仲よしの作家の友人、石井睦美さんの新刊です。
一本のミュージックビデオから生まれた物語だそうです。
そして更に、この小説は映画化も控えているとか。
まさに、メディアミックスの時代の先端をいっている企画から生まれた物語と言えそうです。
主人公はミュージシャンを目指しているストリートミュージシャンの19歳の男子学生。
そしてヒロインは、バレイの才能を持ちながら、耳がきこえないというハンディをかかえた同じく19歳の、繊細さとイノセンスを持ち合わせた少女。
そのふたりの切ない恋の物語です。
石井睦美さんは児童文学者でありますが、数年前『パスカルの恋』で朝日新人文学賞を受賞するなど、すでにいくつかの大人の小説も書いていらっしゃる作家でもあります。
彼女の物語世界は児童文学でも、それが大人の小説であっても、いつも純度が高く透明に澄みきっている心地よさがあります。
作中で、音楽プロデューサーが主人公の「歩」にこんなふうに語るセリフがあります。
「・・・傷つきたくないとしっかりガードしたこころの奥深くに、それは手付かずのままあって、出口を求めている。そこにきみの歌声は手を差し伸べて、硬く閉ざされた扉を開けることができるんだ。きみの歌はとても個人的でいて、だからこそ聴く人間それぞれが自分のことだと思える」
この言葉は、この作品を読者として受け止めたときの、この物語の本質を語っていることばでもあるような気がします。
忘れかけていた、それぞれの奥底に眠っているイノセンスなこころを揺さぶる・・・。
まさに、窓越しに差し込んでくる、あたたかな春の日差しのようなやわらかな、胸をうつ物語です。
どうぞお読みになってみてください。
一本のミュージックビデオから生まれた物語だそうです。
そして更に、この小説は映画化も控えているとか。
まさに、メディアミックスの時代の先端をいっている企画から生まれた物語と言えそうです。
主人公はミュージシャンを目指しているストリートミュージシャンの19歳の男子学生。
そしてヒロインは、バレイの才能を持ちながら、耳がきこえないというハンディをかかえた同じく19歳の、繊細さとイノセンスを持ち合わせた少女。
そのふたりの切ない恋の物語です。
石井睦美さんは児童文学者でありますが、数年前『パスカルの恋』で朝日新人文学賞を受賞するなど、すでにいくつかの大人の小説も書いていらっしゃる作家でもあります。
彼女の物語世界は児童文学でも、それが大人の小説であっても、いつも純度が高く透明に澄みきっている心地よさがあります。
作中で、音楽プロデューサーが主人公の「歩」にこんなふうに語るセリフがあります。
「・・・傷つきたくないとしっかりガードしたこころの奥深くに、それは手付かずのままあって、出口を求めている。そこにきみの歌声は手を差し伸べて、硬く閉ざされた扉を開けることができるんだ。きみの歌はとても個人的でいて、だからこそ聴く人間それぞれが自分のことだと思える」
この言葉は、この作品を読者として受け止めたときの、この物語の本質を語っていることばでもあるような気がします。
忘れかけていた、それぞれの奥底に眠っているイノセンスなこころを揺さぶる・・・。
まさに、窓越しに差し込んでくる、あたたかな春の日差しのようなやわらかな、胸をうつ物語です。
どうぞお読みになってみてください。