12月の或る日の強風により7MHz帯のアンテナの方位が大分ずれた事は解っていたが12月は例年と比較して寒い日が続きタワーに上がるのが億劫で其の侭にしていたが段々とローテーターの指示とアンテナの方向が大きくズレて最終的に180度程に成ってしまった。此処までズレてしまうとコントローラーの真南指示でアンテナは真北に成りアンテナの方向を一々外に出て見なくても判断出来るのだがアンテナを北東に向けてUSAと交信して次にEUと交信する場合に(正常で有れば90度の振り返しでO・Kだが)真北で本体のストッパーが働く為に一度南方向を経由してアンテナを振らなければ成らず時間が掛かって面倒な事、此の上無い情況、其れでも2週間ばかりは此の状態で運用していたがUSAとEU以外と交信する場合は其の換算が面倒で特に海外との交信は夜や早朝が多く周りが暗い時に態々玄関に出て目視しなければ成らず寒さも加わり面倒くさい。
物ぐさな私でも流石に辛抱出来なく成り遂にタワーに上がりアンテナ方向の修正をしなければと身支度をしていたら奥方より「正月早々に高い所に上がって怪我でもしたら如何するん!病院も休みだし馬鹿な事は止めといて近所の笑い者に成るわよ」と言われ「其れもそうだな?」と思い一度は思い留まったが矢張り運用して居ると極めて不便、夕方の16時頃に奥方に隠れて身支度をしてタワーに上がる事にした。何時もの様に上がり始める前に1分間くらい掛けて精神統一してタワーの支柱に手を掛けたら「冷たい!」と思わず声が出てお尻の下辺りの太腿の筋肉がピリピリと痙攣した。しかし此の程度の事で諦める訳にはいかない最上階の作業台まで一気に上ったが素手では流石に冷たい。
上がってアンテナを人力で回してみると可也重いが少し動いたので此れでは駄目な筈、風の悪戯も有った様だがアンテナの回転停止の段階で働く慣性モーメントにより少しずつ方位がズレて行き着く所(ローター本体のストッパーが働く真南方向)まで行った状態に成っていた。元々、台風時の強風によりローテーター本体が壊れない様に少しルーズにマスト・クランプは締め付けるようにして居るのだが其の締め付けが弱過ぎた感触なのでアンテナ方位を合わした後に前回よりも少し強く増し締めをして対応したが私の予想では再度症状が出る様なのでマストクランプの補強が必要に思えた。
此のアンテナのオリジナルの総重量は約40Kg弱、程度だが現在はブームを上下2本のダブルにしてエレメントも強化した為に総重量はオリジナルの約2倍に成って居るがマストクランプは強化せずにオリジナルの物を使用した為に慣性モーメントに寄りマストクランプのマスト・ポールに当たるギザギザ加工部分の山が可也磨耗して潰れていたしマスト・ポールのドブ漬け部分が削れて鏡面状態に成っていた。
今回はシメラーを持って上がって居なかったので(高所で私一人でのアンテナの持ち上げは出来ても固定時にアンテナが下がり上手く固定出来ない)マストクランプの取付け位置を上げる事は出来なかったが近日中にマスト・クランプを強化したり取付け位置を少し上げてマスト・ポールの鏡面状に成った部分の錆び止め対応をしなければならない。今回の作業に要した時間は40分程度であったが日が落ちると温度がドンドン下り体は冷え切った状態、タワーから降りて直ぐに御風呂に飛び込んだ。
昨年から続くアンテナ関係のトラブルにより今年も高所作業が続きそうな状態で第二タワーのローテーターの交換もKP1(ナバサ島)のDXぺディションが始まる前にはしなければならず暫くはタワー昇り降りが続きそうである。
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