はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

寝床から

2007-12-24 16:49:34 | はがき随筆
 病院の起床は早い。6時半である。初めのころはなじめず、毎朝苦労したものだが、もう6年目となると、むしろ起床時間より早く目がさめてしまう。習慣というものだろう。
 早起きは三文の得というけれど、なるほどその通りだ。誰よりもいち早く新聞に目を通せるし、じっくりと洗面、歯みがき、トイレの用を足すことができる。これで、この一日も、余裕を持って過ごすことができる。
 気持ちの良いものである。病院という閉所で人生の案配を一考するのもよかろうと思う。「十五夜や床ずれの中から見る」などと雑俳もできたりする。
   姶良町 小野美能留(60) 22007/12/24 毎日新聞鹿児島版掲載