20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
毎日更新。児童文学情報・日々の暮らし・超高層からの眺望などニュース満載。

「母べぇ」

2008年02月11日 | Weblog
 さっそく、観てきました。「母べぇ」を。
 吉永小百合の映画は、北海道の開拓の(タイトルを忘れました)や、従姉妹に「どうしても観たいから」と誘われて(その日は舞台挨拶があって本物の吉永小百合を見ました)渡哲也と共演した映画(これもタイトルを忘れました)を観ましたが、もうがっかり。
 そんなこんながあって、「母べぇ」を、観ようという気持ちがそがれていました。
 
 でも、感動しました。
 吉永小百合への抵抗がはじめて、とけました。
 彼女が原爆の詩の朗読をもう何十年もライフワークで続けているという彼女の生きることへのスタンスを、この映画を観てはじめて納得できました。
 思想犯として投獄されている、夫の生きる姿勢を見つめるひたむきな彼女の瞳を、とても美しいと思いました。
 
 とにかく、ぜひご覧になってください。
 
 泣き虫の私ときたら、映画を見終えて数時間たった今も、まだすっかり目を腫らしたままです。
 
 
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「子どもの本・九条の会」運営委員会

2008年02月10日 | Weblog
 今日は午後一時から目白で、「子どもの本・九条の会」の運営委員会でした。
 終わってみなさんと、おいしいカフェでパンプキンタルトを食べながら、おいしい珈琲を飲み、おしゃべりをして帰ってきました。
 
 その折り、山田洋次監督の映画「母べぇ」のお話がでました。そこにいらした8割の方がご覧になっていらして大絶賛でした。

「昔のインテリっていうのを目の当たりにした」とか「あの役者がよかった」とか「あのシーンをもう少し見たかった」などなど・・・。
「泣いて、笑って、最後には背筋がぞっとした」「いま、もう外堀が埋められ、内堀も攻められていることに、気づかなければいけない。だからこの会が大事なんだ」
 みなさんのお話を聞きながら、私も「母べぇ」を見たくなってしまいました。
 明日にでも、いこうかな。


<子どもの本・九条の会>設立のつどい
  ~平和あっての、子どもの本~
 4月20日(日)13:30~16:30
 オリンピック青少年センターにて、大々的に行われます。
 ぜひ予定に入れておいていただき、ご参加ください。
 また改めて宣伝告知をこちらで、いたします。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「首を、チョンと切るぞ」

2008年02月09日 | Weblog
 お昼頃にはちらちらと雪もよいでしたが、かろうじてとどまっているようです。
 このところ、週末になると雪になるので心配しています。
 来週の土曜日には出版記念パーティがあるのです。
 
 先日、ひとりでお昼ご飯を食べながら「笑っていいとも」を見ていたら、「てるてる坊主」の3番を出演者全員で歌っていました。
 
 3番の歌詞を、みなさんはご存じでしょうか?
 ただのかわいらしい童謡だと思っていた「てるてる坊主」でしたが、なんと3番には、グリム童話のような「闇」が潜んでいたのです。

 てるてる坊主 てる坊主
 あした天気に しておくれ
 それでも曇って 泣いてたら
 そなたの首を チョンと切るぞ

 そなたの首を、チョンと切るぞ、ですよ。
 童謡のくせにダークですよね。
 
 お話がちょっと逸れますが、日本画家のKさんが、いつだったか、みんなでお酒を飲みながら童謡を口ずさんでいたら
「「月の砂漠」って歌は、心中の歌だね」
と、つぶやいた時もびっくり仰天しましたが。
 
 童謡の表面的なかわいさに騙されてはいけません。ふわふわの甘いお菓子の底には苦いスパイスが隠されているのですから。
 でもそれって、子ども時代からちゃんと「人生、そんな甘いものじゃないのよ」と先人たちが教えてくれていたということなのでしょうか?

