2010年秋、生後5か月くらいの孫娘。息子の背中に立っています。お嫁さんから来たメールより転載。
二人で何見てるんだろ?(写真省略)
著者は映画「武士の家計簿」の原作本を書き、NHKの歴史番組(名前失念)によく出る人。茨城大学准教授。
古文書を読むのが何よりも好きで、この本は朝日新聞土曜版に連載された短文を一冊にまとめたもの。有名、無名にかかわらず、その人の珠玉の言葉を上げ、解説。字数の制約の中で、まとめるのは大変だったと思う。
人は、必ず死ぬ。しかし、言葉を遺すことはできる。どんなに無名であってもどんなに不遇であっても、人間が物事を真摯に思索し、それを言葉に残していさえすれば、それは後世の人に伝わって、それが叡智となる。この叡智のつみかさなりが、その国に生きる人々の心を潤していくのではないか。
・・・・・はじめに・・・・より
著者の本を編むにあたっての思いはこの部分に尽くされていると思う。
慶長年間の小早川隆景から平成の寺田栄吉まで、98人。その人の人生観をダイジェスト版で読む面白さ。どこから読み始めても楽しいかも。
私が栞したのは、江戸時代の相場師、牛田権三郎、加賀千代、塙保己一、堺利彦、戦前の反骨の新聞人、桐生悠々、などなどだけど、この本の中では知らない人多数。
家は貧しく、時代は厳しく、その中で思いは純化し磨かれるのかも。今の時代も厳しいけど、長い間の安逸に流され、今の時代の人はいつのまにか思いを表現する話法を忘れているように思う。