時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

あきない世傳金と銀8~瀑布篇~

2020-03-17 | 読書
遠目には無地
近づけば
小さな紋様が浮かび上がる
小紋染め
裃に用いられ
武士のものとされてきた
小紋染めを
何とかして町人のものにしたい
そう願い
幸たちは
町人向けの小紋染めを
手掛けるようになった
思いは通じ
江戸っ子たちの支持を集め
五鈴屋は
順調に商いを育てていく
だが
禍福は糾える縄の如し
思いがけない禍が江戸の街を
そして
幸たちを襲う
足掛け三年の
‘女名前’の猶予期限が迫る中
五鈴屋の主従は
この難局を
どう乗り越えるのか



麻疹の流行で
反物がはたと
売れなくなるも
江戸紫小紋染めの反物を
病魔払いの鉢巻きを
作り易い長さで切り売りし
買い手の心をつかみました


そんな中
歌舞伎役者の菊次郎に頼まれ
日本橋本町の
老舗薬種商・小西屋で催される
恵比寿講に
江戸紫小紋染十反手土産にしたいと
以来を受けました
当日
小西屋に届けに
賢輔を伴い
妹の結と出向くも
そこで結が
両替商音羽屋店主の目に留まり
以後
二十も上のおっさんが
後添いにと
ねちっこく…
実はこれには
裏がありましてですね
後々
騒動になりそうな
嫌な予感

また
上手いこと商売してんなぁ~
と目をつけれた
五鈴屋は
町奉行から
上納金千五百両出せ~
言われれ
馴染みの両替商
蔵前屋に相談?
と出向くも
そこで
突如
幸と鉄助の前に
両替井筒屋三代目店主・保晴として
現れた
五鈴屋五代目徳兵衛こと総次に
そない容易う金銀を借りるもんと違う
上納金なんぞ
本両替に借りてまで用意するもんやない
あんさん
五鈴屋の暖簾を守りたいのおやろ
ほな
もう少し頭を使うらたどないだす
せや
あんさんの得意な知恵を絞りなはれ
それともうひとつ
悪い奴ほど
阿保な振りが上手いよって
気ぃつけなはれ

と叱咤激励?(何気にアドバイス?)

八代目に名乗りをあげる
つもりはないのか?
と言う
鉄助の問いに
私は
井筒屋三代目保晴ですよ
五鈴屋だの八代目だの
まるで関わりのないことだ
妙な言いがかりをつけるのは
金輪際
止めて頂きましょう

と…
大坂の五鈴屋を飛び出して
早九年
何処でどう過ごし
どんな縁で
井筒屋三代目になったのか
分かりませんが
元々才覚のある方でしたしね~
お元気で何より
後々
江戸五鈴屋の力に
なってくれるかもしれない

と言うことで
七代目店主・幸としては
‘女名前’の猶予期限が迫る中
八代目候補に
賢輔をと
考えていたのですが
賢輔はまだ22歳
江戸で成すべきことがあるのでは!?
と言う
意見もあり
元桔梗屋番頭
現五鈴屋高島屋・支配人
周助が
八代目を襲名
賢輔は
今暫く
五鈴屋江戸店で
研鑽積むこととなりました

そして
賢輔は
十二支の文字を使った
新しい図柄を考案
郷里・白子を離れ
江戸にやったきた
型彫師・梅松と
型付師・力蔵の協力で
作り上げられた型紙も完成!
新たな小紋を江戸に広めようと
皆が一丸となろうと言う時に
結が
六枚の型紙をもって
出奔

おいおい

実の妹に
店の命とも言うべき
型紙もって
とんずらされるとは
その理由が
自分に対する
賢輔の秘めた思いが
原因だとは
気づくはずもなく…

そんことより
何処に行ったんだ!?
まさか
音羽屋じゃないよね?
型紙もって…
もう
そのまま二度と
登場しないで!
型紙持ったままは困るから
それだけ返して
消えて!

酷暑の中
体調を崩し
五鈴屋で休んでいった
総髪の学者風男と
連れの
袴姿
二本差しの摂津出身の侍
後々
話に絡んでくるのかなぁ~
実家は
酒蔵みたいだけど…

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