あの日あの時間以降、あまりにも数多くの問題が同時進行で噴出してきている。
予告も無く一瞬にして家族や肉親や家財・車などを失ってしまった東日本太平洋側の市町村での被災地は
いまだにたいへん過酷な状況だし、
さらに原発事故の福島は、放射能問題がかぶさり、今後自分の家にもどれるのかも全くわからない状況。
まだまだガソリンも不足していて外に出かけることも慎重になっているし、
NHKニュースを見るたびに暗くならざるを得ない毎日。
そんななか、自らも被災した自閉症の男の子が、非難している女川の小学校の音楽室にあったピアノをたまたま弾いたら、
被災者達からこころが癒されるとの大変な評判となっているという話が聞こえてきた。
避難所では体調管理の面から毎朝みんなで体操を実施しているようで、
そのときにたまたまそこに避難している自閉症の彼がラジオ体操のピアノを弾けたため、
いまでは毎朝彼のピアノにあわせてみんなでイッチニとやっているとのこと。
また、いろいろなポピュラーな曲をリクエストで弾いて、避難所では話題になっているらしい。
彼の奏でる音楽が、避難所で生活されている方々にとって、なにかプラスに作用しているのは間違いないようだ。
音楽を聞くことで、自分達の過酷な生活状況が改善されるわけはなく、空腹が満たされることもないはずだが、
避難所の皆が、彼がピアノを弾くときには笑顔で集まってくるという。
これがよく言われるところの「こころの癒し」なのだろうか・・
今の時代に、私達の音楽は、今何ができるのだろう