15歳を過ぎた老猫千代美は体重5㌔。走ることはほとんどない。一方この春、倒(こ)けつ転(まろ)びつ付いてきて我が家に住み着いた由緒不明の名犬遼太郎は10㌔になった。静と動、対照的な2匹だが、まれに鼻先をなめあっている時など、私たちをどれほど和ませてくれたことか。だが気になるのは千代美で、寄る年波からか猛暑の今夏は食が止まり木陰で動かない。日に日にやせて獣医の注射でも食欲は出ない。そんな千代美をひざに抱きペーストを口に運ぶ妻。食べたと言って手をたたき、自力で食べるまでになった。季節は移り、2人と2匹の平穏な日々である。
志布志市 若宮庸成(68) 2007/12/7 毎日新聞鹿児島版掲載
志布志市 若宮庸成(68) 2007/12/7 毎日新聞鹿児島版掲載