終末期を見つめて かあさんの家から 2007/6/1毎日新聞掲載
ホームホスピス「かあさんの家」
庭の白紫陽花が咲き始めました。
この花が咲くと夫の最期のときを思い出します。
彼が最期を過ごした「リスニングルーム」には、いつも白紫陽花を活けていました。
13年前、夫はベッドから起きられなくなっても、病人らしくなりたくないと、おしゃれに身繕いし、リスニングルームにベッドを入れ、好きなモーツアルトやブラームスを聴きながら過ごしました。病院嫌いを貫き通した彼は、最期の三ヶ月、病院の訪問看護、ヘルパーさんの援助、親族や友人の助けを頂きながら自宅で過ごし、安らかに我が家で看取りました。これもホームホスピスだったのでしょうか。
3人に1人が癌にかかると言われる今、医師に余命を告げられた場合、本人はもとより、家族にとっても辛い時期を過ごさなければなりません。その悲しみは当事者でなければ分からない深いものです。
今日の毎日新聞に、宮崎のホームホスピス「かあさんの家」の記事がありました。
「人は死の瞬間まで、その時間がたとえわずかであっても、その人なりの生活が尊重される事を願っています。そして、誰もがいずれ迎える死の悲しみを、癒し慰めたい」
との思いから立ち上げた「かあさんの家」は、大きな施設でなく住み慣れた我が家のような雰囲気です。ここが多くの人々の真の慰めを与える場となりますよう切に祈ります。
ブログに書くには余りにも重いテーマでしたが、多くの方々に知って頂きたいと願い、あえて書いている アカショウビンです。