20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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ガラスの剣山

2018年08月07日 | Weblog

          

 剣山といったら、昔から、鉄でできているもの。

 剣山、あの剣山です。

 お花を行ける時に、花器に入れ置いて、そこに、お花を挿していきます。

 それが剣山。

 

 30代の頃、草月流のお花を少しかじったことがあります。

 真(しん)、福(そえ)、控(控)

 そんな基本など、取っ払って、草月のモダンさだけを、我流で追求しました。

 ・・・というか、先生が懐の広い人で、「加藤さんは、基本からやれって、いっても、ダイナミックな、もうすでに形になっている草月に憧れ、それを自分も、今すぐに生けたいのだから、しょうがない。他に専門の仕事を持っているのだから、好きにやればいい」と。

 

 お稽古というのは、やはり、じっくり基本から入り、基本をマスターした上で、自分流の美意識を作り出していかなければ、早晩、ゆきづまります。

 そのお手本のように、私はどんどん墜落して行きました。

 気持ちとしては、秋に、真っ赤なツルウメモドキなどが、お花屋さんに入ると、うずうず。

 買ってきて、青山の草月会館で買ってきたいくつかの花器に、それを生けたりました。

 お正月にもお花を生けます。

 でも、どれをやっても、なんだか、しっくりした感じに仕上がりません。

 

 基本をやっていないので、我流の美意識でだけでは、伸びしろもなく、縮こまるばかり。

 あれ以来、かれこれ数十年は、見るだけの人になっています。

 でも、こんなガラスの剣山などを見つけると、また、体のどこかが、うずうずします。

 秋になったら、もう一度、ツルウメモドキに、チャレンジしてみようかな、なんて・・・。

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