20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『八月の濡れた砂』

2011年06月29日 | Weblog
              

 ご存知、藤田敏八監督の映画『八月の濡れた砂』
 でも私が印象に残っているのは、この映画より、ラストシーンに流れる石川セリが歌っているこの「八月の濡れた砂」の歌です。(写真は若かりし頃の石川セリ。サイトからお借りしました)
 映画に描かれているのは70年代。学園紛争に挫折した若者たちの気だるい生活です。湘南の海が舞台です。

「あの夏の光と影はどこへいってしまったの」
 石川セリの、透明感があるくせにセクシーな歌声は、いまでもときどき聴きたくなって、その歌のYouTubeをお気に入りに入れています。

 もうひとつ、海を舞台にした映画と言えば、アラン・ドロンの『太陽がいっぱい』
 これは中学一年のとき、高校三年、大学受験前だった姉と映画館に観に行きました。
 秩父市にある「革新館」といって洋画ばかりをやっていたその映画館に入るのは、勇気がいることでした。
「キスシーンのある映画」=「洋画」と当時は認識している人が多く、そういう映画館に足を運ぶのは「不良」としてのレッテルを貼られたものです。
 姉と私は、その「不良」をいったい、何回やったでしょうか。
 優等生のカガミのような姉とふたりで。

 もうあれから長い年月がたっているのに、それらがときどき胸をゆりうごかします。それはすべて音楽のせいです。
 映画のラストに流れる音楽とワンセットで、あの時のシーンが浮かんでくるのです。
 私はいまでも、あの日の棘に刺されたような気持ちに突き動かされ、ときおりそういった映画音楽を聴きたくなります。
コメント (2)
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