昔からの友人の作家、佐野久子さんの新刊です。
大きなミモザの木のある旧いおばあちゃんの家。
離婚した母さんと、主人公の「リエ」はおばあちゃんの看病のために、その家に引っ越してきました。けれど、入院していたおばあちゃんは、じき亡くなってしまいます。
あとに残された母と娘ふたりだけの暮らしと、空からふってきたように、突然現れ、そのまま居ついてしまった猫の「キナコ」
記憶が少しずつ曖昧になっていくおばあちゃんが、とつぜん呟いたのがこの「キナコや」という猫への声かけでした。
それはずっと昔、まだおばあちゃんが子どものころ飼っていた猫の名前でした。
この猫の「キナコ」を横糸に、物語は進んでいきます。
母さんの幼なじみで、事故で5歳の息子をなくしその後離婚した「庄司さん」と母さんとの関係。揺れながらそれを見つめる「リエ」。別れたパパの新しい家族。
そして物語は、1枚の絵を巡ってのあれこれへと発展していきます。
読みながら、いつのまにか人生を生きぬくための力がふつふつと沸きあがってくるような気がしていました。
鮮やかな絵と、繊細で美しい文章が、それを力強くあと押ししてくれているようでした。
ぜひお読みになって下さい。
大きなミモザの木のある旧いおばあちゃんの家。
離婚した母さんと、主人公の「リエ」はおばあちゃんの看病のために、その家に引っ越してきました。けれど、入院していたおばあちゃんは、じき亡くなってしまいます。
あとに残された母と娘ふたりだけの暮らしと、空からふってきたように、突然現れ、そのまま居ついてしまった猫の「キナコ」
記憶が少しずつ曖昧になっていくおばあちゃんが、とつぜん呟いたのがこの「キナコや」という猫への声かけでした。
それはずっと昔、まだおばあちゃんが子どものころ飼っていた猫の名前でした。
この猫の「キナコ」を横糸に、物語は進んでいきます。
母さんの幼なじみで、事故で5歳の息子をなくしその後離婚した「庄司さん」と母さんとの関係。揺れながらそれを見つめる「リエ」。別れたパパの新しい家族。
そして物語は、1枚の絵を巡ってのあれこれへと発展していきます。
読みながら、いつのまにか人生を生きぬくための力がふつふつと沸きあがってくるような気がしていました。
鮮やかな絵と、繊細で美しい文章が、それを力強くあと押ししてくれているようでした。
ぜひお読みになって下さい。