がんができる仕組み（２）

おはようございます
がんの起源、幹細胞に迫る、日本経済新聞の抜粋です

つづきです・・・
そんな流れが変わったのは1997年。カナダのトロント大学のジョン・ディック
教授らが血液のがんである白血病から世界で始めてがん幹細胞を発見した
からだ。
2003年以降、乳がんや脳腫瘍（しゅよう）でも幹細胞と似た性質を持つ細胞が
見つかり、がん幹細胞の研究は一気に加速している。

研究者が全力を挙げてがん幹細胞を探しているのは、がんの再発を防ぐ鍵を
握っているからだ。
がんを抗がん剤で治療すると一時的にがんが小さくなる人もいる。だが、薬が効
いたとしてもほとんどの人は半年から一年で再びがんが大きくなるという。
「がん幹細胞が生き残っているのが再発の原因と考えられる」と森教授は説明
する。

抗がん剤を投与してもがん幹細胞が生き残るのはなぜなのか。
正常の幹細胞は、人体を作る様々な細胞の供給源だ。幹細胞がなくなると生
命が脅かされることになるため、幹細胞は自分を攻撃する“毒”を排除する仕組
みを備えている。
森教授らはがん幹細胞は正常の幹細胞の遺伝子が傷ついてできるという仮説
を立てている。
この説が正しければ、がん幹細胞にも正常の幹細胞と同じ仕組みが備わってい
ることになる。抗がん剤をうまく排除して生き残ることができるというわけだ

大腸がんで見つかったがん幹細胞の候補には、抗がん剤を細胞外にくみ出す
たんぱく質の遺伝子が多くみられた。
抗がん剤を実際に与えたところ、がん幹細胞が死滅する割合はがんの半分以
下だった。
明後日につづく・・・

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