山の吊り橋やどなたが通る――去年の冬行って来ました九重、夢吊り橋に。長さ390㍍。高さ173㍍。深い谷間の木々はすっかり葉を落とし、むき出しの岩の間からほとばしる滝を見下ろす。まさに絶景。開業以来、引きもきらぬ盛況とやらで、右側を歩いてくださいと警備の人の叫ぶ声と、切れ目ない列がなかなか進まない。びびっているのは破れジーンズにピアスの若者。私は割と平気で渡り終えたが、ほんとは少し身がズー。昼間の喧噪が止み、夜のとばりがおりるころ、息子亡くした鉄砲撃ちが通る――
指宿市 宮田律子(72)2007/6/18
毎日新聞鹿児島版掲載 月曜特集版-6
指宿市 宮田律子(72)2007/6/18
毎日新聞鹿児島版掲載 月曜特集版-6