昔、山陽線で東京行き「はやぶさ」の車窓から見た姫路城に行った。白鷺城の別名通り、白が美しいお城である。
時あたかも山陽の錦秋真っ最中。堀端の柳の黄葉と桜もみじ。城郭の庭の桜ははや落葉して、木の下の紅葉のかさみは自然の醸し出すルビーの観だ。
お城に登り早々におりて城の風格を眺め、石垣のさまをスケッチしていたが、何より桜もみじが気になり拾うことにした。
どれもこれも命終えているが、極みの美しさを色彩に表現している。人もかくあれと思いつつ拾った。お城の白に対照する赤である。
鹿児島市 東郷久子(73) 2007/12/28 毎日新聞鹿児島版掲載
時あたかも山陽の錦秋真っ最中。堀端の柳の黄葉と桜もみじ。城郭の庭の桜ははや落葉して、木の下の紅葉のかさみは自然の醸し出すルビーの観だ。
お城に登り早々におりて城の風格を眺め、石垣のさまをスケッチしていたが、何より桜もみじが気になり拾うことにした。
どれもこれも命終えているが、極みの美しさを色彩に表現している。人もかくあれと思いつつ拾った。お城の白に対照する赤である。
鹿児島市 東郷久子(73) 2007/12/28 毎日新聞鹿児島版掲載