初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

ビスタビジョン

2009年03月09日 18時26分40秒 | Weblog
  テレビに対抗するためにアメリカで、シネマスコープという横長のスクリーンの映画が作られました。
 画面の横方向だけ半分に縮める「アナモフィック」レンズを装着して撮影し、映画館で、画面の横方向を2倍に戻すレンズをつけて映写します。そうすると画面の横が2倍になる横長の大きな画面になりました。

 西欧では、企画が困ると、キリスト関係の映画が作られます。「聖衣」が作られました。
 画面が横方向に2倍になりますと、俳優さんのクローズアップのワンショットの切り返し画面よりツーショットの画面が落ち着いて見えました。
 
 邦画のシネマスコープ映画「忠臣蔵」で浅野が吉良に刃傷沙汰におよぶ松の廊下の場面で、廊下の床が直線にならず、歪んで描写されたり、なんとなく甘い画面が気になりました。

 横長の映画の尖鋭度を上げるために、ネガフィルムを2倍の広さを使う、「ビスタビジョン」が現れました。

  標準の映画は35ミリのハーフサイズ、ペンサイズです。
 ビスタビジョンのネガサイズは、ライカ判です。ネガ面積が倍になったのですから尖鋭な画面が得られました。
 撮影カメラのフィルム走行は今まで縦方向に走らせていました。ビスタビジョンはライカ判ですから、横方向にフィルムを走らせます。しかも、フィルムは倍使いますから、ミッチェルNCカメラでは1000フィートのマガジンでしたが、ビスタビジョンではさらに大きな2000フィートのマガジンが使われました。

日本の映画フィルムの現像所は容量が1000フィートまででしたから、コダックから輸入された2000フィートのフィルムを半分の1000フィートに切って使っていました。

 ニコンFのモータードライブに250コマ撮影できる大きなマガジンがありました。、
このニコンFモータードライブに1000フィートのマガジンをつけて撮影するような構造です。

 この撮影キャメラは、フィルムを倍のスピードで走りますから、予備スイッチで半分のスピードで助走させて、次に本番のスイッチを入れるたいそうな構造で、220ボルト、三相交流のシンクロナスモーター駆動です。

 この「ビスタビジョン」で「ホワイトクリスマス」など作られました。横方向に走るネガフィルムを縦方向に走る映画館ポジフィルムの仕上げが大変で、いつの間にかなくなりました。

 日本のハイビジョンやワイドのテレビの画面の比率がビスタビジョンサイズになっています。




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