私の友達がITALIA製Moto Guzzi BREVA 750なるバイクの中古を買ったけどアイドリングが効かないので見て欲しいとの相談がありました。
バイクの整備はラビットスクーターは子供の頃から馴染んではいるけど外車は?
まっ見るだけも勉強になるかと出かけました。
確かに始動は良いけどアクセルを戻すと3000から2000RPM以下でストンと止まる。
燃料か点火がストップしている感じで、アイドルスクリューの汚れだともう少し違った感じがある。
とりあえずダウンロードしてあった英文の整備マニュアル(今は車も無線機も結構ネットで無償でダウンロードできる)を参考にEFIエンジンなので、プラグの状態・燃料・空気量・アクセル開度関連のセンサー周りを点検したけど異常が見られず。
マニュアルには専用機器での自己診断チェックは記載してあるがサーキットテスター等を使用した簡易的な方法は記載してなかった。
これだけで一日を費やしたが、冬とは云えお日様も差してポカポカで庭での作業は快適だった。
回路図を何度も眺めているとセンサーの中に一つ気になる奴が「バンクアングルセンサー」
バイクの傾きに応じて内部の接点がON/OFFされる。
友人曰く、「ウィンカーを使った後に、バイクの傾きが戻ると自動的にウィンカーが戻るためのセンサーでは?」とホンダのスクーターはそうなっているらしい。
でこのバイクはと云うと違っていました
このセンサーは転倒時のエンジンストップ制御に使ってありました。
転倒時にエンジンが回転したままだったり、燃料が漏れて火災が起こるのを防ぐため
もしこの部品に不具合があればエンジンは最初から始動できないのでは?と想像するのですが、別な見方をすればコーナリング中にこのセンサーに不具合が発生してエンジンが勝手に止まってしまったら?
「この恐怖は想像以上でしょう」
つまりアクセルを規定値以上に開いていれば、バイクが規定値以上傾いたり、センサーに不具合が生じてもエンジンはストップしない仕組みになっていて、アクセルを戻すとエンジンがストップ可能性がある。
ここに気付けば、このセンサー不良の可能性に気付くはずだった。
偶にいや多くの人が転倒してもひたすらアクセルを握りしめている人もある(笑)
結果としては友人がこのセンサーを疑ってチェックしたら上下逆に取付てあり、バイク転倒状態になっていたと夜連絡がありました。これを正規の位置に取り付けたらアイドリングは正常になったと
これでは全てが明らかに、しかし前オーナー曰く「エンジンも始動するしアイドリングも調子良いよ」この言葉が全てを迷路に入り込ませる呪文だったのです。
何処でこのセンサーが上下逆になったかは今もっても謎です。
良い勉強になりました。