椿三十郎
2008-08-24 | 映画
真夜中の森の中
風に揺れる杉の木立の枝の間から朽ちた社殿が見え
格子の向こうに明かりがついている
中では
若侍たち人目を避けるように集まり密談をしている
一人の若者が仲間に語りかける
「次席家老の汚職を城代家老の睦田に告げたが意見書を破られ相手にされなかった」
失望の色を浮かべる青年たち
だが
「大目付の菊井さんに話してみると『共に立とう』と答えてくれた」と続けると
一転して場は喜びに沸く
この脳天気に気勢を上げる若者たちの前に
奥の部屋からアクビをしながら流れ者の浪人が現れる
謀議を聞かれたと緊張する一同に
どこ吹く風のこの男はニヤニヤしながら
「岡目八目、菊井のほうこそ危ない」と独りごちる
その予想通り
実は悪家老の仲間であった菊井の手勢に社殿が取り囲まれるも
この浪人の機転により若者たちは虎口を脱する
自分たちの甘さを後悔する一同だが
あくまで信念を曲げず命がけで巨悪にたち向かおうとする
出典: フリー百科事典『ウィキペディア』より抜粋
森田芳光監督により再び映像化された
「椿三十郎」をみた
かつて三船敏郎氏が演じた
椿三十郎には織田裕二
仲代達矢氏が演じた
室戸半兵衛を豊川悦司が演じている
豊川悦司
時代劇どうなの?
城代家老睦田を藤田まこと
その妻に中村玉緒
娘千鳥には鈴木杏
井坂伊織役には松山ケンイチ
今どきの若者に
‘鬘’はキツイものがある
その他悪役
竹本・黒澤・菊井には
風間杜夫
小林稔侍
西岡馬
森田版「椿三十郎」は
昔の台本をそのまま使用しているらしいですね
台詞自体には
今聞いても
違和感がありません
佐々木蔵之介演じる
おとぼけキャラ木村は
好感もてたけど…
城代家老睦田の妻と娘千鳥の
世間に疎い(浮世離れし過ぎた)
超おっとり型のマイペースには
ついていけなかった
会話
イラつく~
城代家老睦田は
藤田まことが演じたせいか
仕事を真面目にやらず
いてもいなくても変わらない立場の人間であることから
奉行所内外から『昼行灯』と呼ばれ馬鹿にされている
しかし頭の回転は極めて早く…
でお馴染みの
中村主水と
もろかぶるキャラ
中村主水が
出世したかと思った
119分
長かった…
椿三十郎と
室戸半兵衛の駆け引きや
相手の裏をかく心理戦は
それなりに面白いと思ったけど
あとはね~
なんで
あんな阿保な
若侍達の片棒担ぐのか
理解出来なかったし…
黒澤明版「椿三十郎に」は
どうなの?
城代家老睦田の妻に
『本当によい刀とは鞘に納まっているものですよ』
と(椿三十郎が)言われ
自分は
鞘に納まる人間じゃない(=良質な人間ではない)
と暗に認めてるような
雰囲気あったけど
鞘に納まった刀は
お飾りに成り下がり
既に本来の価値を失っているわけで
鞘に納まったような
従順な侍は
既に武士とは言えないと
思う訳で…
何だか
納得いかないわ~