春の連休を利用して出かけた奈良の話。
一泊二日の日程で、一日は當麻寺での先祖供養、そしてもう一日は明日香散策に充てた。
年2回、彼岸ごとの當麻寺詣ではかれこれ12年になる。
そのたびに奈良のあちこちを回っているが、
明日香を訪れるのは、実は今回が初めて。
訪れる機会はいくらでもあったのだが、
明日香は時間など気にせず、ゆっくり歩きたい場所のひとつで、
できれば、リタイアした後の楽しみとして取っておこうと思っていたからだ。
さて、その明日香。
冒頭で散策と切り出したものの、たった一日をどう有効に使おうか...。
旅慣れた奈良のこと、今さらガイドブックを眺めるのも癪にさわるし、
それで思いついたのが古墳。
それで、事前調査なし、先入観念なく、数ある古墳群を軒並み訪ねてやろうと思いたった。
ところが...
早朝に金沢を出発することで時間は充分にあるはずだったが、三連休で主要道路が大渋滞。
結局は石舞台、高松塚、そしてキトラと、代表的な古墳のみ訪ねるのが精いっぱいとなってしまった。
それでも、元来の歴史好き、
三つの古墳だけだが、ボランティアの方々の話を聞き、展示物を眺めることで、
古代ロマンへ馳せる思いをさらに膨らませることができた。
さらに、明日香の地理を(大まかにではあるが)、把握できたことも大きな収穫で
明日香を漠然と歩いてみたいとの思いも、
年代や史実に絞って歩いてみようかという目的的なものに変った。
ところで...
入江泰吉という写真家がいる。
奈良をよくご存知の方なら、新薬師寺の近くにある写真美術館を思い出すことだと思うが、
半世紀にわたり奈良を撮り続けた人だ。
神社仏閣や仏像はもちろん、奈良の原風景、四季折々の花、
さらには道端にふと佇む道祖神など、大げさにいうなら「あらゆる奈良」がその作品の中に切り撮られている。
また、いくつかある写真集では、被写体に出会った心情を巧みな文章で表現しており、
これはもう文学そのもので、その情景としての写真とともについその世界に引き込まれてしまうのだ。
そんな入江泰吉へのあこがれとともに訪れた明日香。
そう書くと、稚拙な写真なだけに掲載しづらくなってしまうが、春まだ浅い明日香の風景。
「思い」のみ先行して、お恥ずかしい限りだが、「明日香」初心者ということでご容赦を。
なんとなくの選曲は、ボブ・ディランをカバーしたバーズの代表曲。
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Ah, but I was so much older then, I'm younger than that now
あの時の自分より、今の自分のほうがずっと若いのさ...
実は今日が誕生日。ウソのようなホントの話。