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「逆襲、にっぽんの明るい奥さま」 夏石鈴子

2016-08-04 | 読書

ロシア、セルギエフポサードの修道院に咲くバラ 2015年8月


主婦のいろいろ、生態各種の短編集。どれも短くてすぐ読める。主婦とひとくくりにされても主婦だって人、そして人はそれぞれ。典型的な主婦など初めから存在せず、自分の抱えた現実、困難と闘いながら生きている。それがよく書けている。

この分野は男性作家には初めから書くのが難しく、女性作家にとっても、あまりに日常に過ぎてドラマも生まれにくく、まだまだ未開拓の分野だと思う。

著者は出版社で編集者として働く一方で、小説も発表し、現実には一児の母。売れない映画監督の夫は最近別れたそうな。

本編と同じくらいにあとがきも面白い。賢い人だと思った。これからはもっと長いものも書いていただきたいというのが私の感想。

一つ注文出すと、どの主婦も考えがネガティブ、自分で自分を不幸にしていることもありそうで。とろい自分の子供にイライラするって、そりゃ勉強できて、なんでもテキパキできる子が自分の子供なら周りに対して鼻が高いし、人生も楽しいだろうけど、そうはいかないのが人生。そしてそれだからこそ面白いのも人生。

とろい子供でも自分の子供なんだから、もっと愛情を持てばいいのにとつい思った。

うーーーむ、次読むかと言えばどうかな。どうせなら、楽しくなるものを読みたい。

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