スペインのプラド美術館所蔵 「ゴヤ 光と影」が、上野の国立西洋美術館で、開かれています。
傑作とされる「着衣のマハ」をはじめ、ゴヤの独創的な世界が展開されています。
ゴヤは、若くして宮廷画家として認められ順風満帆な人生を送っていますが、ある日耳が聞こえなくなってしまいます。
そのせいかどうか、彼は陰惨な暴力を描くことが人間社会に偏在する負のファクターとして捉えていたようです。
展示は、素描が多かったですが、そこには常に階級社会への不条理や、狂気と無分別といったものがテーマとして掲げられていました。
見ていて息苦しくなってしまうくらい。
反面、宮廷画家として、国王を描いた鮮やかな色彩などからは、スペインの明るさを感じたりします。
けれど晩年になるに従い、テーマはますます闇の中の正気と奇っ怪さと逸楽と暴力がカリカチュアされたものになり、気が重くなっていきます。
NHKの日曜美術館で紹介され、興味を抱きましたが、実際に鑑賞したゴヤは、どうやら私の中では、苦手な部類の画家に入りそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます