米の研ぎ汁でゆがいた竹の子を、料理に合わせて切る。新鮮なので柔らかく、しかも風味がよい。春の香りがする。何といっても木の芽和えは、この季節ならではの一品である。竹の子を使った料理は数多くあるが、やはり竹の子御飯、わかめのみそ汁等、いただくと何となく落ち着くようだ。長時間煮付けた竹の子料理は、他の食材とマッチして美味の一語につきる。しばらくは、この種の料理が胃袋を満たしてくれる。そして、その結果は薬の世話になる始末。何ごとも程々がよい。腹八分目の言葉を、すっかり忘れていた食事風景だった。
鹿児島市 竹之内美知子(73) 207/6/12 毎日新聞鹿児島版掲載
鹿児島市 竹之内美知子(73) 207/6/12 毎日新聞鹿児島版掲載