時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

憑流 134

2010-12-27 | 読書
旧家・朝比奈家の長男であり
ルックスもさることながら
教養も知性も人間性も文句なしの幸宏と
才色兼備な結城苑香
圧倒的な輝きを放つ美男美女同士の結婚に
披露宴会場は盛り上がっていた

前途洋々順風満帆

しかし
華やかな披露宴会場で
憂鬱な気分に顔を曇らせる人間がいた
一人ではなく三人…

苑香が朝比奈家の一員となって以来
彼女がツキを運んできたかのように
朝比奈家は隆盛を見せる

しかしその一方で
祖母・加奈
母・咲枝の死
長年
朝比奈家に仕えてくれていた
鈴本夫婦の暇乞い
次々と起こる災難
しかも
彼らに共通するのは
‘苑香を快く思っていない人物だったこと’

幸宏の妹・真希は
披露宴の時から感じていた
苑香に対するいいしれぬ違和感を
日増しに募らせていった

祖母と母が
そろって亡くなる間際口にした
‘蛇’とは…

はたして彼女は何者なのか


‘ツキ’って
漢字で書くと‘憑き’なのだそうです
民俗学の領域である
‘憑き物信仰’がベースにあり
その辺りは個人的に好きなので
結構楽しめました
とは言え
「輪廻 RINKAI」に引き続き
救い様のない結末
憂鬱な気分に埋没してしまいました

神蛇を祭る山の自然が壊され
これにより神蛇が獰猛化したようです
本来あるべき神聖な神蛇に戻すために
神蛇の血筋である美輪一族が
聖地代えをする必要に迫られたのも
判らないでもない
ですが
何だか後味が悪い

本来この手のストーリーでは
敵対する人物なり組織が描かれるべきなのでは?
神蛇を封じ込めるような存在
本流れがそれたなら
それを正すべき‘陰’に対する‘陽’の存在…

朝比奈一族の祖霊が
真希に憑いているのなら
もう少し彼女が美輪一族に対して
何らかの戦いを挑む場面があって然るべき?
苑香の弟・玲なんて
肩透かしもいいところですよ
キャラクター自体
登場させた意味がわからん

明野照葉女史の作品って
みんな
救いのない陰湿な感じなんでしょうか…


2011年 フィギュアスケート代表決定

2010-12-27 | フィギュアスケート
世界選手権
<男子シングル>
小塚崇彦・織田信成・高橋大輔
<女子シングル>
安藤美姫・浅田真央・村上佳菜子
<ペア>
高橋成美/マーヴィン・トラン
<アイスダンス>
キャシー・リード/クリス・リード

世界ジュニア選手権
<男子シングル>
中村健人・田中刑事・木原龍一
<女子シングル>
庄司理紗・西野友毬・大庭雅
<ペア>
高橋成美/マーヴィン・トラン
<アイスダンス>
小松原美里/水谷心

四大陸選手権
<男子>
小塚崇彦・高橋大輔・羽生結弦
<女子>
安藤美姫・浅田真央・鈴木明子
<ペア>
高橋成美/マーヴィン・トラン
<アイスダンス>
キャシー・リード/クリス・リード

ユニバーシアード冬季競技大会
<男子>
織田信成・村上大介
<女子>
石川翔子・國分紫苑
<アイスダンス>
平井絵己/水谷太洋

アジア冬季競技大会
<男子>
無良崇人・町田樹
<女子>
村上佳菜子・今井遥
<アイスダンス>
キャシー・リード/クリス・リード


思うところも色々ありますが
代表に選ばれた選手の皆さん
年末年始
つかの間の休息を楽しんで下さい


黴菌(ばいきん) 24

2010-12-27 | 舞台/役者
昨年の「東京月光魔曲」に続く
第2弾「黴菌」は
昭和20年代半ば
敗戦の傷痕がまだ色濃く残る
日本の郊外に建つ洋館が舞台の‘大人の密室群像劇’
だそうです

戦時中でありながら
裕福な暮らしをする
‘五斜池(ごしゃいけ)家’の人物と
その周囲の人たちが主人公となっております

この家には
ほとんど自分の部屋から出てこない当主・鉄次郎を筆頭に
脳病院の院長であり
三兄弟の長男・藤吉郎とその妻・フサ
一人息子の銀一郎
政府の要人の影武者をしている次男・定夫
男娼の四男・京とその妻・雪絵と一人娘
院長の脳研究の実験台となる調雄吉とその妻・園子
当主の妾・オトと妾の兄・渋澤洋平
そして
メイド・山本百合と
運転手兼雑用係り?別府三郎

が暮らしております
定夫と京の間に
三男がいるんですが
子供の頃
不慮の事故で亡くなっております

ラジオからは
意気軒高な戦争報道がされる中
この家族は
戦争に対して否定的な姿勢を示していながら
当主・鉄次郎は
軍事工場を経営
長男・藤吉郎は
軍に加担するような
脳の人体実験に協力し
安穏とした暮らしをしているのでありました

しかし
日本の敗戦は色濃く…
終戦を境に
世間は大きく流れを変え
五斜池家の歯車が
次第に狂い始めるのでありました



舞台「黴菌」を観劇された方の
サイトを幾つか拝見させて頂きましたが
どれも絶賛しておりました

笑いあり
涙あり
サスペンスあり
ホラーあり
オープニングの映像を使った演出も
舞台と言う限られた空間を
縦横無尽に活用したあたりも
洋館の美しさも
完成度は高かったです

俳優陣も
まぁ~
贅沢且つ豪華&個性的な布陣を揃え
圧倒的なパワーが伝わって参りました



で?

なのです

不渡りを出して
軍事工場を手放し
邸宅も国に没収
一家離散するかと思いきや
何故か
メイド・山本百合の貯金で
生活の目処がたっちゃう
男娼の四男・京は
貧しい人達を助ける英雄として
称えられる
調雄吉の精神病は回復の兆しを見せ始める

で?

三男の死が
次男・定夫のせいではなかったことが発覚
その原因が自分にあったのだと知った
四男・京の慟哭
その姿を見つめ
泣く兄二人

で!?

起承転結の起承転までは魅せて貰ったけど

肝心の
サラッとし過ぎて
拍子抜け

3時間23分で
何を言いたかったの?
何の問いかけをしたかったの?
と言うか
この長さ必要?

それと
ストーリーの中に
洋平さんのキャラクター
必要?

どなたか講釈お願いします