恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

3/17(土)池袋演芸場 昼~夜通し

2018年03月17日 | 噺とか
3月中席の夜はどこの寄席も熱い顔付けになっております。
鈴本が白酒師匠、末廣亭が文蔵師匠で池袋が白鳥師匠。
もう、どこをとっても当代人気の噺家さんがトリを取っているわけですが、
なかでも池袋の顔付けがもう抜群で、久しぶりに昼夜の通しです。
長丁場なのですが、バラエティに富んでいて、時間を感じさせませんでした。

【昼の部】
歌つを「初天神」
あんこ「牛ほめ」
三語楼「やかんなめ」
紫 文「粋曲」
菊志ん「転失気」
扇 好「あくび指南」
マギー隆司「奇術」
ひな太郎「紙入れ」
歌る多「宗論」
ロケット団「漫才」
馬 石「時そば」
-仲入り-
三 朝「代書屋」
小満ん「長屋の花見」
楽 一「紙切(忠臣蔵・卒業式・貴乃花親方・父の顔)」
歌 奴「御神酒徳利」

・歌る多師匠の「宗論」は初めて聞くバージョン。
 キリスト教にはまっているのは息子ではなくて娘。
 現代風のアレンジで、わかりやすくていいですね。

・ロケット団は時事ネタ満載でたっぷりと。これがさすがだよなぁと。
 財務省の書き換え問題から麻生大臣、安倍首相のモノマネあたりがツボ。

・歌奴師匠の「御神酒徳利」は寄席では初めて聞きましたが、秀逸ですね。
 噺に引き込まれるっていうのはこういう感じです。
 時間を感じさせないですねぇ。

【夜の部】
あおもり「道具屋」
めぐろ「あまがみ」
丈 二「公家でおじゃる」
ニックス「漫才」
彦いち「つばさ」
はん治「妻の旅行」
ストレート松浦 「ジャグリング」
小ゑん「長い夜・改Ⅱ」
扇 遊「天狗裁き」
-仲入り-
天どん「新作(「叱られたい?」)」
燕 路「もぐら泥」
二 楽「紙切り(戦え!おばさん舞台・隅田川母娘)」
天どん「反対俥」
白 鳥「ギンギラボーイ」

・彦いち師匠の新作は池袋では初だそうです。
 パラレルワールドを題材にしており、人間に羽が生えていたら、という設定。
 羽を広げて飛ぶ姿が後から出てくる小ゑん師匠の「長い夜」の空のようですが、
 噺にぐいぐい引き込まれます。

・天どん師匠はいつもながら客の多数決でネタを決定。
 しっかり笑える定番と、一度しかやっていない新作で決を採りましたが、
 そこはさすが池袋のお客さん。後者を取りました。
 どこかの落語会で一席かけたきりという新作で、題は不明。
 40代と60代の会社員が六本木の高級そうな喫茶店に行く話。
 18世紀のコーヒーカップをつい壊してしまって、というところから話を展開。
 年が倍以上離れた年下から叱られくない、でも女の子には叱られたい、という、
 なんというか、そんな話。シュールといえばシュール。

※二楽師匠の紙切りの際に衝撃の事実発覚。
山手線が人身事故でトリの白鳥師匠が楽屋に入っていないと。
こういう時にヒザが繋ぐわけですが、それでもどうにもならないと、
まさかの天どん師匠が2席目を披露。
花粉症の車夫が登場する「反対俥」でした。
25分遅れで白鳥師匠が到着。
巣鴨で足止めを食らい、新板橋まで回ってタクシーで到着するというバタバタ。
こういうアクシデントも、生の演芸ならではという感じで、
会場の一体感はますます高まります。

・で、遅れての白鳥師匠「ギンギラボーイ」でした。
 田舎の薬局で老夫婦が経営難の打開策として惚れ薬を開発する話です。
 相変わらずの伏線回収が秀逸だなぁと感じさせられます。
 鈴本で養命酒をネタにしたら訴訟寸前までいった件や、
 白鶴寄席で氷川きよしをネタにしたら社長から激怒された件などなど、
 相変わらずの白鳥師匠らしさを披露しながら爆笑続きでゴール。
 時間も許容されていた20時45分きっかりで終わりました。さすが。

午前と午後で全く違った性格を見せた池袋演芸場でした。
そして、なんといっても夜の部でアクシデントに見舞われながらも、
チームプレーで繋いでいくのはまさに寄席ならでは。
貴重な回にいられたことがなんとも幸運に思えたり。

恐懼謹言。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする