恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2/20(水)鈴本演芸場夜席(主任:春風亭百栄)

2019年02月20日 | 噺とか
2月中席の鈴本演芸場、しかも夜席に2度足を運ぶことになりました。
というのも、前回に引き続き、節分の豆まきで入手した招待券を利用する目的もあるのですが。
もっとも、前回は白鳥師匠の代バネでしたので、改めて百栄師匠のトリを見ようというわけで。
千穐楽というだけあって、そこそこの人の入りではありますが、
夜席ならではの比較的のんびりした雰囲気で進行します。

だいなも「狸の鯉」
馬るこ「時そば」
翁家社中「太神楽」
青 森「怪獣に愛の手を」
圓太郎「真田小僧」
ホームラン「漫才」
天どん「タラチネ」
藤兵衛「短命」
-仲入り-
アサダ二世「奇術」
文 菊「猫と金魚」
正 楽「紙切り」(時そば・ミニーマウス・お雛様)
百 栄「マイクパフォーマンス」

前座のだいなもさんは百栄師匠のお弟子さんということは知っていましたが、
今回初めて顔と名前が一致しました。
途中から入ったのですが、なかなかいい感じ。
ちょっとしたくすぐりもまた笑いを誘っていました。

馬るこ師匠、駒治師匠との交互出演。
ただの「時そば」かと思いきやとんでもない。
やはりこの師匠、古典をやるときもただでは済まさないですねぇ。
沖縄小噺を入れてきたり、なんだかもういい具合にいじくりまわす。
改めて注目したい噺家さんです。

翁家社中は通常とはちょっとネタを変えてきています。
小花さんの通常は五階茶碗ですが、これが花籠鞠に。
和助さんの土瓶の曲芸は出刃皿に。
その他、最近では傘で回さなくなったもの、など趣向を変えてきます。
こういうところ、素敵ですね。

青森さんは前回と同じく「怪獣に愛の手を」。
あとから出てくる演者もいじっていましたが、日に日にこなれてきて口演時間が短くなる、と。
たしかに前回見たときは18分ほどやっていましたが、今回は15分きっかり。
サゲの部分も少し変化が見られましたが、これが成長ということなんですかね。
人様の情報によると、この10日間ほとんどこの噺か「スピード狂の詩」だったようです。
古典なら前座時代にあれこれと鍛えたのでしょうが、やはり晴れの舞台とあって新作勝負なのですね。
さて、どう化けていきますか。

圓太郎師匠、前回と同じく青森さんはいじりつつ噺を始めます。
しかしまぁ、ここに来て圓太郎師匠の幅の広さと円熟味がいいなぁと再認識。
寄席の中でこういう働きをされる師匠ってすごく貴重だなと思います。

白鳥師匠の代演で天どん師匠。花粉症が相変わらずつらそうなのに、
なぜか言い立てのある「タラチネ」を選ぶあたりが素敵。
この噺、何度も当たっていますが、いいですねぇ。
客を引かせつつもしっかりと笑いを取る。

アサダ先生もいつもとちょっと違った紐のマジックとトランプマジック。
千穐楽だとこういうこともあるのかな。

正楽師匠の鋏試し「相合傘」は百栄師匠バージョン。
お、と思いましたが真っ先に熱烈な女性ファンが持って帰りましたよ。
ときどきこういう変化球があるから鋏試しも油断なりません。
ただ、注文はルーティンを終えてからにしていただきたいなぁ。
フライングはいただけません。

トリの百栄師匠、初めて聞く「マイクパフォーマンス」。
マクラでホール落語でのインタビューをネタにしたものをたっぷりとやり、
これでかなり時間を消費してしまっていました。
何をやるのかなぁと思いきや、かなりの過激なネタへ。
権太楼師匠とさん喬師匠を登場させて、もうあれこれ言いたい放題。
絶対に放送にはのせられないだろうし、
そもそも当人に聞かせたらどうなってしまうんだろうとハラハラしてしまいます。
時間的には決して長い噺ではないのですが、このインパクトは物凄いものがありました。
鈴本さん的にこれはOKなのかという心配もありますが・・・

ということでトリが違うと雰囲気も違う。
そんな2月中席を満喫いたしました。

恐懼謹言。
コメント
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