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「KYOのお言葉」 入江敦彦

2016-11-24 | 読書

2012年12月初め 京都、天龍寺前で。ツアーバスから降りた女性多数、紅葉を拾っています。


京都方言60を衣食住、愛と変の5つのカテゴリーに分け、使われる場面とその意味を解説する。あわせて、京都の食べどころや雑貨屋などを紹介、ハンディかつ深い京都案内になっている。

千年以上都を張り、昔からずっと都会だった京都では言葉一つとっても重層的な意味があり、また短い言葉に感情をうまく載せるなど、なかなかに面白かった。

新たな発見は、京都の人は「冷たい」とか「意地悪」と言われることに傷ついていると、京都出身の著者の言葉。なるほど、みんな割とそういうので、言われ慣れてるのかと思ったけど、そうでもなさそう。悪口言われてうれしい人いませんものね。これからは私も気を付けます。

で、私の出身は香川県なんですが、言葉は京と共通のがたくさんあることが今回の発見。

以前このブログでも書きましたが、白みそ丸餅の雑煮文化圏、瀬戸内海を渡り、淀川、桂川とさかのぼれば、都も近かかったのではとの思いを新たにしました。

とはいえ、讃岐は流刑の地、崇徳上皇などなど。あまり威張るのも見苦しいので、畿内文化圏の辺境の地とわきまえ、あまりこの地でいざこざ起こさないよういたします。

共通語をいくつか挙げると、たいたん、イキリ、いわしたろか、あんじょー、めーぼなどなど。

わが故郷ではイキリはイキっとるとか、イキリマツとかという風に使う。(使っていた)。

いわしたろかは広島弁でいうと、しごうしちゃるでということになろうか。

いわしたろかではなく、イワッしゃげようか(いわし上げようか)とさらにバージョンアップ。でも祖父が人のけんかを形容して使っていたのを聞いたぐらい。今はほぼ絶滅していると思われます。

祖父はたいそう穏やかな人で、人とけんかなどまずしない人だったので、あくまで人の様子を話す場合です。本人が口にすると最上級の恫喝の言葉。


各地の人の暮らしとともにあった方言は、汚く恥ずかしい言葉ではなく、それぞれの土地の風物詩。風景みたいに心癒されるものだと思いますが、最近テレビのインタビューに答える子供は日本全国、どこでもはきはきわかりやすく、しみじみと自分が昔人間になった気がします。

最近立ち上げるとこんな画像が出る。秋らしい。


先日の話を夫にしていると、うちの学校にも、かっこいいやつとそれを悪く言うやつがいたということでした。

なるほど。到底かなわないから難癖つけるとしたら、ちょっとみじめかも。私もその弊に陥っていたかも。

彼の人は、上の学年の男子にも、下の学年の男子にも知られた存在。誉め言葉ではなく、妬みの言葉で語られるのを何度か聞いた。

学年一の美女も30になるかならない頃、事故死したとずいぶん後で聞いた。

あの学校で、大勢の生徒がいて、あんなこと、こんなこと、いろんなことがあった日々からうんと時間がたったけど、あの二人のことも時々思い出して、私なりの供養にしたいと思う。

 

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