はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ゆず湯

2007-12-22 19:11:31 | アカショウビンのつぶやき
 ぐずついた一日だったが、大掃除を強行した。
 この歳になると一人では到底無理なので友人夫妻の応援を戴き、内も外もすっきり片付いた。
 今年は、うまく事が運ばず、例年11月初旬に夏物と冬物を入れ替えるカーペットも今日までお預けだった。冷たい籐のカーペットを外し、やっとホットカーペットに代わり足元が温かくなった。温かいうどんを食べて冬至のユズ湯にでも入ろうかなあ。
 お正月まで、このままきれいに片付いていれば良いのだけれど…(*^_^*)

はがき随筆

2007-12-22 10:59:22 | かごんま便り


 11日朝刊から新しい文字「J字」がお目見えした。従来より面積比で14%大きく読みやすくなった。読者の皆さんの印象はいかがだろうか。
 J字移行と同時に、見た目も一新した。文字が大きくなれば1㌻に収まる文字数が減り、記事=情報量の低下につながりかねない。それを少しでも避けようと試行錯誤を重ね、レイアウトの工夫を凝らしている。
 地域面の人気投稿コーナー「はがき随筆」も体裁は変わったが約250字の枠はそのまま。厳密には1行17字×15行の255文字から14字×18行の252文字になったが長年親しまれた分量を極力変えないようにした。
     ◇
 前任地の小倉以来、はがき随筆を担当して約2年。日々届く投稿に目を通すのは日常業務で最も楽しいひとときだ。
 06年の大賞選者、直木賞作家・佐木隆三さんが「この字数にまとめるのは至難の業」と評されたが同感だ。筆者の体験や感動が、情景が目に浮かぶように、しかも過不足なく書かれていないと読む人の心には響かない。事実を淡々とつづる一般の新聞記事に比べ、はるかに難しいと思う。
 ライフスタイルや人生経験は人それぞれ違う。わずか約250字とはいえ、そうした多様さが投影されるからこそ二つと同じ作品はない。心温まる話題、思わず涙する話、元気をあたえてくれるエピソード……。多彩な表情を持つはがき随筆はまさに地域面の顔だ。
 投稿のタイミングで一言。掲載直後に次作を送ってくる人がいるが、同じ筆者の作品を短期間に続けて採用することは基本的にない。取り置かれた作品は、日の目を見るころにはしばしば賞味期限切れとなる。ころ合いを見計らって送るのがうまいやり方だ。
 最後に、新人の投稿大歓迎です。常連の方々ともども、みなさんのご健筆をお祈りします。
鹿児島支局長 平山千里
2007/12/17 毎日新聞鹿児島版掲載

娘の成長に感謝

2007-12-22 10:54:11 | はがき随筆
 「母ちゃんは、+(プラス)の縦棒がいつも外れて、マイナス思考になってるよ。ブラス思考で行こうね」と10歳の娘は私に言う。ついでに「人前で泣かないでね」としぶい顔をして見せる。
 夫が入院して、もう半年以上がたった。長い間、2人だけど暮らしてみて時々、立場が逆転したように感じる。成長してくれてありがたい、と心から感謝している。
 夫と私のために、こっそり作ってくれているクリスマスカードには「メリークリスマス、父ちゃん母ちゃん、私にはこれくらいの事しかできないけどごめんね」と書かれていた。
   鹿児島市 萩原裕子(55) 2007/12/22 毎日新聞鹿児島版掲載

はがき随筆11月度入選

2007-12-22 10:24:55 | 受賞作品
 はがき随筆11月度の入選作品が決まりました。
△ 鹿屋市寿5、田中京子さん(56)の「手品師」(4日)
△ 鹿児島市上荒田町、本山るみ子さん(55)の「涙のフィナーレ」(2日)
△ 鹿屋市札元2,上村泉さん(66)の「歴史に立ち会う」(28日)
の3点です。

 年の瀬を迎えて、皆さん忙しい毎日ですね。
 田中さんは「手品師」に、自分の宝物は菜園ですと書いています。宝物にはいろいろありますが、思い出の品々、貴重品、宝石などなど。田中さんの宝物はただの菜園ではないのです。庭の一隅にこしらえた畳4枚分ほどのミニ菜園で収穫した葉ネギなどの無農薬野菜は数種類にも及び大満足。<土の力はすごい><手品師のような技を持つ>菜園と表現しています。ものの見方、考え方が面白く「手品師」という題目からきた効果もありますね。
 本山さんの「涙のフィナーレ」は、博多座で公演中のミュージカルの素晴らしさを、自分の感動と観客全員の感動ぶりで表しました。題目どおり、最後は役者も観客も一緒に歌い泣き、拍手が鳴りやまないゾクゾクする感情が伝わってきました。展開がいいですね。
 上村さんの「歴史に立ち会う」は、県議選の買収事件に関する住民集会、地裁の公判など開かれるたびに足を運びました。ある時、中学時代温和であった教え子が、今は一児の母となり集会の前で意見を述べている姿に驚き、さらに全員無罪判決の瞬間にも立ち会えました。強じんな精神の人間になった教え子を見る目が変わった自分がよく描かれていますね。教師という仕事のすばらしさも読み取れます。3作品とも題名がいいですね。
 伊地知咲子さんの「大鳥」(27)もおやっ! と思わせる題目ですね。飛行機が好きで特に<離陸する瞬間が好きである>と書きはじめ、個人の感覚を読み手に分かりやすく伝えています。秋峯いくよさんの「隠しごと」は、長寿のお母さんへの思いやり、小村忍さんの「ギンモクセイの香り」(17日)は、生前のお母さんへの深い思いを述べ、どちらも家族への気くばりがよく書かれています。中田テル子さんは、「夢のお正月」(20日)で、元気よく楽しい正月を迎える気構えを教えてくれました。
 皆さん、良いお歳を!
(日本文学協会会員、鹿児島女子短大名誉教授・吉井和子)

係から
 入選作品のうち1編は29日午前8じ20分からMBC南日本放送ラジオで朗読されます。「二見いすずの土曜の朝は」のコーナー「朝のとっておき」です。

   毎日新聞鹿児島版 2007/12/22 掲載