ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

マナスル三山展望トレッキング(4)

2006-10-11 16:53:07 | 山日記
ベシサール

10月3日。6時半カトマンドゥを離れ、このマイクロバスでベシサールへ。

途中のドゥムレまでは、99年にカラパタールのトレッキングを終えたあと、
チトワン国立公園へ遊びに行ったとき往復した懐かしい道です。
(写真は途中トイレ休憩で停まったマレクの町で)


ドゥムレからポカラ、チトワン方面への道と分かれ、マルシャンディ川
に沿った道を登って行きます。
いくつかの村や町を通り抜け、予定より早く11時35分、ベルサール
へ着きました。

チェック ポスト横のレストハウスで昼食。カトマンドゥで積み込んだ
日本料理店「ふる里」の弁当を食べ、冷えたビールを飲みました。

このテラスで見ていると、いろんな国のトレッカーが次々に車やバスを
降りて、トレッキングの手続きをするために隣のチェックポスト(左・
シャッターが見えるところ)に入っていきます。


これがトレッキング許可証。裏に2,000ネパールルピーの領収証が
ホッチキスで止められています。邦貨にして3,400円はこちらでは
大金です。




ベシサールはかなり大きな町で、テント地は正面に見える道をずっと
下って、もうひとつ坂を下りたところのロッジ裏にあります。


草地のテント場はとても暑いので町はずれの河原に降りてみました。
川では女性が水牛に水浴びをさせ、洗ってあげてています。


少しの散歩で汗まみれになって帰りました。食事テントで重廣支部長
のヒマラヤ登山の話を聞いたあと夕食。
日が落ちるとやや涼しくなり、夕食を終えて暗くなる頃にはテントの
前をホタルが飛び交い、♀ペンは大喜びしました。

マナスル三山展望トレッキング(3)

2006-10-11 11:30:14 | 山日記
ダルバール広場
ダルバールとはネパール語で「宮廷」の意味です。
古い寺院が建ち並ぶ旧王宮前の広場は、世界遺産に指定されて
から入域料200ルピーが徴収されるようになりました。(外国人
観光客だけ)


晴れ着姿の鮮やかな色彩が狭い通りを埋め尽くしています。
正面に見えるのはチャシン・デガと呼ばれる寺院です。


シヴァ寺院の基壇を登って縁側にでました。前の建物はシヴァ・
パールヴァティ(シヴァ神と妃を祀る)寺院。
その右手に大勢の人が行列しているのは、右の大きな木の裏手に
あるタレジュ寺院にお詣りするためです。
電線の下にゴミのように見えるのは、お祭りで子供達が上げている
タコ(凧)。


タレジュ寺院入り口のゲート。奥に見えるのは王様一族の守護神を
祀る高さ36.6mの寺院。最近までこれより高い建築物を建てることは
禁じられていました。
庶民が入れるのは年に一度のダサインの期間だけで、日本で言えば
秘仏のご開帳といった感じでしょうか?


カーラ・ヴァイラーブはシヴァ神の化身の一つ、恐怖の神様です。
いつ見ても色鮮やかなのは、ときどき塗り替えられるからでしょう。
剣や人間の生首を持っていますが、どこか漫画ティックで憎めなく、
私の好きな神様です。


まだまだ多くの寺院があり、それぞれが優れた彫刻で飾られて
いますが、先を急ぎましょう。
最後の写真はカスタ・マンダブ。一本の大木から作られたと信じ
られています。
殆どの店がお休みのニューロードを、人々の間を縫うようにして
通り抜けて車に乗り、ホテルに帰りました。

マナスル三山展望トレッキング(2)

2006-10-11 07:37:37 | 山日記
スワヤンブナート
ホテルに荷物を置いて全員で市内観光に出ました。

ネパールは今、ダサインというお祭りの真っ最中です。この国には
雑多な民族が住み、宗教もヒンドゥー教や仏教の他に民俗宗教的な
ものを信仰するグループもあって、いわば年中、何らかの形のお祭
が行われています。
そのなかで最大の秋祭りがこのダサインで、14日間にわたる盛大な
ものです。休日は初日と7日目から14日目までの8日間で、今日は
その7日目にあたります。


スワヤンブナートは小高い丘の上に立つ、ネパールで一番古いと
いわれる仏教寺院です。
モンキーテンプルとも呼ばれるほど猿の多いお寺で、食べ物と間違
えたのかカメラを獲られた人もいました。いつも正面から階段を登って
いたのですが、4度目の今回は車で寺院の左側をかなり上まで登り、
この噴水のある池から正面奥に見える方へ参道を進みます。


始めて見るストゥーパ背後の光景です。
手前に並ぶのは仏龕(ぶつがん)で、その向こうに有名なストゥーパ
が見えます。


ストーパの右手のゴンパ(チベット仏教の僧院)では、厳かに勤行が
行われていました。


「万物の創造者(スワヤンブー)」である大日如来を祀るストゥーパ。
四方には「全てを見通す智慧の目」が描かれています。
手前の白い仏塔はインド様式のものです。


境内からはカトマンドゥ盆地が一望されます。

かってこの盆地は大きな湖でした。あるとき池中央の島に咲く蓮華の
花の上に大日如来が姿を表しました。文殊菩薩がその礼拝に向かう途中、
この地には人々を苦しめる大蛇が住むと聞きました。携えた剣で山を切り
開くと湖も怪物もなくなって、後に肥沃な盆地が出来ました。
文殊菩薩は小高い丘になった島の上にストゥーパを建立し、大日如来を
祀ったという伝説があります。

ところが実際に、カトマンドゥ盆地は3万年前までは湖でした。
文殊菩薩が切り開いたというチョバール付近の山が崩壊して水系が
変わった結果、今の盆地が生じたということが地質調査で判明して
いるそうです。伝説と科学の何と不思議な偶然の?一致でしょう。