恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

3/13(火)一之輔・天どん ふたりがかりの会 新作江戸噺十二ヶ月(笑)べすとばん

2018年03月14日 | 噺とか
長いタイトルで恐懼に堪えません。
一之輔師匠と天どん師匠が江戸を舞台にした新作落語を披露する会です。
レギュラーの会は最終回にかろうじて見に行くことができたのですが、
今回からはベスト版ということで、過去の作品を選りすぐって披露されます。

きいち「小噺(熊の胆)」
-ごあいさつ-
天どん「ひとり相撲」
一之輔「吟味婆」
-仲入り-
一之輔「長屋の雪見」
天どん「つゆ待ち傘」

・天どん師匠の「ひとり相撲」は3回目ぐらいかな?
 両国で聴いたのが初めてだったと記憶していますが、
 噺の構成やら細部が変わっておりました。
 そして、今回はベスト版ということで本来用意されている3種類のサゲが、
 観客の意向によらずすべて披露されました。
 これはこれですっきりするというかお得感があるというか。
 途中、相撲取りの名前「一の富士」と「二の鷹」の名前がごっちゃになるハプニング。
 いや、これはれっきとした計算なのか・・・

・一之輔師匠の一席目は「吟味婆」。
 箱根の関所を舞台にした吟味婆とよばれる仕事をする老婆とのお話ですが・・・
 いや、もう設定は古典なんでしょうが108歳の老婆がちくわを食べに豊橋に行く、
 というあたりからもういい意味でハチャメチャ。
 こういう古典があってもよさそうな感じですが、

・一之輔師匠の二席目は「長屋の雪見」でした。
 タイトルといい、噺の入りといい季節の「長屋の花見」を彷彿とさせますが、
 まぁとにかく各所に落語の他の噺のエッセンスが交えられており、
 落語好きな人には随所に笑えるポイントが用意されていたかなと。
 冬に聞く噺としては寄席でも十分に楽しめるだろうなと思います。

・天どん師匠がトリを務めて「つゆ待ち傘」。
 なんとなくしっとりとしていて、しんみりとくる噺。
 エンディングのトークで、一之輔師匠が自分でもやってみようと思っている、
 という話をされていましたが、それもうなずけるかな。

普段からひいきにしている二人の噺家さんの会だったのでとにかく贅沢な時間でした。
とはいえ、展開を知らない新作4席はやる側も聞く側も疲れが出る、
というのは本当に言いえて妙だなぁと思いました。
まして仕事終わりで駆け付けて終演が21時半ですからねぇ。
満足感もありつつ、ちょっといろいろと考えてしまったり。

※オープニングトークで林家九蔵襲名問題についてあれこれ見解を話されていたのも面白かった。

恐懼謹言。
コメント
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