初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

奈良の鹿煎餅

2009年01月13日 17時49分50秒 | Weblog
  ラジオ業界にテープレコーダーが現れました。それまではSP盤と同じ構造の円盤録音機でしたから、画期的なことでした。それに“デンスケ”の愛称の重かったですが携帯型のテープレコーダーが現れました。それを携えて、僻地のインタビュー番組などで活躍しました。テープレコーダーの出現で、ラジオは一変しました。テレビの生番組でも、テーマ音楽、効果音、CMソングなど、活躍したのですが、肝心の映像は生でした。いずれ何か録画装置が出てくると予感していたのですが…。

 アンペックスのVTRが入ってきました。
テープは2吋(ブロニーフィルム位の幅)で90分、1時間、30分などで、大きなリールに巻かれていて、大の男がよいしょっと掛け声をかける大きくて重いテープでした。この機械一台がVTR室を占領していました。

 ラジオのテープはハサミで切って編集できます。細かく切って神業の編集をする人もいました。しかし、テレビのVTRテープは編集できませんでした。
 番組を生番組のように一気にとります。途中でNGが出たら、頭から撮り直しでした。いつも、予定の時間を大きく外す仕事になりました。生番組ならば放送時間が終われば、仕事も終わりでしたが、VTR撮りはいつ終わるかわかりませんでした。

 ある若いスタッフが夕方にはVTR撮りが終わるからと、郷里から訪ねてきたフィアンセをスタジオの隅に待たせていましたが、終わったのは夜の11時でした。奈良の野原でホルンを吹くと鹿が集まってくるという名物の鹿寄せをVTR中継の番組にすることになりました。現場からマイクロ回線で本社のVTR室に番組を送るのですが、VTRの順番待ちか、機械の故障かで、OKが出たのは、午後3時過ぎでした。肝心の鹿は集まりが悪く、あまった鹿の煎餅を昼食代りにスタッフで食べましたが、なんとも味のない煎餅でした。


 このVTRテープを編集することを考えだされました。録画したテープを特殊な液を塗って、磁性体を浮かび上がらせて同期信号の隙間で切断する方法です。かなり、神経を使います。切りそこなうと、一枚画面がパラリと流れました。
 高価なテープを切断するのですから、制作部長のハンコがいりました。

 自動的にテープを切断する機械も出てきましたが、電子的編集機が出現してフープを切りことが無くなり、問題は解決しました。

   




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