今夜は、隔月に行っているBe子どもと本という読書会です。
今月のテキストは『坂の途中の家』(角田光代作・朝日新聞出版社)です。
裁判員裁判の補充裁判員に任命された、小さな子どもを持つ母親が、赤ちゃんを殺してしまった同い年くらいの被疑者と向き合う心理サスペンスです。
読んでいて苦しくなるくらい、人間たちがリアルに描かれています。
読みながら何度も「救いがないな」と、重い心になりましたが、それよりなにより角田光代の筆の力に感嘆しました。
無駄なノイズがない。
文章がこなれている。
文章と文章のつなぎ目にほころびがない。
人間の内面にとことん寄り添って、人間をくっきり描いている。
あ~、それにしてもしんどい作品でした。
この作品、推薦したの、私でしたっけ?
おまけに、すごい人気で図書館でなど借りられる代物ではありません。リクエストしても半年か一年待ちです。
ですから、みなさん、きっと買ってお読みになったのですよね。(私もですが)
でもやっぱり、角田光代って、すごい!