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「手のひらの京」 綿矢りさ

2016-11-09 | 読書

ただいまベストセラーだそうで、私も面白く読みました。

京都に両親と住む三姉妹。図書館に勤める長女、新入社員の次女、大学院を出て東京の会社に勤めたい三女。

それぞれの生き方が、京都の四季、行事、着物を背景にし、会社勤めの機微、恋愛の駆け引きにあれこれを通じて生き生きと描かれている。

私は、この小説の想定する読者の年齢層からは大きく離れているけれど、今の若い女性のたくましさに目を見開かれる思いでありました。

男女混ざった会社の仲間でバーベキューをするとき、どういうポジションを目指すべきか。私にはもう用はないはずだけど、これから社内恋愛して結婚する(したい)人にはハウツー本として読んでもいいかもですよ。

露出の多い服を着て、派手な言動、見栄えのいい役をやり、何かというと男に甘える。

地味な服装で、手を出すタイミングが遅れたばかりに気の利かない女としての烙印を押され、人が楽しんでいるのに黙々と片付け始めて、一層浮いてしまう。

あなたはどちらでょうか。

私は断然後のタイプでした。でもわかってくれる人もいると思っていた。

でもそうじゃないんですね。若い男はその場を華やかににぎやかし、何かというと鼻にかかった声で甘えてくる女の子が大好き。その子が口先ばかりで、共同で何かをするときは見えないように手抜きするとしても、男にはそんなもの見えませんもの。

おやおや、私、何を熱くなっているんでしょう。何を思い出しているんでしょう。

でも今になれば、地味な人間は地味なりに出会いが待っているということで、華やかな女の子が好きな男は一人の女性にとどまる確率も低い。私の学生時代のささやかな体験からですが。

地味な女性も神様は見捨てないと思う。おばちゃんは今になればわかる。

若いときには心も不安定で、好きな人には振り向いてもらえず、楽しそうな人がとてもうらやましく思えるもの。

でも恋愛がお休みの時は、本読んだり、映画見たり、絵を見たり、音楽聞いたりして、心の中に自分を支えるものをたくさんためておいてね。それがいつか花開くときもあるから。

おやおや、もてない女の子への応援歌みたいになりました。

若い女性が読んだら、自分が行き惑っていることの答えが隠されている。そんな小説でした。

私は、そうかバーベキュー一つにも戦略が必要なのだと気が付きました。

お局様への反撃も痛快。今はパワハラ、セクハラに対して社会の認知度も上がり、泣き寝入りする必要ないんだと勇気をもらいました。会社勤めはもうしないと思うけど、集団のカでの自己主張の仕方について参考になりました。


昨夜は昔の友達から思いがけない電話。懐かしくて長話してしまった。

とりあえず体に気を付けて、やりたいことをやっていこうという結論に。

Mさん、お電話ありがとう。また会いたいですね。

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