2009年 長野県四阿山から クリックで拡大
今月6日から、NHKでドラマも始まるそうで。知らずに読んだけど、なかなか面白かった。
元々はミステリーの人らしい。しかし、この作品では人は死なないし、無理矢理の結末もなく、面白く読めました。
8つの短編から構成されていますが、ある章の主役が別の章では相手役になったり脇役になったりで、全体として緩やかなつながりを持った長編としても読めます。
全て山に登る女性の話。単独行もあれば、職場の友人同士、姉妹、婚活で知り合ったばかりの二人、恋人同士と様々。
しかし日常生活を離れ、山を歩き自然と触れるうちにその人の性格、抱えている問題がくっきりと浮かび上がり、これでいいのだろうかと自問自答したり、人とのつながりを改めて見直したりと、ドラマを作り、心理を描写するにはうまい設定だと思った。
山の景色、山で食べる食事やおやつなどもよく描写されていて、山好きの人もそうでない人も楽しく読めるのではと思います。
私もまた泊りがけで遠くの山へ行きたいものですが、夜9時くらいに消灯する山小屋では全然眠れないので、10年前ならともかく、今はきつそう。せいぜい近郊の山で楽しみましょう。