 とにもかくにも問題は来週の土曜日です。てるてる坊主さん、首をチョンと切られないように心していてください。

 
 そうそう、本日発売の雑誌『PRESIDENT 』に、以前私がインタビューされた様子が出て来ます。「うっとりとした表情で」なんていう記述で。
 もし本屋さんで思い出したら、立ち読みしてみて下さい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

運営委員会

2008年02月08日 | Weblog

 今日は午後から、児文協の運営委員会でした。
 朝から、お夕食のためのスープをことこと煮込み、お昼過ぎに神楽坂に出かけていきました。
 
 1:30~5:30まで、みっちり議論し、疲れ果て、さっき帰宅しました。
 この時期から5月の総会にむけて、児文協はすごく忙しい季節です。

    
 今日は、はじめてメガネで運営委員会に行きました。
 ソフトコンタクトの調子があまりよくない上に、会議で細かい活字をたくさん読まなくてはいけないので、思い切ってメガネにしました。
 みんなの評判は・・・?
 それはナイショ。
  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ぼくの友だち』

2008年02月07日 | Weblog

 「季節風」の屋台骨を支えている、昔からの友人の高橋秀雄さんが『ぼくの友だち』(文研出版)をご上梓されました。
 
 彼は、栃木県宇都宮市在住の児童文学作家です。
 ですから彼の作品には、そういった地方色というか、土着的な色合いの魅力がふんだんに溢れています。
 「季節風」代表のGさんが彼のことを「季節風の野暮」と、そう呼んでいます。その野暮で、不器用で、あったかくて、誠実で、必死に粘り強く他者とつながろうとする、そんな彼の作品の、見事な野暮っぷりは、とてもカッコいいです。

『ぼくの友だち』も、また、そんな物語です。
 バス停で、日光へお父さんを捜しにいく小野くんを雨のなか、見送る「ぼく」のシーンは秀逸です。こういうシーンを書けるところが高橋秀雄です。
 
 こんな「鈍くさい」ところを、地べたを這うように、誠実に書く作家は、高橋秀雄と最上一平くらいしかいないのではないでしょうか。
 そんなところがわたしはとても好きで、おふたりは、もうかれこれ三十年近く、ずっと「わたしの友だち」です。
 
 ぜひ、皆さま、お読みになってください。
 
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CREME MASQUE

2008年02月06日 | Weblog
 また雪がふりだしました。粉雪です。
 鳥たちがあわてふためくように羽ばたき、避難しています。
 
 今日も、ぴりぴりするような寒さです。
 机の上では加湿器が、シュウシュウと心地いい音で湯気をあげています。湯気を浴びていると、お肌もほっとしたように潤ってくるのがわかります。
 
 実はほんのちょっと前に、すごいクリームを見つけてしまいました。ほんとうは公開したくないくらい、すごいクリームです。
 L'OCCITANEの、その名も「イモーテルマスククリーム」(マスク専用クリーム)といいます。
 マスク専用と書いてありますが、私はふつうのクリーム代わりにもこれを使っています。
 
 乾燥した寒い夜には、たっぷりのクリームを、まるでマスクのように塗って寝ると、目覚めるとほっぺのあたりが、ふかふか、つるつる・・・。
 思わずほっぺが、にたにたとゆるんできます。
 立春がすぎた今頃が、きっと一番お肌に大敵な季節なのでしょうね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『<子ども>のための哲学』

2008年02月04日 | Weblog
 私は、時代の空気を知りたくなると哲学書を読みます。
 ドゥルーズの『フーコー』や、ドゥルーズ・ガタリの『千のプラトー』などを。

 作品を書いていて、子どものことをもっと知りたくなると、「子ども」を分析した哲学書を読みます。
 たとえば、永井均の『<子ども>のための哲学』(講談社現代新書)などを。
 断っておきますが、この本は決して「子ども」にむけた簡単な哲学書ではありません。著者曰く「子どものこころを持った』人にむけて書いたのだ、そうです。
 子どもとは何だろう。子どもが大人になるとは、どういうことだろう。そんなことについて哲学しています。
 
