11/11 三景園で。快晴。
読みやすくて面白く、かつ深くて、今年私がささやかに読んだ本の中のベスト3に入れてもいいと思いました。
他は「大世界史」と「帰郷」でしょうか。
取り上げた10冊とは「アンネの日記」「聖書」「コーラン」「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」「資本論」「イスラーム原理主義の「道しるべ」」「沈黙の春」「種の起源」「雇用、利子および貨幣の一般理論」「資本主義と自由主義」。私自身読んだ本もあればそうでないのもあります。「資本論」なんて当然読んでません。
この本を読んで、今の世界を構成する一大勢力のキリスト教とイスラム教について、パレスチナ問題、生物の進化と環境問題、資本主義を学問的に体系付け各時代でどうコントロールしてきたかという政策の問題など、なんとなくわかっていたけどよくわからなかったことが、今の私の能力の限りではありますが、曲がりなりにも理解できて頭すっきりです。
心に引っかったフレーズを挙げて、私自身の備忘としたいものです。
ヒットラーは、自国の中に敵を作り出します。それがユダヤ人でした。ドイツは、アーリア人という優れた民族なのに、ユダヤ人によって貶められている。ユダヤ人を絶滅させて、アーリア人国家に純化させることが必要だと訴えて、支配を確立したのでした。
経済状況が悪化し、失業率が高まり、民衆の不満が高まると、「敵」を作り出して民衆の支持を得る。そんな政治勢力が生まれやすくなります。それは、ナチスドイツに限りません。アンネの日記
あとは・・・引用につかれたので、またいつの日か。
今では常識と思われる事柄も、優れた書き手によって発見され、また組み立てられたものであると分かった。それが理屈に合うからこそ、広く受け入れられたこともあるけれど、イスラム教とキリスト教の対立は深く、イスラム原理主義による限り、ほかの宗派との和解もないのだと改めて思った。
仏教徒の(特に日本の)慈悲深さと融通無碍な傾向の対極にあるのだと思った。