約を結ぶ民家をバックに、今後の構想を語る宇梶さん=16日
 【白老】アイヌ民族の詩人で古布絵作家の宇梶静江さん(88)=埼玉県在住=が、アイヌ文化の体験や交流の拠点とするため、胆振管内白老町の民家を借りることになった。来年のオープンを目指し、11月にも移住する。宇梶さんは「アイヌも和人も共に、アイヌとは何かを考え、語り合える生活空間をつくりたい」と話す。
 宇梶さんは16日、同町を訪れ、家主と契約を結ぶことを確認した。拠点とするのは、約200坪(約660平方メートル)の敷地にある木造平屋建ての倉庫付き民家。住居部分ではアイヌ民族の踊りなどを体験してもらったり、伝統的な料理を提供したりする。倉庫は宿泊施設にするほか、庭は遊び場として開放する。運営は寄付や来客者の利用料で賄う予定だ。
 宇梶さんの活動を支援する道内外の学者や出版社社長、建築家らも、アイヌ民族の視点を軸に文化や歴史を考える学問「アイヌ学」を研究したり、学んだりする場として活用する。知人のつてや立地条件などから白老町に決めたという。
 日高管内浦河町出身の宇梶さんは23歳で上京。首都圏からアイヌ民族の権利回復を訴え続けてきた。民家は白老町にある国のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」にも近く、宇梶さんは「アイヌ文化を伝える上で相乗効果になればうれしい」と話す。白老アイヌ協会の山丸和幸理事長は「宇梶さんの人生経験や苦労を若者が知る良い機会だと思っている。アイヌ文化を伝承するためのヒントを得てほしい」と歓迎。戸田安彦・白老町長も「アイヌ文化を発信する大きなツールが増える。連携していきたい」と期待を寄せる。
 宇梶さんの活動についての問い合わせは、支援者の井上千晴さんへメールainugaku@gmail.comか電話080・5459・7788(平日午前10時~午後5時)。(大沢祥子、小林彩乃)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/590087

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