 そんなふうに深いところにもぐり込み、子どもの心の奥底を知りながら、あるいは、子どもが抱く疑問の深いところをつかみながら、「子ども像」を作り上げるのも、なかなかおもしろいかもしれない。
 そんなことを思っては、まだ、哲学書が有効に生きたためしがありません。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鷽(木鷽)

2008年02月04日 | Weblog
 雪がふっています。
 家並みは真っ白です。
  
 お正月に、亀戸天満宮で「鷽(うそ)」を買ってきて、このblogでも写真にUPいたしました。
 ところが一昨日、その「鷽」のことを教えてくださった、友人の作家、Kさんが「2008年をよい年にしてください」と、湯島天満宮の「鷽」を送ってくださいました。
 湯島天神の鷽は「木鷽(きうそ)」といって木彫りの鷽でした。
 そこにはこんな文章が書いてありました。

 鷽(うそ)は雀よりひとまわり大きい鳥で、首から頬にかけて美しい紅色、背や腹はねずみ色、頭と尾が黒くきれいな声で鳴く鳥です。
 鷽替えとは、私たちが平素知らず知らずのうちについてしまう「嘘」を木彫りの鷽(木鷽)に託し、天神さまの「誠」のこころに替えていただく除災招福・開運の神事です。

 Kさんからお送りいただいた木彫りの「鷽」は、木のぬくもりのあたたかい飾り物みたいで、すてきです。
 おまけに鷽のかわいらしい表情を見ていると、知らない間に「福」がちょこんと、そこに座っていそうで、しあわせな気持ちになれます。
 こころがふくふくとしてきます。
 
 
 今日は節分。
 夕食がすんだら「福は内、鬼は外」と、声を張り上げ、豆まきです。
 でも昔からの習性で「節分がやってくると確定申告」と脳が、勝手に反応するのが、おかしいです。
 面倒な季節が今年もまた、やってきましたね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スタンバイOK

2008年02月02日 | Weblog
 25日の手術にむけての事前検査が終わりました。
 これでスタンバイはOKです。
 でも、泣けばすぐ目が腫れるし、内出血にはなりやすい体質だし、術後どんな顔になるか、心配です。
 おまけに、日ごろ愛飲(?)している頭痛薬も、出血が止まりにくくなるから一週間は飲むのをやめなさいと、きつくお達しがありました。

 ここまできたら、まさに、まな板の鯉の心境です。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

amazonのサービス

2008年02月01日 | Weblog
 近頃のamazonは、至れり尽くせりです。
 有楽町の三省堂や、銀座コアビルの中のブックファーストなど、わりと足を運びやすい本屋にもない本が、amazonにはすべて揃っています。だから書店を覗くことはあるけれど結局、買うのはamazonで、ということになります。
 
 例えば、アメリカ現代文学の翻訳家の柴田元幸の本を買ったとします。するとamazonを開くと、彼の本だけではなく彼の系列にある村上春樹の本まで、「おすすめ」として出て来ます。
 時にはメールまで送られてきます。
 本だけではなく、昨年、ペットボトル加湿器をamazonで買ったのですが、そういった生活関連の「おすすめ」まで出てくるのです。
 それだけ行動をチェックされると、仮想空間の中で知らないだれかが、じっと私の行動パターンや、興味を持っている事柄などを、目を凝らし綿密にチェックしているような錯覚すら覚えます。
 ずいぶん前に買った本の関連本 についても、相変わらず「追っかけ」をしてきますし。
 その探偵のような「追っかけ」の中身を見ながら、「数ヶ月前には、そんな本に興味を持っていたんだっけ」などと、ふいに感慨にふけったりするからおかしいです。
 
 でもこのサービスは、書店では決してできないサービスです。
 先日も現在の児童書、流通の問題をある人から伺い、その厳しさに愕然としましたが、amazonのこういった緻密なサービスが広まることで、児童書の売れ行きや寿命などへ、例え少しであっても影響してくれればいいのですが。
 一部の本をのぞいて本が売れない状況の中、取次の問題もふくめ、広く流通の問題について、私たち書き手はきちんと勉強していく必要があるのかもしれません。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする