はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

イラガ

2007-06-22 23:31:35 | アカショウビンのつぶやき




 夏の間、朝一番にすることは、長袖に虫除け帽、軍手に鋏を持って、ブルーベリーのイラガの幼虫探し。
毎朝と言うぐらい、見つかる。体長5㍉程の間は、食害で茶色に変色した葉っぱの裏側に集っているので、葉っぱごととって簡単に駆除できるが、ちょっと留守にすると、成長した虫はあちこちに散らばってしまうので駆除が難しい。
葉っぱに並んだ姿は、整然としているが、地面に落とすと危険を察知してか、隊列を崩し素早く動き回り始める。葉を切り落としたら、すぐ踏みつぶさないと逃げられてしまう。
温暖化のせいか、虫が付く時期が年ごとに早くなってきた。
イラガの幼虫は、見るからにグロテスクで、うっかり触れると飛び上がるような激痛に見まわれる。
 最初に刺されたのは、ブルーベリーを収穫してる最中、腕に激痛が走った。
何が何だか分からないが取りあえずアンモニアを塗って痛みをこらえ、よく見ると、いたいた。角を生やした恐ろしいヤツが動き回っている。
 イソヒヨドリはこの虫が大好物らしく、まるまる肥えたイラガの幼虫を食べている姿を良く見たが…。一方のヒヨドリは熟れたブルーベリーを横取りに来ては、かしましく騒ぎ立てるけれど、虫には興味がないのだろうか。
これから秋まで、毎日毎日、虫取りに挑戦だ。美味しいブルーベリーを守るために。

一向宗末裔かな

2007-06-22 08:14:15 | はがき随筆
 1人の老婆が言い伝えるように語った記憶がある。知覧からのう、天草せえ、そして出水(高尾野)せえ。先祖の来歴を言っている。排除の強い薩摩で天草、が出るのは、政策上の移民ではないと思った。寺の〝こづどん〟なる伯父は、なぜ農民ながら、仏事を頼まれ経を読んでいたのであろうか。観音像を匿していた話を蚕の祭り等に出したのだろう。私はれらの点と線を結び自由に想像してみる。これは、「かくれ念仏」の痕跡かな。少年時、古里は天然の洞穴であった。裏奥の小屋跡地は怪しげであった。鶴喰(つるばん)の姓は番役の謂われかな。
   出水市 松尾繁(71)2007/6/22 毎日新聞鹿児島版掲載